1話 妖精界へ
この小説をなろうで連載することが出来てとても嬉しいです!
頑張って完結まで持って行こうと思います!!かなり時間かかると思いますが……。
よろしくお願いします!
「僕は死んだのか…?でも意識がはっきりする…風の音もする…」
呟きながら大池は目を開けるとあまりの眩しさに目を瞑る。再び目を開けるとそこにはただ草原が広がっているだけだった。
「ここはどこだ?」
と周りを見渡しても自分しかいないと言うことに気づく
「亜美!亜美ー!」
叫ぶが返事がない、と言うより奥から何か突進してくる。
狼…?違うな…なんだあれは…と思った瞬間、いきなり目の前に現れ襲ってきた。
「うわぁぁ!」
と大池は慌てて腕で目を隠し、自分の命もここまでと確信したその時だった。
「やぁっ!」
と一際甲高い声が聞こえたかと思うと、プギャー!とその動物(?)の鳴き声が聞こえる。
しばらく衝撃がなかったため大地はゆっくり目を開ける。
なんとその動物が何者かに切り裂かれ雲となり消えていったのだった。
「なっ…」
大池がさらに驚いたのは剣を持った女の子の背中についてる羽…。
「危ない危ない間に合った…」
と女性は剣を収め服装を整えると大池の方を振り返った。
なんという美貌……亜美と同い年だろうか?
「初めまして!私エクシアこの世界の守護妖精だよ、ほら立てる?」
と手を伸ばしてくるが大池は妖精という言葉を聞き呆然と口を開いただけだった。
(エクシア…妖精…これは夢なのか?)
「本当に人間界から人が来るとはねぇ」
とエクシアが周りの草原を見渡す
「とりあえずここは危険よ着いて来て、大丈夫!私は敵ではないわ」
と笑いながら手を伸ばしてくれるが、足に力が入らず上手く立てない。
それどころか腕も上がらない。
「もぅ…厄介ね」
とエクシアは大池を背中に背負う。
「うぉっ…」
大池はエクシアの羽が顔にあたりつい声が漏れる
「あ…ありがとうございます」
とエクシアは笑顔で頷くとそのまま歩いていった。
「あの…エクシアさん」
ようやく頭の整理が追いついた大池が話しかける
「どうしたの?」
「もう下ろしてもらっても……良いですよ」
大池にはもう限界だった、こんな大草原の中、女性に背負ってもらう男子など見たこともないからだ。
「あら?もう良いのね」
「とりあえず何が何だか分からないので教えて欲しいです」
大池が慌てた様子でエクシアに聞くとエクシアやれやれと言った表情で話し始める。
「異世界からノコノコとやってきて…まずはあなたの事を言うべきじゃない?でもちょっとまって、もうすぐで私の家だからそこで話を聞くわ」
と先にスタスタ歩いていく。
大池にはそれを黙って見ているしかなかった。
「はぁ…なんでこんなことになったんだろ」
「おーい!行くよ!」
「はーい!」
エクシアの叫び声にと大池は慌てて走っていった。
「ここが私の家よどうぞ上がって」
しばらく歩いていると2階建ての大きな家の前に案内される。
「一人暮らしには少し大きくてねぇちょうど良かったわ」
とエクシアはブツブツ言いながら電気をつける。
玄関の目の前にはすぐに廊下がある
「とりあえずその廊下の先が部屋よしばらくそこの椅子に座っててね」
。大池は言われた通り部屋まで歩いていくと椅子に座る
「さてここから本題だけど」
とお茶が並べられ軽く会釈しながらエクシアが大池に話しかける
。
「そういえばあなたの名前は?」
「えっと…原井大池です」
エクシアはしばらく原井大池という言葉を軽く連呼するが……
「うーんやっぱり私は分からないどこから来たの?」
大池は亜美と一緒に遊園地行こうとして地震と土砂崩れに巻き込まれここに来たことを全部エクシア話した。
「なるほど…それでその亜美って子もここに来ててるかもって?」
大池は大きく頷く。
今にでも探しに行こうとする気満々だった
「それなら探すのは一苦労よ」
とエクシアが真面目に答える。
正直大池も予想していた通りだった。
「この世界は妖精界、妖精界は5つの大島から出来ているの」
とエクシアは丁寧に絵を描いて教えてくれる。
どうやら大池たちの住んでた世界と別の所にあるらしい。
「ここはアストロニア平原と言って1番大きいの、端から端までだいたい200キロメートルくらいあるかしら…」
「なっ……」
(200キロメートル!?そんなの探せるわけが無い…と思うんだよなあ普通ならば……)
「その中から1人を見つけるのはとても大変な事だわ」
とエクシアが念を押してくるが大池は絶対に諦めたくなかった
「それでもいいんです!」
と大池はさらにエクシアに迫る。
2人はしばらくのにらみ合いが続いた。
「はぁ…」
とエクシアが大きな溜息をつきお茶を飲み干す。
「ここは危険よ?周りにはさっきのようなモンスターがうじゃうじゃいるけど本当にいいのね?」
と手を組みながら聞いてくる。
その目は決して笑っていない……本気で大地の事を思って言ってるのだ。
「はい!お願いします!」
エクシアはしばらく目を瞑る。そしてしばらく黙っていると……。
「わかったわ」
と小さく聞こえた。
よしっ!と大池は反射的に手を握る。
無論その動作をエクシアが見逃すわけもなく……。
「ただし、あなたに明日武器を持たせないとね」
とエクシアがニヤけて話す。
「ちょっ!早過ぎないか!?」
と大池が慌てて言うがエクシアは厳しい目をして……
「なら亜美を探すの諦める?」
大池はそのことを言われつい黙ってしまった。
「とりあえず今日はおやすみ、まぁ明日すぐに私と戦えとは言わないわ」
と大池はエクシアに廊下へ手招きをされた。
大池はそのまま風呂場に連れていかれ……
「風呂入ったらすぐ寝なさい疲れたでしょう?あなたの寝室は風呂場を出てこの廊下の3番目の部屋よ」
とエクシアがドアを閉めそのまま歩いて行った、
「これは夢なんだよな…」
と大池は風呂に漬かりながら呟く。
(夢の割にはとても暖かくて気持ちいいお風呂だな……)
大池はそのままお風呂を出ると、そのままエクシアの言われた部屋へ行った。
ベッドはどうやらエクシアが敷いてくれたらしい……。
「おやすみ」
と誰もいない部屋で呟いた後、大池は一瞬で寝てしまった。