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拒絶としつこい絡み

「ねーねー彩海さん?この後の体育なんだけど体操服忘れちゃった。どうすれば良い???」


「...........保健室に予備がありますから、そこで借りてくれば良いですよ」


「ねーねー彩海さん?教科書忘れたから机くっつけて見せてもらって良い?」


「..........いいですけど、次からは忘れないでくださいね?」


「ねーねー彩海さん?お腹空いた。食堂に食べに行かない???」


「私はお弁当があるので大丈夫です。丁度今教室を出て行ったグループは食堂に向かうようなので一緒に行かれたらどうですか?」


「彩海さんがいないならいいやー。非常食があるからそれでいいや」


「............食堂に行きますよ」


「やった!」


 ――――――


「えーっと、彩海?お疲れ様」


「ほんとになんなのあいつ........。」


 あの転校生......もしや私がお前を嫌ってることを知ってのこの状況だな!!


「大丈夫?」


「全然大丈夫じゃない。毎日吐いてる」


 もう拒食症なんじゃないのかってレベルでご飯も食べれてない........。それに寝れてもないし。


「ご飯は食べれそう?」


「無理」


「だよね.........。睡眠は?」


「寝れるとでも?」


「あー..........。」


 野菜ジュースとか、ゼリー飲料とかで誤魔化してるけど、もう身体が限界。


「.............よし!分かった!!」


「.........何?」


「とりあえず今日は学校をサボる!!もちろん彩海も!!!」


「.............私も?」


「そう!!そして彩海の家に行く!」


「..........で?」


「ごはんを食べていっぱい寝よう!!!」


 それができたらこんなに苦労しないんだけど。


「それじゃあまずは彩海の家に行く前に.........」


「行く前に......?」


「彩海のカバン貸して」


「...................................................................やだ」


「ふーん。断るくらいには後ろめたいものがある、と」


「ない」


「そんな食い気味に言われたらもっと説得力ないよ。いいから貸す」


「やだ」


 さすがにバレるわけにはいかない........。睡眠薬が大量に入ってるしスタンガンもある。それに怒られる気しかしないし、法律違反すれすれかもだけど.......普通にナイフが入ってる。


「大方スタンガンとか入ってるんだろうけど.......。」


 ごめん、その斜め上以上のものを持ってる............って、あっ!?!?ヤバイ!!!!!!!!


「ふむふむ........スタンガンに大量の睡眠薬に、ナイフにロープ、結束バンドに金槌。それにライターに固形燃料。....................ねぇ彩海?これどういうこと???」


「.............てへっ♪」


「堂々と自殺&殺人セットをカバンに入れるなこのバカ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 チッ........誤魔化せなかったか。ぶりっ子演じた理由がないじゃん。


「このナイフとかロープとか金槌とかアウトでしかない!!!しかも結束バンドとかダメじゃん!!何!?確実に殺そうとしてるよね!?!?!?」


 計画段階でしかない暗殺計画が.........。


「それにこの睡眠薬は何!?!?OD狙ってる!?!?!?」


 だってね.......?摂取量間違えましたっていうていで自殺できる神アイテムだからね


「..........................で、朔夢?何か問題ある?」


「開き直るなこのバカ!!!問題しかないわ!!!!全部没収!!!!!!!!!!!!!」


「えー」


「えー、じゃない!!!!!!


 あー、なんとか手に入れた睡眠薬が...........。まぁ家に在庫がたくさんあるから良いや。


「いい!?これから当分は彩海が寝るまで私が側にいるからね!!!!さすがの彩海でも家で自殺はしないでしょ!!!」


「あー、うん。自宅では、ね?」


「決定!!当分は私の監視つきだから!!!!」


「........危なくない?」


「あんたの方が危ないわ!!!」


 そこまで怒らなくても.............。


「予定変更!!とりあえずこの物騒なものを全部私の家においてから彩海の家に行くよ!!いい!これ以上変なことしてみなさい!!!うちに住まわせるから!!!!!!」


 なにそれ................とりあえず当分は大人しくしておこう。さすがにそこまで迷惑をかけられないから。


「とりあえず行くよ!!!!!」


 そう言って私の手を掴んで歩き出す。


 ..............................もう。結局朔夢は甘いんだから。

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