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2-5


 翌朝、勇者たちの策略にはまった魔女は、彼らの白いほお接吻せっぷんをして目を覚まさせました。


「朝よ、かわいい妖精ようせいさんたち。ご飯を食べて、さっそくお菓子を作りましょう」


 魔女はふたりのために、パンとミルクをふるまいました。


「今日はうんとはたらいてもらうからね、たくさんお食べなさい」


 ヘンゼルは寝ぼけて、


「うん、なんたって僕たちは、英雄になるんだからな」


 と言いましたが、魔女にはその意味がわからないので、口もとをおさえて笑うだけでした。



 魔女とふたりの子供たちは、仲よくおしゃべりをしながら生地をこねました。こねあがると、魔女は魔法の粉をふりかけて生地を発酵はっこうさせました。


「わあ、すごい。ふくらんだね」


 子供たちの興奮に、魔女もうれしくて笑ってしまいます。


「さあさ、お次はかまどで焼くのですよ」

「わあい」


 魔女が魔法で火を起こすと、子供たちはまたよろこびます。

 しばらくして、魔女は言いました。


「かわいいヘンゼルとグレーテル、火がよくまわっているか、見てきてちょうだい」


 これにこたえて、グレーテルは言いました。


「どういうふうにすればいいかしら……、私たち、はじめてだから」

「それは、そうねえ」


 するとヘンゼルが、


「先にお姉さんが入って、どうするのか見せてくれればいいんだ」


 と言いました。


「それじゃ、そうしましょう」


 魔女はこころよく、この提案を受けいれました。

 そして、かまどへからだを入れるやいなや ――






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