佐久の巫女の成長
浅間山は、噴煙を静かに噴き出し、青空の空の色に吸い込まれるようだった。
洪水の引いた佐久の里ては、稲穂の確認。株を確認して、茎を伸ばして周りの土を整える。
作業はひとつひとつだが、民は率先して作業を進めた。
小屋の修復は、作り直しが基本だった。
でも、避難してた簡易テントを再利用したり、茅も再利用出来た。
運び直すことも含め、子供も手伝い作業は進められた。
神殿は、丘にあったので、何本かの柱を修理し、土壁を塗り替え、早めに完成した。
長も先代も巫女も神殿に戻っていた。
里の手伝いしていた若が神殿に入り巫女に話しかけた。
「巫女、先代、長、皆は小屋の修理に回っています。田んぼは、ほぼ終わりました。」
「若、報告ありがどう。弓使いは?」
「あ、彼は、浅間山に戻っています。婆様の所かな」
巫女は、自分が助けられたことを話せなかった。恥ずかしかった。
それでも、洪水が引いた後の収穫は、充分採れて、秋の収穫祭は、盛大になっていた。
オヤジは、収穫祭の後、巫女の伝える。
「保倉川の小屋で冬越をする予定です」
オヤジは諜報に力を入れてくれていていて、巫女に確認すると、若にも後を頼む言い残して、出発した。
直江津王国では、柏崎や長岡を自領に吸収し、強気な支配体制に自信を持っていたが、佐久の里の力の根源に疑問を持っていた。
今回の洪水は、大きな川が氾濫して、至る所で川の恐ろしさが叫ばれていたが、佐久の里は、一度沈んでしまったのに、また復活したらしい。
直江津王国の宰相は、その秘密が何かあると、感じていた。そこで、年を越したら、佐久の里を訪ねようと考えていた。
保倉川で冬を越したオヤジはその事を察して、佐久に戻っていた。
「宰相が動きそうです。」
巫女は、先代とも話、仕方ないと考えていた。
結局、宰相が来て、縄文の森の婆様から戸越の話を聞き、オヤジが春日山の巫女を戸越に連れていくことになった。
そして、暑い夏が過ぎ、秋になろうとしていた時、再びオヤジが巫女に告げた。
「今度は南の国が、兵を連れて直江津に攻めて来そうだ。」
すると、佐久の巫女は、覚悟を決め、自ら直江津王国を救うことになった。
直江津王国は、驚いたが、何をすべきか分からず、佐久の巫女に任せ、南の国の兵は、春日山に引き込まれて、敗退する。
オヤジや移動するグループ、若や弓使いも助けた。
佐久の巫女は、大きな経験をする事になり、大きく成長した。
しかし、世界はそれでも大きな動きを控えていた。
浅間山は、相変わらず噴煙を空に伸ばしていた。




