周りの環境
周りの環境
夏になっていた。
オヤジは若を誘い、八ヶ岳の縄文が平地に降りた大きな川の蛇行が大きい所を通って抜けていた。
真っ直ぐ行けば塩尻湖に向かうが、今回は、川前の集落に寄って、直江津王国の影響や巫女の動きを探ってから、塩尻湖入り、妙高を越えて、保倉川に入った
つまり佐久→川の蛇行した箇所→川前の集落→塩尻湖→妙高→保倉川という感じで動いた。
「オヤジ、分かったよ。時代は大きく動いているな」
若が、オヤジに向かい合っていた。
「若、まず、お前は、これから親分になれ、移動するグループを引っ張るんだ。」
若には分かっていた。
覚悟はあった。
「はい、頑張るよ。それにしてもここは、4年ぶりかな、ずいぶん綺麗にしてあるな。」
ここにいる仲間のお陰だと、オヤジは言う。
焚き火の前で、沸かしたお湯を飲んで、口を開いた。
「今は、動きが速い、夏のこの時期だが、南に移動するグループが、来るはずだ。少し待とう」
二人は寝転がり、休んだ。
外では漁から帰ってきた仲間が、小屋の物が寝てるオヤジたちの前で魚を捌き、焚き火の上に乗せられた石皿の上に乗せ、焼いていた。
そこに小屋に入って来た南に移動するグループが来た。
オヤジは起き上がり、声を上げた。
「あう、早かったな」
南に移動するグループは、南の国からの帰りで、新潟まで行く途中らしい。
「近畿圏の動きが激しいようだ。南の国もおとなしい。」
「こいつが、これからここの親分だ。よろしくな。俺の息子だ。」
「南に移動するグループの皆様、よろしく」
なんだ息子かよ。しゃべり方が変だぞっと、カラカわれた。
移動するグループとの会話は、微妙で、ハッキリしたことは分からない。しかし南の国まで行くと、近畿圏の話やそこで聞こえる、大巫女の声が遠くまで届いているらしい。そんな話が気になっていた。
オヤジも若、いや、これからは親分と言わなければならない。
二人は顔を見合わせ、合わせて話を有耶無耶にして、佐久の里で、茅が採れることなどを言って、復興が上手くいってることをアピールした。
彼等は1泊して、新潟に向けて出て行った。
オヤジは若い親分に向かい、情勢を整理しておいてくれ、俺はここで、冬を越す、少し休むと言って寝てしまった。
オヤジの顔を見て、やるしかないと考えていた。
若は、親分となり、大曲りの川蛇行しているところから川の上流に向かい、かつて洪水で、大きく崖が崩れた場所の先で、偵察している仲間に会い、佐久に戻ったのは、秋になっていた。
巫女に会い、ホッとする自分がいた。これが覚悟なのか。自分でも分からなかった。
秋の夕方、トンボが飛んでいた。




