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集めた『柴(しば)』を持ち 家へ
「その『柴』で、間違いないか?」
「はい。 たしかに」
それから後も、わかる限りの目印があるところへとまわってもらい、かなりの数の『柴』を集められた。
「おぼうさま、もう、これでじゅうぶんで・・・・」
この坊さんは、こちらがとめないかぎり、ずっとさがしまわるだろうと思われた。
「そうか」
にっこりと、首をまわした坊さんが、それでは家にゆくか、と集めた『柴』を布につつみ、首からさげて歩き出す。
ざり ざり ざり
坊さんの足取りはしっかりとして、つもった枯葉や枝をふみ、しっかりと山をのぼる。
家は、もうすぐみえてくるだろう。
そうして、その中には、
―― 死んだおカツが待っている。