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いきなり異世界の《半神》になった  作者: 八九秒 針
第二章 学園怪盗編
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今後の方針

ネトコン運営様から感想いただけました!ありがとうございます!

やる気になったので投稿再開しようと思います。それに伴い既に投稿されてた話を計四話削除して書き直そうと思います。章の区切りもつけましたのでこの話から第二章の始まりです。

それでは今後ともよろしくお願いします。

「なるほど、シノブ様がお二人」


 ガンの町を離れてリーン嬢の実家のあるゼンの町へ向かう途中、野営地でリーン嬢の口から出た言葉がこれだ。


「いやだからシノブはこっちだってば。僕の話聞いてた?」

「はい、ミラ様。確かにあの白銀の騎士様を演じてたのはこちらの男のシノブ様なのでしょう。しかし白銀の騎士様を形作っていたのはこちらの女のシノブ様かと」

「なに金の斧、銀の斧みたいに言ってくれてるのさ。リーン嬢はどっちのシノブが欲しいの!」

「どちらも欲しいですね」

「うわっ!欲張りっ!さすが貴族汚い!リーン嬢それは強欲っていうんだよ、こっちの女のシノブにしときな」

「オレはシノブじゃねぇって言ってんだろ!てかこの流れならどっちも欲しがるリーン嬢はどっちも貰えないオチじゃないのか!?」

「ルプス、我儘よくない」

「ルプス様、これからよろしくお願いしますわ」

「誰か助けてくれーーー!!」


 そんな会話が向こうから聞こえてくる。少し離れた位置で秘密の相談をしていた俺と天渡とイリスは、その声を聞きながら今後の行動方針を決める。


「ルプスはもうすっかり『自由の白星』いじられ枠だな」

『私としては早く再戦をしたいんだけど、それができないからこうついねー』

「彼女は根が真面目なのに強気でガサツな女を演じているところがまた、そそられますね」


 ただ雑談をしているように見えるかもしれないが、これも必要な会話だ。ルプスという新たな仲間を加えたことによって考えなければならない問題は色々ある。大男に戻った俺の事とか、妙に鋭いリーン嬢の推測のこととか……女体化中の俺は鎧脱いだことなかったのになんでわかるんだマジで……リーン嬢、恐ろしい子っ!


 とにかくそういうわけで俺たちは必要な会話をしているだけなのだが、


「聞こえてるんだぞお前らーーー!!秘密の相談ならもっと向こうでやれーーー!!」


 ルプスは納得いかないという顔をしながら俺たちにそう言ってくる。


「なんだかんだで忠告してくれてるとことか真面目だよな」

『これもある種のツンデレ?ツンっていうかムキだけど』

「ムキデレですか。彼女は新たな概念をその身で創り出そうと言うのですね。では彼女のその姿勢を応援したまま秘密の相談を続けましょうか」

「『うーい』」

「おっ、オレの味方がここにはいないっ……うぅ……」


 ルプスが向こうで泣き始めたがそっちはミラとリーン嬢に任せよう。2人の慈しみに満ち溢れたあの表情を見ればルプスが縋り付く、げふんげふん、心を開くのは時間の問題だろう。

 俺たちは俺たちで真面目な話、これからどうするかを相談しなければならない。だがリーン嬢に聞かれて困ることは話さないので、このお互いの会話が聞こえる距離をキープする。


 実のところ、俺とルプスの扱いに対するリーン嬢への説明はもう終わっている。

 魔法の力で女になった俺が効果がきれて大男に戻り。

 ガンの町で偶然会ったルプスは実力もあり同郷ということで新たに仲間になった。

 リーン嬢への説明はこんな感じ。ちょっとルプス云々で無理があるかもしれないが、ミラの「シノブは女好きだからね、自分まで女になるほどに」でなんとか押し通せたようだ。しかしリーン嬢にはそれで少し距離をとられた。俺は悲しくない。

 そんなことよりリーン嬢は女体化魔法に興味がある様子。流石に魔法の名家の娘ということか。これに関してはイリスが対応するそう。なんだかみんなして俺とリーン嬢の距離を開けようという強い意思を感じる。まあ貴族の令嬢との浮いた話なんて面倒ごとの予感しかしないからいいんだが。


「それで実際これからどうするよ?リーン嬢の実家に寄ってくのはいいとして、結局ガンの町の黒幕みたいなのもわからずじまいだろ?リーン嬢狙った奴もはっきりしないし」

『また外鬼が関わってくると面倒だよねー。対処できるのも今のとこにぃにだけだし』


 その俺もいつまでもつかわからんのだよな。神力解放による完全神化は消費が激しい。この数百年ずっと神力を貯めてきたとはいえあと何回できるか。どこか早い段階で反撃にでられないとこっちの負けだ。とはいっても外鬼に関する情報なんかこっちは少しも……と思案していると。


「それなんですが、今回の外鬼介入のやり方はどこかおかしいというか……私が聞いた話では外鬼はもっと直接的な攻撃を仕掛けてくる存在だと伺っていたのでどうにも腑に落ちなくて」


 と我らがイリスさまが外鬼に関する追加情報を出してくださった。

 最初からそうだがイリスはホントなんでも知ってるなぁ。《管理者》から聞いたって言ってたけどホント優秀だなぁ。なぁ。


『イリスってホント物知り~うふふふ~』

「ったりめーだイリスさん舐めんな~あははは~」

「これが『自由の白星』の禁じられたルールでね……ごにょごにょ……」

「ホントにお前ら話題を避ける気はあんのか?こんなのバレバレだろ……ごにょごにょ……」


 ルプス、お前もこっちに来るってんならルールは守ってもらわなきゃなんねぇ。裏には裏の暗黙の了解ってやつがあんだよォオラオラ……。


「ちょ、肘鉄入れてくんな、お前鎧が痛いんだって。てかなんだそのヤクザムーブは……」

「オラオラ……」

「わーった、わーったから!そのねっとりしたオラつきをやめろ……」


 ねっとりだぁ?裏には表に知られちゃなんねぇ決まり事ってのがあんだよぉ。それを守る俺の流儀をねっとりたぁおめぇオラオラ……。


「オラオr」

「シノブ様、少し離れて貰ってもいいですか?ていうか近づいてこないでいただけると大変助かるのですが」

「おおおおらだってホントは光の道にぃ……おぉぉぉんおぉぉぉぉん……」


 リーン嬢の冷たい一言に俺の足は遠のいていった。あれが光(表)に生きる者の輝きか……眩しくて直視できねぇ……!!


『おかえりにぃに、いい演技だったよ。これで話題も逸れたかな』(ぼそっ)

「こういう決まり事もルプスには早く覚えて貰わないとな。俺の演技も疲れるぜ」(ぼそっ)


 そう、この『自由の白星』には暗黙の了解がある。大抵はどうでもいいことだが、その一つのイリスに関わる問題。これが重要だ。

 イリスの知識はちょっと話を聞いてたくらいじゃ説明つかない時もぼちぼち。そのことに疑問をもちながらも仲間意識の高くなった俺たちに追及する勇気はなく……


 《イリスの謎ペディアには突っ込むな!》


 これが自分たちでも気付かぬうちに出来上がり、俺、天渡、ミラの三人で共有されてきた裏ルールである。

 特に誰が決めたわけでもないのだが、イリスが聞いて欲しくなさそうで、このルールに安心しているところもあるようなので今はこれでいい。


(聞くとしたらお前のほうからな、イリス)


 それはそれとしてさっきのリーン嬢の対応は気の利いたアドリブか?俺たちの空気を察して咄嗟にのっかってくれたのか?

 ま、考えるまでもないな!リーン嬢にはいろいろ恩を売ってるし、まさかそんなわけな!はははは!


「ルプス様先程は大丈夫でしたか?あのねっとりした絡みつき方、確実に狙われていますわよ。やはり当家の騎士になりません事?」


 ははははは!なーんも聞こえねえ!…………くそミラの奴一体どんなこと吹き込みやがったマジ冤罪だろコレ!?


「シノブに手を出されてからもう離れられなくて……ルプスもおいでよ」

『にぃにを知ったらもう他のとこへはいけないよ……ルプスもくる?』

「………我が主は最高です。すぐにあなたもそれを理解しますよ。ふふふ」

「お、オレ本気でちょっと考えてみるよ……」

「おっ、俺の味方がここにはいないっ……うぅ……」


 ………この茶番いつまで続けんだ?


「さて、外鬼の話の続きですが、今回の目玉魔王はいくつかの段階を敷かれています。まず外鬼の力を受け取った最初の傀儡がいて、その傀儡が魔王の力と合わせて目玉魔王を創りあげた……簡単にいうとこうなりますが、これでもはっきりわかる脅威です」


 イリスが話を戻してくれたので今度はなにも突っ込まず俺もそれにのっかる。

 今のイリスの話を要約すると、魔王と外鬼が手を組んだってことだな。最悪。


「魔王討伐イベントが外鬼討伐イベントに繋がるパターンか?こういうのは勇者の役目だろ」

『勇者の仲間になりそうな女が全部にぃにに取られちゃってるからねー。仕方ない仕方ない』

「シノブ、あんたも罪な男だねぇ……」

「おっ、俺がいつのまにかいじられ役になってるっ……うぅ……」

「し、シノブと一緒なら全然『自由の白星』もありだな……オレたちナカーマ!」

「主も毎回ノリがいいので狙われるんですよ?でもそんな主が素敵です」


 今回俺はイリスの真面目な話にのったつもりだぞぉ!てか真面目にふざけてる場合か……?


「んで、これからどうするよ?もう魔王と外鬼は成り行きに任せるしかないとしても、自由を謳歌するのも大事だぜ」

『私は闘技場でチャンピオンなりたいな。もちろんみんなも参加してるやつでね!』

「僕はエルフとか亜人を見てみたいかも。なかなかいないんだよねぇここ」

「私は主と一緒なら……は当たり前ですが、本音を言えば魔大陸と戦っている聖王国に行きたいですね。きっと私たちが行くことに意味がありますから……」

「お、オレはお前らについて冒険できりゃ今はそれでいい。目標とか夢は、そのうちにでてくるだろ。またそん時聞いてくれ」


 おう、いきなり皆語り出したな。俺は全然そういうの思いつかないんだが、そういえばこいつらのこんな夢の兆候は前からあったようななかったような……。

 なんにしてもいいことだ。こいつらの夢なら全部叶えるのは当然だな。まずは時間的に見てイリスのやつからか?でも突然行って相手にされっかな……と悩んでいると。


「皆さま、それらの夢を全て叶える道筋として、まずわたくしの通う学園にいらっしゃるというのは、如何ですか?」

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