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虫から先は無し
丸のなかをいくつかに区切ったものをしあげ、そこへ、板の間においた骨をとりあげておいてゆく。
丸の真ん中へ、ずっとしゃべっていた『男』の頭の骨をおくと、にやりとしてから、杖の先で、とん、と地をついた。
とたんにあつめられた骨が青い火をあげ、最後までかたちのあった頭の骨も、炎にのまれるよう消えていった。
杖でほった丸のあとも消え、火の消えた土間には、黒く平たい虫がのこった。
「 その先の生まれ変わりは、おまえにはないぞ。 よいか、そんなあぬしのからださえ、きれいに山へかえしてくれた虫におまえもなり、このお山の役にたつといい」
こん、と杖の先でおどかすと、虫はあわてたように、たおれかけた家の戸をぬけ、どこかへ消えた。




