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藤につかまり下がるはなし  作者: ぽすしち
 ― シデムシ ―
14/26

藤の蔓(つる)


 坊さまは困ったような顔で板の間にこちらをそっとおろすと、首にさげていた布もほどいておろし、つつんであった『しば』を、囲炉裏のそばへと並べ始めた。


「おぬしのせいといえば、そうかもしれぬが、まあ、それほどのことではない。 わしのところで修行しておる子狸こだぬきがな、この山をとおるのに、おぬしがこわいと、泣きそうな顔でいうので、見に来たのだ。   あれは、 ―― 藤かの」



「 『 ふじ 』? 」



「そうよ。 おぬしの中をとおって、そのまま木に下げたのは、藤のつるであろう?」



  

 『 中をとおって 』 ―― 。



   ああ、そうか。



「 だから、なにもないのか・・・」


 家の中に、殺してしまったおカツどころか、なにもないのは ―― 。


「 わたくしが死んで、 もうかなり経つのでしょうか?」





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