未来予知イレギュラー
真っ黒なバイクが空を走る
これは比喩ではない
黒バイクは空を飛んでいたのだ
『止まれ!さもなければ攻撃を開始する』
バイクの後ろから二メートルほどの大きさの真っ白な機械が追いかけてくる
軍が開発した特殊警察戦闘服である
「・・・・・・」
黒バイクは警察の言葉を無視してスピードをあげる
『抵抗を確認!攻撃に移る!』
一斉に撃ち放たれた銃弾を黒バイクの運転手は手に持っている拳銃で撃ち落とす
『何だと!?』
黒バイクはそのまま急ターンする
「・・・・対軍用砲撃モード起動」
バイクが変形して巨大な銃に変形した
『なっ何だ?あれは・・・・』
「・・・・ターゲットロック・・・・殲滅する」
黒バイクの運転手は引き金を引いた
放たれた藍色の光線は道路を焼き付くしポリススーツを吹き飛ばした
『ぐああああああああああ!!!』
ポリススーツはバラバラに飛び散り辺りに転がった
「・・・・」
気付けばポケットの携帯がなっている
『はろはろ、全く速く出てくれよこちらもいろいろ忙しいんだよね』
「・・・・・・」
ブチッ
電話を切る
またすぐにプルプルとアラームがなる
「・・・・・・」
『ちょっと何してんの?おっと、その今にも触れそうな電源ボタンを押すのは止めてくれ、ちゃんと要件があるんだって!?』
「・・・・何だ?」
『例の少年が見つかった、すでに警察も動いている』
「・・・・!わかった、何処にいる?」
『場所は××××』
「了解」
そして黒バイクは何事もなかったように空に走り去った
☆
『今日のニュースです、昨日の夜23時頃に48番区の外交道で爆発事故が発生しました』
相変わらずテレビから物騒な話が飛び込んでくる
まあ、ここではよくある事だ
西暦2050年、日本は並行世界との入り口と化した
事件の全容はわかっていないが、科学者の実験とか、悪の組織の陰謀だとか噂話になっている
話に戻るが並行世界と交わったことでごく一部の人々が特殊な力を得た
なのでいつどこで事件が起きても不思議ではないのだ
「おー、ハルト・・・お前今から学校か?」
ソファーに寝転がっている金髪の男性が話かけてくる
「ああ、行ってくるよ父さん」
「最近物騒な事が多いが気を付けろよ」
「・・・父さん、それ僕の能力を知ってて言ってるの?」
「さ~どうでしょう」
僕は苦笑いをしながら家を出た
能力には主に3つの種類がある
能力者の約半分で自分の身体を強化する能力 強化能力
能力者の約30パーセント、自身以外のものを操る能力 操作能力
能力者の約19・5パーセントの自身やほかの物質を違うものに変え、操る能力変換能力
「危ない!」
遠くから声が聞こえる
それと同時に頭の中に1つのビジョンが浮かんでくる
僕はその場から3歩右に避ける
その1秒後に僕の前にいた場所にポリススーツが落ちてきた
能力者の約0.5パーセント、僕の能力のように未来予知などどれにも含まれない能力 異常能力
それにしてもなぜこんな所にポリススーツが・・・・
また頭に1つのビジョンが浮かぶ
「まいったな・・・・」
急いでポリススーツの後ろに隠れ、背中の非常時防御装置を起動させる
それと同時に降り注ぐ弾丸
展開されるエネルギーフィールドにひびが入る
どうやらポリススーツに囲まれているようだ
この世界では異常能力者は殺害しても罪にはならない
理由としては丁度十年前に起きた23区消滅事件だ
イレギュラーの能力者一人が起こした大災害
一瞬にして20万人が犠牲になった
国はこの件を踏まえてイレギュラーを生まれ次第特殊施設に入れ、政府の兵器として調教するのだ
だが僕のように施設に行かない人間もいる
その為、施設の外にいる異常能力者には人権なんて存在しないのだ
「・・・どこで未来を読み間違えたのかな?」
父さんの言うことが現実になってしまったな
僕はその場で寝ころび全身の力を抜く
「諦めるのは速いぜ!坊主!」
声と同時に射撃が止まる
『な!なんだ貴様r・・・ぎやあああああああああああ!!!!!!』
『くそ・・・どこから撃たれて・・・ぐは!』
僕を囲んでいるポリススーツがドンドン殺されていく
「大丈夫か?坊主・・・」
肩を叩かれて振り返るとバーテンダー服に身を包んだ青年がいた
しかしその青年は左半身が機械で左手からは煙が出ている
青年は右手で携帯をとる
「こちらジン、少年の保護は完了した・・・これからどうしたらいい?」
『よし!ミッション達成だ!、帰還したまえ」
「了解」
青年はポケットに携帯をしまう
『おい、動くな』
後ろから殺意のこもった声とガシャンと冷酷なリロード音が聞こえる
あたり一面には助けに集まったのかポリススーツが集まっている
「なんだ・・・結局死ぬのか・・・」
やっぱり助からないのか・・・・
口からため息が出る
「・・・・坊主、何であきらめてんだ?」
この男はこんな絶望的な状態だというのにやたらと冷静だった
「なんで貴方は平気なんですか!?こんなに囲まれたら逃げられませんよ!」
「・・・・・」
「なんで無視して・・・・・・!!」
そこで気づいた
この男はさっきから時計を眺めていた
誰かを待ってるかのように
buoooooooooooonn・・・・
「来たか・・・」
男は顔を上げ僕の服の襟をつかむ
BUROROROROROROROROROOORORORO!!!!!!
どんどん大きくなるモーター音
それはこの国の七不思議の1つ
空飛ぶ真っ黒なバイクに乗る紫色のヘルメットをかぶった人
『無名の運転手』
「ジン、こっちによこせ」
「遅いんだよ!」
ジンと呼ばれた青年は思いっ切り振りかぶり・・・・
「後は任せたぜ!」
僕を投げた
「え!ちょっとm」
僕の体は宙を飛ぶ
辺りがざわつく
『貴様!動くなといったろ!』
バイクは俺を捕まえる
かすれ行く意識の中で銃声とモーター音、そしてゴオオオオと何かが燃えるような音だけが僕の耳の中にはっきり残っていた・・・・




