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022 身に染みる思い

「アレってさぁ、どう頑張ってもランドは私の体重を計っていたのよね」


 ぐるぐると回る思考に邪魔をされ、日が窓から差し込むような時間になっても寝付くことが出来なかった。

 外から使用人たちの働き出す音が、聞こえてくる。


 あと小一時間もすれば、シェナが私を起こしに来るだろう。

 

「私の体重……ランド様も気にしていたってことなのかな?」


 ごろんと寝返りを打てば、いろんなところについた贅肉がブルンと揺れた。

 自分の体がいつも以上に重く感じる。


 気にしているのは、私だけだって思っていたのに。

 まさかランドも気にしていたなんて。


 でもさぁ、何も私を持ち上げて体重計らなくてもいいじゃない。

 どうせそんなに痩せてなんていないわよ。


 ただなんだろう。

 太ったとか痩せたとか、そういうのを気にして持ち上げた感じではなかったのよね。

 

「でもだとしたら、アレはなんの確認だったの?」


 ドレスなどを仕立て直すのならば、体重だけじゃあ意味ないし。

 ランドは私の何を確認したかったのかしら。


 でもどっちにしても、いい雰囲気だって思ったのは私だけだったってことね。

 ……なんか、馬鹿みたい。


「今日はもう、ダイエット休んじゃおうかな~。なんかやる気出ないなぁ~。今日はこのままベッドにいたい」


 前みたいにだらけて、好きな時間に好きな物を食べてゴロゴロする。

 きっとそれは、幸せで満ち足りた時間よね。


 前の人生で食べ損ねた美味しいお菓子と、使い方すら知らなかった自分への時間。

 前回が前回だっただけに、なんか私の人生両極端に振り切れてる気がする。


 幸せなんて知らなかった過去に、溺愛されて幸せしかない今。


「はぁ。ちゃんと向き合わないとダメよね。いろんなことと……。でもまずは自分から、か」


 ため息交じりに気だるい体を起こした。

 逃げるのはすごく簡単なことだけど、これを始めた意味をちゃんと考えなきゃ。

 目標はとっくに決まってるわけだし。


 そのためにちゃんとして、それからランドとも夫婦として会話をしよう。

 逃げても意味がないことぐらい、自分が一番よく分かってるから。


「さあてと、まずは自分で着替えて部屋の掃除でも始めようかな」


 クローゼットの中には、両親や兄、そしてランドが買ってくれたドレスがびっしりと収納されていた。

 どれも色とりどりで、宝石などもちりばめられており、これ一枚でいくらするのか想像もしたくない。


 そんなドレスはゆうに三十着は超えていそうだ。

 それをシェナがわざわざ、サイズごとに並べてくれている。


 正面から見て右に行くほどサイズが大きく、左に行くほど小さいということらしい。

 いつもはシェナが出してきてくれるから気にならなかったけど、今私はどのサイズなのかしら。


「え、でもさすがに……真ん中ぐらいは着れるわよね?」


 などど言いつつも、私は半分よりやや左端に近い深緑のドレスを取り出した。

 うん。こんなドレス見たことあったっけ?


 私のやや黒い髪にも赤い瞳にも似合いそうもない色のドレスは、一度も手を通したことがないように綺麗だった。


 前、後ろとドレスを確認したあと、私は姿鏡の前でドレスを合わせる。


「……んと、ちょっとだけ小さいかなぁ」


 Aラインになったドレスのウエストは、いくら引っ張っても自分のお腹周りには足りそうもない。

 そもそも、これ下から着ても上がらない気がする。


「ああ、もしかして誰かのドレスが間違って入ったのかもしれないわね。きっとそうに違いないわ!」


 きっと母のドレスだわ。母は食べても太らないらしく、かなりスレンダーな人だし。

 ココへ来る時に間違って持ってきてしまったんわだ。


 と、自分に言い聞かせる。


「でも……半分の位置でこのドレスってさぁ……」


 ゴクリと喉がなる。


「ミレイヌ様が現在着れるドレスは右から三着目以降で半分までのものです」

「ぎゃぁぁぁ、出た!」


 鏡越しににゅーっと現れたシェナに私は大声を上げた。


「まったく。人をお化け扱いしないで下さい。これでも何回かノックしたのですよ?」

「ご、ごめんシェナ」

「珍しいですね、ご自分でドレスをお選びになっているなんて」

「少し早く目が覚めたからね。でも半分までしか着れないのかぁ」


 こんなにあるのにもったいないな。

 やっぱり頑張って痩せないと。


「いいえ? 半分ではないですよ」

「ん? でも今、半分って」

「ここにあるのは、です。ミレイヌ様がお嫁入する際にご両親たちが何着か新調なさったのが全て奥にしまわれています」


 新しいドレスなのに、全部しまってあるってこと?

 まぁ、夜会とかは行かないからわざわざ新しいのを着る必要性もないんだけど。


「少しくらい出してもいいんじゃないかしら」

「……奥様たちはミレイヌ様がお嫁入してご苦労なさり、やせ細ってしまうとお考えになったようです」

「んんん? えっと、つまりそれって……」

「ええ。今のミレイヌ様では入りません」

「ぐはっ」


 神経すり減らしてもなければ、やせ細れもしなくてすみませんお母様。

 思った以上に、昨日からのダメージが朝日と共に身に染みました。

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