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マーフィーの法則  作者: ステッドラー
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第一章:内務省

第一章:内務省

僕は11月の空気に冷やされ冷めかけてしまったコーヒーを一気に飲み干しふぅっと大きく溜息をついてから立ち上がった。

 今日は、まだ新設されたばかりのアメリカ国防省諜報部に日本から視察団がきている通常このような視察の時は顔もよく知らないお偉いさんくらいしか出席しないのだが、今回はーー今回といっても去年日本政府の要請によってつくられた諜報部は未だこれといった活動をしておらず視察も二回目である。何故、専ら現場での仕事ばかりの自分が呼ばれたのかわからないままシアトルにある国防省へと向かった。


 何時もの様にゲートにIDを翳すと普段は使わない隔離プラットフォームの会議室へと案内された、何が隔離なのかというと区画全体の壁、床そして天井を炭素繊維を銅網の表裏に張り付けた素材で多いある程度妨害電波などを遮断した造りになっているそうだ。

 会議室へ入ると三人の日本人が座っているが帝国軍人が着る制服とは雰囲気が随分異なっていた。

そのためか妙な緊張感が込み上げる。

敬礼をしようと相手の方に体を向けるや否や真ん中の席に座っている日本人が「ジョシュア ストークス中尉、君には本日をもって大日本帝国内務省の下で働いてもらう。尚、君はこの件について質問をする権利は無い」と少し白髪混じりの髭を撫でながら言った。「しかし、何故私なのですーー」と言いかけるや刹那「君に質問をする権利は無いと言った筈だ」と強く釘を打たれてしまった。

 そして白髪混じりの髭から手を下ろし再び口を開いた、「足は我々が用意した、それで東京へ向かってもらう」

言われるがままに車の後部座席に座り一時間程してブレマートンにある日本軍基地へ着き待機している輸送機へ乗り込んだ。

通常ならこのミョウコウと呼ばれる双発ジェットエンジンの輸送機の座席は機体の左右側面に背中を付けるようにして配置されているがこの機はどうも旅客機の座席にしか見えないものが中央に鎮座していた、お世辞にも心地よいとは言えない振動と共に離陸した直後一瞬マイナスGがかかる。 肘掛の先にある小型の液晶画面まである。「まるで旅客機の座席をぶち抜いてきたようだと」苦笑し、去年ヒットした『健國記念日』で朝鮮系の主人公が宇宙人を円盤から引きずりおろし関西弁で悪口を捲し立てていたところで「あと1時間で東京に着く」という機内無線が入り再び緊張が込み上げる、はたして僕はなにをするのか?




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