ドールー4
視線をやるとそこにはさっき完成させたばかりの泥人形がひとりポツンと立っていた。
「え!?」
驚きのあまり声を上げた僕は思わずよろけベッドに倒れ込む。
そんな僕を見上げ首を傾げる泥人形。
何が起こったのか分からず暫くベッドの上で固まっていたが、恐る恐る立ち上がると僕はじっとしている泥人形を掴み抱え上げた。
ただ、泥人形を作っただけなのにまるでこれは魔法人形のように動いてる。
だが、魔法人形とは全然違う。
あれは動くと言っても魔法で操作しているに過ぎない。
だがこの泥人形は明らかに自分の意思で動いていた。
――これも僕のスキルの力なのだろうか?
大人しくなった泥人形を再びテーブルの上に乗せると、僕は試しに指示を出してみることにした。
「えーっと……、あっ、そうか、まだ名前がないんだった。泥人形って呼ぶのも何だか可哀想だし、どうしよう」
名前、名前か。
確か、魔物の中にゴーレムとかいう土塊の傀儡がいると本で見た事がある。
数メートルにも及び巨体でこの泥人形とは似ても似つかないけど……。
――よしっ、決めた。
「今日からお前の名前はゴレムだ。僕と違って強そうな名前だろ?」
泥人形のゴレムは僕の言葉を理解しているのか、顔を左右に動かした後、ゆっくり頷いた。
「よし、ゴレム。僕の机の上を端から端まで往復してみて」
ベッドに腰かけ試しにそう命令するとゴレムはゆっくりではあるが僕の指示通り端から端まで歩き、縁まで辿り着くと次の指示を待つかのようにこちらを向き佇んでいた。
すごい!
どうやらゴレムは僕の言ったことをちゃんと理解してくれているらしい。
魔法人形とは違い命令すればちゃんとその通りに行動してくれる。
多少動きが鈍いのはきっと泥で出来ているせいだろう。
さて、他には何が出来るのだろうか。
期待を胸に今度はもっと複雑な命令を出してみる。
「ゴレム、机の上にある本を取って僕の所まで持ってきて」
今回出した指示は先程のような単純な動作ではなく物を掴み、高所から降り、運んでくると言う中々難易度の高い命令だ。
命令を受けゆっくり身を翻したゴレムは本に向かってテクテク歩き出し、分厚い本を両手で力強く持ち上げる。
自分の身体程の大きさの本を持ち上げたゴレムは前が塞がっているのも構わず、こちらに向かって一直線に歩いてくる。
机の高さは丁度僕の腰くらい。
僕にとってはそれ程の高さではないがゴレムからしたら屋敷の屋上から飛び降りる程の高さがある。
本を持ったまましばらく立ち止まっていたゴレムは周囲を窺う素振りを見せると、突然椅子の方に進路を変え歩き出した。
僕が固唾を飲み見守っているとゴレムは椅子の前で足を止め、そのまま躊躇なく座面に飛び降りた。
座面の高さは丁度机の高さの半分ほど。
バランスを崩すことなく綺麗に着地したゴレムはそのまま続けて床へと飛び降りる。
どさっと何か重いものが落ちたような音と同時に床に降り立つと、ゴレムは本を落とさず僕の元へと辿り着いていた。
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