^第三作戦室
第三作戦室とドアに書かれている部屋があった。
十畳程の部屋で中央にはモニターの付いた楕円形テーブルが置いてあり、三人の男女が居た、一人は壁に付いている一畳ほどのモニターの前に背を向けて座っている、その女性に付き添う様にもう一人の女性がその脇に立っていた。
「かおる、やり過ぎよ、萎縮して辞められたらどうするの」
モニターの正面に座っている女性が、かおるを睨んで言った。
「そうですよ、かおるさん、うちは慢性的に人材不足なのですから、こんな形で辞められたら困ります」
座ってる女性の脇に立っていた女性が言った。
「相変わらず、いたずら好きなんだから、でも、もうそんなことやってられないわよ」
座っている女がそう言って、かおるから目を離し
「すこ~しやり過ぎたかなとは思っています」
かおるが申し訳なさそうに言ったが、顔は楽しそうに笑っている。
座っている女性、ひびき、と立っている女性、つつみ、がお互いの顔を見合わせ、ため息をついた。
三十分程すると三人が入って来た。
ドアが開くと同時にあゆみとレイが、座っているかおるに突進して来た。
「どうやって召喚したの?、符術師ってそんなことも出来るの?」
あゆみが大声で言った。
「あの水色の竜はどうやって出したの?、私にも出来るの?」
レイが大声で言った。
矢継ぎ早の質問の嵐を、どこ吹く風と気にもせず、かおるは二人の後からのんびりと入って来るライを見ていた。
ライはテーブルを挟んで、かおるの正面の椅子に腰を下ろした、両手をテーブルの上に置き両の手の指を組み、睨むでもなくむしろ笑う様にかおるを見ている。
[やられたよ、幻覚、幻影、本物じゃないよな、なんにしても、手も足も出なかったよ」
ライが笑いながら言った。
「手も足も出なかったと言っても、初めから手を出すつもりがなかったでしょう、ずーと竜を見てたしね」
かおるも笑いながら言った。
「かおる、聞いてるの、こっちを向きなさい」
レイがかおるの耳元で大きな声で言った。
「二人とも、まずは座りなさい、話はそれからです」
ひびきが凛とした口調で言った。
あゆみとレイがハッとしてひびきを見た。
二人は渋々とライの隣へ座った、あゆみがなびき側へ、レイがライを挟んで反対側へそれぞれ座って行った。
「それでは改めて、私は団長のひびき、御山の一族の人間よ、この子はつつみ、炎の一族の人間よ、私の秘書みたいなことをしてもらってるの、今から、詳しい説明をします、つつみお願い」
団長のひびきが言った、つつみが立ったまま軽く会釈をした。
「秘書のつつみです、まずは入団ありがとうございます、各部族の部族長より入団許可は頂いておりますので、本日より、あゆみ様、ライ様、レイ様の三名は入団となります、かおる様は仮の団員でしたが、正団員となります、又、今までは准隊長扱いでしたが、これからは正式に准隊長となります、ここまでで何か質問はございますか」
つつみが四人を見回した。
「ちょと待って、かおるが准隊長?班の隊長なのは分かるけど、今まで通りって何時からここにいるの?」
あゆみが捲し立てる様に言った。
「あゆみ様、かおる様は四年程前からこちらに入団しておられます、以前は年齢制限がありましたので、仮入団と言う形での在席でしたが、活動評価の点でかなり優秀でしたので、一年程前に准隊長扱いとなられて、今回、扱い、が取れて准隊長になられております」
よどみなく、つつみが答えて言った。
「