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猫とわたしと時々おとん  作者: 詩織
1/15

「猫の災難」





「ただいま~」


「ムー?」


「………………んー♪」


「どこ~?」


「………んんー♪」



いつもなら


「遅かったな」とでも言うように


嬉しさをおくびにも出さず

ふくれっ面の仮面を被り

玄関に迎えに来る猫が、


来ない、、、













「ムー?」


「………………ココだぜ~、」


と、囁くような微かな声がする




「ムー?」


「遅くなってごめん」


「おやつにしよか~?」



(カリカリの音をさせてみる)



いつもなら



プライドも投げ捨てて



どこにいても



駆けつける



カリカリの魔法が効かない。



(これはおかしい、)





名前を呼びながら


「ムー?」


お気に入りのソファー


(いない、)





「ムー?}


フローリングのひだまり



(いない、、)






「ムー?」


階段の7段目




「ムーー!」


マッサージチェアーの裏



(いない?)










「ムーーーー―!!!!」


出窓の上




「んんん~」



(近い)))))



「ムーーーーー!?」



「ここだ~~~~ッ♪」





 ブッ。(笑)


「どしたん!?」


「どこ挟まってるん?」




「いいから、早く助けろ、」



挿絵(By みてみん)



「おまえ、今 笑ったな 」



「嫌やな~、笑ったんとちがう、」


「驚いただけw、」



「………まあいい、」



抱き上げて


抱きしめてやると


いつから挟まっていたんだろう


すっかり肢体が冷たくなっていた。




可哀想にと撫でながら


彼の一番感じるあの、


肩甲骨と顎にかけてのラインを


丹念に撫で上げてやると


目を細め


ゴロゴロと云い


安堵の表情を浮かべた。




そして彼は



涎を垂らしながら



わたしの指に噛みついた



「笑った罰だぞ」と







わたしは知っている。




それは彼が興奮している


証拠であることを………




















ガラス窓と飾りケースの間に


挟まってたムー♪


(あんがいドジ、、、)








同じ月をながめながら、



もうひとつの月をみている



「それぞれの」月。




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