~裏切りと脱獄、爆破から始める悪の組織作り計画~
今回が初投稿になります
元々は身内ノリで始めましたが、見て行ってくれるとありがたいです!
「畜生、へまをしちまったぜ」
悔しそうな顔で男は俯く。
「あの時、間違えて監視カメラの視界に入らなければなぁ…本当に何をやっているんだか…」
男が悔やむ理由は、至極簡単なものであった。
先月。
「ひゃっほい!!これがうわさの宝石というやつかい!!どれどれ拝借してみるかあ!」
この男、のんきに宝石泥棒をしていたのである。
さすがに有名店というだけでショーケースも広く、物色しているだけでも男を楽しませるには十分だった。
「よしよし、さすが俺だな、今回も完璧だ!!」
よいしょと宝石が乗っている幅3メートルもあるであろうショーケースから降り、逃走の準備をする。
しかし運命の神様はそう甘くもなく。
ビーー
なんとバカなことにショーケースから降りる際に、足が防犯カメラの感知ゾーンに触れてしまったのだ
「あ、やべ」
時すでに遅し。五分後には
「ジェイ!お前を強盗容疑で逮捕する!!」
あっけなく捕まってしまった。
そう、それがこの男、強盗をし捕まった男、ジェイである
そして今になり、
「あー!!あの時もし美人のねーちゃんにのせられてカジノで勝負しなかったら第一強盗なんかしなかったのによお。まったく女ってのは油断大敵だぜ」
嘆いてももう遅い。なぜなら、既にジェイは刑務所に収監されているのである。
しかしそんなことで諦めるジェイではない
「よぉし!さっさと脱獄して自由気ままに生きるぞー!!!」と、叫んだ。偶然看守の前で。
この日彼は懲罰房に行ったとかなんだとか……
さて、脱獄するのはいいが、どうしたものか。
幸いここは市街地の中で、絶望的ではないが、反面、人の目につきやすい。
「まずは調査からだな」
ジェイは、地形記憶能力に優れている。そこで、まずは刑務所内の構造を把握し詰所や看守関連の部屋を突き止め、様子を探った
しかし、さすがは刑務所なだけあり看守の目が光っている。
「これじゃ夜でも看守がいるな、、、」
しかしそこでジェイは毎週出入りする人間について調べ始めた
食料の配給会社、交代の看守、面会する各囚人の親族や友人、そして囚人の服役中に別事件の調査を行う、公安だ。
もちろんこの男も過去の犯罪歴など調査を受けている
「ふむ、業者に紛れ込むのは作り話などでよくあるが、実際は検閲などでそんなことはできるはずがない。」
消去法的に他の囚人の親族には頼めるはずがない。ましてや看守と協力なんて、ぶっ飛んだアメリカ映画でしか見たことがないレベルの愚問だ。
「残されたのは公安か…」よし、これは一つ試してみよう
ジェイは、翌日の余罪の取り調べの時に、ある作戦を考えていた
翌日。
「入れ」看守が通した取り調べ室はいつも通り新品同様の輝きを放っていた
毎日使ってるのに綺麗とは、ここの掃除人、なかなかやるな
そして今日のターゲットが来た。
「ジェイさん、こんにちは!」
やはりか。ジェイは確信した
ジェイはまだここに来て数週間だ。そのため毎回取り調べる人物に規則性があるのか
毎回チェックしていたのだ。
さて、どうやってここから立ち回るかだな
もちろんこの部屋にはジェイと男しかいない。この部屋では取り調べもあるのだからプライバシー保護は当然だ。
ジェイは仕掛けることにした
「んで、ジェイさん、あなたに今回伺ったのには___」
「ちょっと待った」
勝算は、限りなく低い。しかし挑戦しなくては結果は得られない。一途の望みをかけて。
「俺は、あんたの秘密を知っている」
「は?」
男は、動揺していた
「俺は、あんたの秘密を知っている」
正直これを言ったときには自分を馬鹿だと思った。だって、なんの証拠もないのだから。
しかし、男から帰ってきた反応は、想像を覆すものであった
「は?」
そして数秒硬直の時間。
その後その男が起こした反応は。
「すまんたしかに俺が組織を裏切って情報を横流ししたのは事実だがこれだけは外部に漏らさないでくれ!!この通りだ!!」
ジェイはあっけにとられた。が、すぐに話の主導権を握る。
「それはそれは聞き捨てならないことを聞いたなあ。なあ?公安さんよ」
この男、今になって自分がはめられたことに気づいたのである。
「まあ、ここから出るのを手伝ってくれたら見逃してやってもいいぞ?」
男は、誘いに乗るしかなかった。
「あんたの名前は?」
「トレイダー。しがない頭だけが効く、ずる賢い裏切者です」
こうして、彼らは刑務所を出ることとなった。
序盤ということで、人物像やキャラクターを出すためにテンポは速めです!
いやあ、初めて書くと疲れますね、、(´・ω・`)