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なにが
はっと我にかえると
携帯と鞄を手に取り病院へ走り抜けた
はぁはぁ
息を整える時間もなく
病室に飛び込み
ベットに寝ている綾
はぁはぁ
「綾?」
「お兄ちゃん?」
「なっなにが ! ! !」
最近では起きている時間も少なく
青白い顔色と色を失った唇
返事さえ苦しそうで
いたたまれなく思っていた
涙が溢れ出るのを止められない
健康な顔色に戻った綾
ベットで上半身を起こして
無邪気な笑顔で俺を見ていた
「お兄ちゃん
綾、元気になったよ
きっとペンダントのおかげだね」