一話
・・・・・・どこ?ここ。
気づいたらこんなとこにいた。
周りは見渡す限りの平原。
昼寝するにはちょうど良い場所だ。
右の方には大人二人が手を広げられるくらいの幅のある道がある。
「・・・・・・とりあえず、進むか。」
道に沿って歩くが特に何か起きる事も無くのどかな時間が続いてわずかなそよ風や日の光が気持ちいい。
・・・ただ歩くのもつまらないからさっきの事でも考えてみるか。
というにも何も覚えていないけど。何故あそこにいたのか、俺はいったい誰なんだ?後、本当にここどこなの?
記憶の無い自分が平静でいられるのにビックリだ。
・・・・・・矛盾してるな。ん?
道から外れた場所に座るのにちょうど良い高さの大きめの石があるな。
「結構歩いたし、休むか。」
よいしょっと。
そういえば長い距離歩いていた割には疲れていないな。
体力は結構あるのかな。
腕にグッと力を込めると力こぶができて鉄みたいに硬い。
鍛え上げられてるな。記憶がないからなのか自分の身体とは思えないな。
グウゥゥゥ
あ、むぅ。
「腹減ったなぁ。」
人は見かけないし周りは平原だからなのか木の実も見当たらない。どうしよかな。
てぇぇ
ん?何か聞こえたような?
「誰かぁぁ助けてぇぇ」
噂をすればなんとやら。だけどなんか嫌な予感。
「誰か助けてぇぇぇ!!えぇぇぇェェェ。」
・・・なんか馬車を恐竜のようなものが引いていて手綱を掴んでるのは蜥蜴みたいなのが凄い勢いで通り過ぎた。
人じゃない時点で俺の知ってる場所じゃないな、ここは。
「ヒャッハー!!待ちやがれこのトカゲ野郎がー!!」
今度は人だけど凄いヘアスタイルのが来た。
しかも絶対に関わりたくない悪人相な奴が5人。
これもやっぱり恐竜みたいなものに乗っていた。
さっきのは蜥蜴っぽいのは行っちゃったしダメ元で話し掛けてみるか。
「あのーすみま「邪魔だー!!死ねー!!」
目の前に槍が突っ込んできて思わず目を瞑ってしまった。
ヤバッ死ぬ。やっぱり話し掛けるべきじゃなかったか。
「グギャ!?」
自分に来るはずの衝撃が来ない代わりにさっきの男の悲鳴が聞こえた。あれ?と思い目を開けたら俺の手には槍がありまるで使いなれたように相手の胸を穿っていた。
俺、どうやって武器を奪ったんだよ・・・。
いや、そんなことより今は
「てめぇら!!気をつけろ!!あの野郎結構できるぞ!!」
「よくも仲間を!!許さねぇ!!」
「ブッコロス!!!」
「死ねぇ!!!」
「先に襲ってきたのはそっちだろうが・・・。」
さて、どうするか。さっき人を殺しばっかりなのに不思議と落ち着いている。戦いなんて初めてなのに緊張もしない。
記憶がないからわからないけど多分、こういう事に経験があったんだろう。
重心を落とし、腰を低く、身体を半身にして刃の着いた方を上にして構える。
「死ねや!!」
剣を持った奴が騎乗したまま突っ込んでくる。
剣を降り下ろす、前に一気に突く。
「フッ!」
「ゴブッ!」
首に刺さりそいつを地面に叩きつける。死んだそいつの剣を奪い、斧を持った奴に投げつける。
「セイッ!」
「なに!?グハァ!!」
後は二人か。
あっという間に二人が殺られて呆けてる間に一気に駆け込んで槍で薙ぎ払う。
「ガッ!?」
「グッ!?」
一人は首を切って死にもう一人は頭に当たり、打ちどころが悪かったのかそいつもすぐに死んだ。
案外、一人でやれるもんだな。少し落ち着いて周りを見渡すと地獄絵図だった。
「ウェ!?」
吐き出す程じゃないけど良いものでもないな。
気持ち悪い。
「おおーい!大丈夫かってうわぁぁ!?地獄絵図!?」
なんか俺と同じこといってる奴がいるな。
「あんた・・・。さっきの奴か。」
「へ?あ、あぁ。そうだよ。大丈夫か?これ、全部お前がやったのか?」
あっ。もしかしてやっちゃいけないやつか、これは。
「いやー助かったよ。しぶとくついてきてな、死ぬかと思ったよ。助かったありがとよ。」
そうでもなかった。
「せっかくだからお礼がしたいんだが何か欲しいのはあるか?何でも言ってくれ!」
何でも、ね。
「それじゃあ・・・」
グウゥゥゥ
「メシィ。」
ドサッ
「えっ!?ちょっと!?シッカリシロォォ!?」
さっきの戦いがトドメだったかぁ。食い物が欲しいけど。
力が、でない。グフッ。




