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白昼夢
朝の色が心地よい
夕べの雨を溶かしたような
少し曲がった裏通り。
人がやっとすれ違うことができる狭い路地
周囲の建物が高いせいで暗い路地
「ニャ………ォン♪」
「猫…」
町猫に誘われるように坂を登る。
小高いと思った坂道がキツい
日頃の運動不足が恨めしい…
荒くなる息、
重くなる脚、
したたる汗、
ふり返る猫。
荒い息、
重い脚、
乾いた汗、
ふり返る猫。
(もお、ダメだー)
「ほニャー♪」
鳴く猫。
___景色が一変する。
青く輝く山々
澄んだ湖を望む静かな道に
初夏の爽やかな風が吹き抜けてゆく。
白いボイルのカーテンが風に揺れる。
木漏れ日の光が肌を丈夫そうに染める。
いつのまにか眠っていたようだ
家の猫が鳴く。
「(おきた)あ~♪」
少し厚みのある箱に、ポストカードなどを入れました。
「眠ってる女の子の見てる夢」そんな感じに見えると嬉しいな。