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伊勢路

伊勢路


まだ巫女が起きる前。

親分は里の境に立っていた。

弓使いが来て、共に歩き始めた。背中にはを束ねている。


立科に入り、山の中を歩き、平地にはいると諏訪湖が見えた。湖畔で、焚き火を始めて、今日はここで寝る。

弓使いが、親分に話しかけた。


「俺でなくても、移動するグループに、若いのがいるんじゃないか」


「いや、お前じゃないといけないんじゃ」


焚き火の火からカチッと木が割れる音がした。


翌朝は、伊那に向かう。

伊那は、縄文の暮らしの濃い小屋が立ち並び、田んぼの稲が緑に輝いていた。

そこから愛知に入ると日が暮れた。

次の日は、しばらく行くと左側に海が見えてくる。潮風が土地の違いを突きつける。ここから、さらに3日かかり、ようやく、伊勢に着く。


海辺に向いた小屋が立ち並ぶ. そこで休んで、焚き火を始め。泊まることにした。


「ここまで来ると陽の光が違う暑いな」


親分は、感想とも言えない言葉をつぶやいた。


翌朝、宮川を渡り、山奥に入っていくと、大きなそして立派な祠が山を背に立っていた。


祠の先は竹林なのか、サラサラサラと風の音がしていた。


途端に空気が重たくなった。

結界に入ったような気がした。構わず、中に踏み入り、祠の前の警備の男どもに親分が告げた。


「我らは、浅間山から大巫女様にご挨拶をしに来たものじゃ」


警備の者たちも、浅間山のことは何となく分かっていたようで、中の侍女に引き渡された。


祠に入る前に竹林が揺れて陽の光が差し込み、サァーっと風人音が向かい入れてくれた。


ここからだ。気を引き締める親分は、弓使いを見て、行くぞと、声に出さない気合を入れていた。


祠の中は横にも広いと感じていたが、奥に続いていた。その奥にひと際大きな部屋があり、真ん中に炊かれている火がメラメラと炎が立ち上っていた。後ろ姿の大巫女と思われる体格の良い、小さな女が座って祈っていた。


は、は、はっと呼吸を吐き出しながら、祈りを捧げおったのか、振り向いた。


小さいがふくよかな、いかにも優しげなその顔をこちらに見せて、低いがよく通る声で、話しかけてきた。


「ようきた、浅間山のものとな」


挨拶もしないのに、ハッキリと見切られてる感覚に気圧される感じであった。


これが、伊勢の大巫女、、、かと思った。

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