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逃げ隠れて
「おそろしくって、どうしたらいいかわからず、おカツを布団にねかせてみたりしたんですが、やはりもう冷たいままで・・・ そうしたら、ひも暮れたころになって、戸がはげしくたたかれて・・・」
おい、カツ、ここにいるのはわかってんだ!でてきやがれ!
男が戸をたたきながらさけんだ。
「おカツを殺したことがもう知れたのかとおもい、こわくて黙っていましたら、」
こんなところにかくれたって逃がさねえぞ!おれから逃げられるとおもうな!
「 ―― そういえば、おカツも、追われているのだと、きいておりました」
だから、いっしょに、だれも追ってこないようなところへ逃げ隠れようと。
そういうことだったのに、 ―― 。
「 ・・・ともかく、その男はおカツを追ってここに来たのだから、死んだおカツをみたら、きっとこちらも殺されるだろうと、戸を、中から押し破って男に当てて、そのまま走って逃げました」




