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何でも屋 Ⅲ
生命力が奪われる呪いのアイテム
病で苦しむ妹に、苦しまずに逝ける様にと取り寄せた
今、俺の手の中にハンカチに包まれ怪しく光っている
ある日、何でも屋のポストに
入っていた依頼書を見て、テーブルに拳を叩きつけた
「死なせてくれ!!
何様だ
生きていたくても
生きていられない綾···
この呪いのアイテムを送ってやる」
一か月後
何事もなかった様に
送り返されて来たアイテム
「偽物だったのか...」
もう、意識がはっきりしない綾
痛みに、顔を歪ませる
俺が手を握ると
ゆっくりと握りかえしてくれる
先生に呼ばれ入った部屋で
もう、長くないと告げられ
涙が、瞳からこぼれ落ちる