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何でも屋
あの日は、自宅のアパートに逃げ帰っていた
両親は祓いや家業をしていて
物心がつく前から見えていた俺も
自然に、そういう世界に入っていった
両親が亡くなった後
綾を一人にしておきたくなくて
祓いや家業を辞めた
しかし、俺には他に出来ることがない
両親の保険で今はどうにかやっているが
これから先を考えると、不安になる
つてを頼り、寂れた洋館の一角でやっている
いかにも、魔女のような黒ローブを身にまとった
有名な占い師に占いしてもらう
妹の事、そしてこれからの事を
「いろいろ聞きたい事もあると思いますが
私からは、1つだけですね
貴方の隣の部屋を借り何でも屋
そうですね~
不可思議な事を生業とするもの
などがいいと思います
それで、上手くいくと出ています」
「はい?
何でも屋ですか?
それも、不可思議なことですかぁ···
わかりました、考えてみます
ありがとうございました」
深々と頭をさげ、洋館を後にし
一目散に、不動産屋に駆け込んだ