褒美
褒美
伊勢の大巫女は、理解していた。
上手くいったな。さすがじゃ
大巫女の目の前の焚き火の中に手を差し伸べ、パラパラと何かを入れると、ボォっと緑色の炎が立ち上った。
さぁ迎えてやろう。
二人は、伊勢路に戻った。
太陽は昇り始めだったが、もう暑い。
しかし、気持ちが良い。
弓使いは、思いっきり手を伸ばした。
親分は、この理解した気持ちの整理に悩んでいた。
今度は、弓使いが親分の肩を叩き、
「行くぞ」
と、促した。
伊勢路を歩いていくと、日が天に登ろうとする頃には、身体の緊張も解れてきた。
宮川が、サラサラと流れている。櫛田川とは違った。
気が付くと、キラキラと光りだした。太陽が少し高くなった。
竹林に囲まれた祠についた。
迎えた侍女がこちらへと、いつもの場所と違う、奥まった静かな部屋に案内した。
部屋の真ん中に壁を背にした大巫女が座っていた。
床に敷物?茅を編んだ物が長方形で四隅が別の物で縁取られていた。
親分は、どうなってるんだと膝を屈め、匂いを嗅ぎ出した。
「これって、茅だよなぁ。あ、失礼、茅ですよね」
大巫女が笑って、そうじゃ、そこに座れと促した。
二人は、大巫女の前に対峙するように座った。
「ご苦労だったのぉ。大将は、動き出したな。これでひと安心だ。」
さも事が終わったようなもの言いだ。
「さぁ、今日は、馳走する。」
パンパンと手を叩くと、侍女達が現れ、足つきの四角い膳が運ばれてきた。
善の上には、丸い大きめの皿に白いブツブツの塊が載っていた。
薄く伸ばされた細長い器に濁った白い飲み物だろう物が入っていた。
大巫女は、その細長い器を持って、二人にも持つように言った。
「ありがとう。これで事が前に進む。助かっよ。二人は早めに大将に渡してくれたからのぉ」
大巫女は細長い器を持ってひと息に飲み干した。二人にも進めた。
白い濁った飲み物は酒だった。甘い、美味い。
飲み干すと、侍女が継ぎ足してきた。
弓使いは、思い切って前の白いブツブツの塊に手を伸ばし、バクっと口に入れた。
「親分、大変だ。美味いぞ、美味い」
弓使いに促されて親分も食べた。
「なんだ、米か。グチャグチャしてない。こんな食べ方があったんだ。」
は、は、は、時間をかけて、炊くのじゃ。美味しかろう。
と、大笑いする大巫女。
初めてのものばかりの膳に、二人は感心した。
奇妙な茅の敷物の上で、三人は時を過ごした。
時間が分からなくなった。




