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これからについて考えましょう

その日もいつも通り過ごすはずだった。


HRギリギリの時間に登校して、眠気と戦いながら授業を受けて、乙女ゲームの話で友達と盛り上がって……。

ただ一つ……一つだけ違っていたのは、誰かが零したバケツの水で廊下が濡れていたことと、廊下で滑って階段から落ちた私の存在だけだった。



移動教室なので、廊下を友達と例のごとく乙女ゲームの話で盛り上がりながら歩く。

好きなキャラについて語っていて、テンションの上がっていた私は足元をよく見てないなかった。

「危ないっ!!」という声と同時に、身体がふわっと浮いたかと思ったら重力に従って落ちていく。

手を伸ばすも何も掴むことが出来ず、落ちる身体を止められない私と地面との距離がどんどん近づいてくる。

このままだと床にぶつかるっ!!と思った瞬間、私は身体がビクッとなる感覚と共に目が覚めた。


「……夢か」

目が覚めたら窓から見える景色は夕焼け色に染まっていて、部屋の中には私以外もう誰もいなかった。時計を見る限り大体3時間ほど寝ていたみたい。

前世のこととはいえ、死ぬ直前の夢を見ていい気分な訳がない。汗で額に張り付いた髪を避けながら、安堵の溜息をつく。


実は、私は落ちた瞬間のことは覚えているけど、地面にぶつかったという記憶はない。多分頭を強く打った衝撃で気絶してしまって、そのまま死んでしまったのだろう。

自分でもなんて間抜けな死に方をしたのだろう……と思う。

話が盛り上がって周りが見えなくなり、階段から落ちて死んだなんて……恥ずかしくて生きてられない。そういう意味では死んでよかったのかな?なんて思ったりしてる。



ベッドから起き上がると机の上に両親から、『目が覚めたら、お腹空いてるだろうから食堂においで』とメモのようなものが置いてあった。私はお腹が空いていたこともあってすぐに向かおうとしたが、立ち上がったところで考え直した。

いや……この家で一人でいることって珍しいよね?

さっきみたいに両親がいる時だと、なかなか落ち着いて考えることとかできないもんな……

私はとりあえずベッドに戻って寝たふりをしながら、これからについて考えることにした。


まず、いま問題点として挙げられることは主に三つだ。


一つ目は、悪役令嬢としての不評っぷりから汚名返上すること。

これは先程両親が一緒にいたときに、部屋の端にいたメイド達がヒソヒソと私の様子がおかしいと噂していたのが聞こえたのだ。ちなみに聞こえてきたこととして、「あのリリアン様がお礼を言った!?」「何をしても文句を言ったりや罵倒しかしない、あのリリアン様が!?」「あんなに優しい顔で微笑むリリアン様なんて、私は知らないわっ!!」などであった。

本人達はヒソヒソ話してるつもりでも驚きすぎて声が抑えられてなかったよ……。

……何ていうか、とりあえずリリアンがどれだけ今まで傍若無人だったのかが分かったよ。私はこのイメージを取り払うために、まずはメイドなどの近くの人の私に対する印象を変えることから始めようと思う。


二つ目は、カイザーとの関係を学園入学の時期までに良くしておくこと。

既にエンカウントしていて、悪いイメージが付いてしまっている分これは面倒な問題だろうなぁ。

まだ記憶を取り戻してからカイザーにあったことはないが、多分酷い扱いをされるだろう。

記憶を取り戻す前のリリアンは、それでもベタベタとしていたのだから図太い神経の持ち主だったのであろう。

そこは、尊敬すべきところかな?

今度会うときから、少しずつ好感度を上げる作戦に出てみよう。うーん……その作戦は、カイザーに会うって決まってからでもいいよね!


三つ目は、全てにおいてステータスを上げておくことだろう。勉強、剣術、料理、裁縫……など色々とやってみたいと思う。

ゲームの中のリリアンは何もかも低スペックであり、完璧にヒロインの嚙ませ犬として存在していた。

しかし中身が私になった以上、低スペックだなんて絶対に言わせない。前世の記憶がある分、少しは有利だろうがそこは低スペック少女リリアンである。

今から努力を重ねれば、いくら物覚えの悪いリリアンでもある程度出来るようにはなるだろう。

早速、明日から勉強を中心に頑張っていこう。今までサボってた分まで早く取り戻さないと!


と、まぁこの三つが主な問題点だろう。

こう考えると、リリアンは今まで何してたんだってレベルの問題児だった。まぁ、このまま成長していたら幾ら何でも、没落コースにも行ってしまうよね……。

とりあえずそれぞれの詳しいことは後日また考えるとして、これからのやるべき事を紙に書き出した私は気合十分だった。

よし!未来の私のためにも頑張りますよ!


気合が入った私は、書き終えたペンを置こうとした直前、突如思いついたことを四つ目として書いておいた。


……これでよし!じゃ、ご飯食べに行こうっと!

私は上機嫌で食堂を目指して、部屋を後にした。




―――四つ目、ヒロインのポジション奪取

※ヒロインの性格により変化あり。

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