表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなり異世界の《半神》になった  作者: 八九秒 針
第一章 半神降臨編
12/27

俺たちにできる冒険、それが草むしり

早く「奴」を書きたい……ちょっと執筆遅過ぎない?ねぇマダ―?( ゜Д゜)

 冒険者ギルドでちょっとかっこつけてみたりしたのだが、効果は抜群のようだ。


「それでぇ~、冒険者にはぁ~、8段階のぉ~、ランクがありますぅ~」


 目の前の受付嬢、名をセリィというらしいが、今現在完全にぶりっ子である。手を口の前で女の子にして上目遣い、そしてこの話し方だ。


『最初はマトモそうに見えたのになー』

「ぺっ」

「我が主の魅力からして当然の帰結ですね」


 俺、今、女体化中なんだが。まぁそれは兎も角、この甘ったるい受付嬢の説明を要約するとだ。


 ・冒険者ランクはS、A、B、C、D、E、F、Gの順で高い。

 ・クエストは自分のランクの一つ下まで受けられる。

 ・冒険者ギルドはこの大陸全土に支部がある国に縛られない機関である。


 ということだ。ナイステンプレ。


「あ~でもぉ~……真面目な話、気を付けてくださいね。今ここバー王国内では戦争をしていませんが、()()()ではしています。もし皆様『自由の白星』が国に目を付けられるようなことがあったら、国からの指名依頼として戦争に参加させられる場合もあります。もちろん拒否もできますが、その場合はこの国で生きにくくなってしまうでしょう……セリィ、シノブ様にはここにいて欲しいなぁ~」


 戦争か、今のところ参加予定はないが情報くらいは集めておいてもいいかもな。ていうかその辺は既にイリスがリーン嬢から情報収集してそうだ。

 何はともあれそろそろ冒険に行こう。暇・ダ!


「よし皆行こう。雑魚相手でも戦ってる方が幾分かマシだ」

『私はねぇねと戦うー!』

「じゃあ僕は天渡とタッグ組むかな」

「ダメですよ2人とも。町の近くで暴れるのはナンセンスです」


 わいのわいの。がやがやと。俺たちは来た時より大分人が少なくなっている冒険者ギルドを後にした。

 後ろからセリィ嬢の「またのお越しをお待ちしておりますぅ~」という甘ったるい声を聞きながら。




     ◇




 町から出て森の中。俺たち『自由の白星』は魔物退治に勤しんで……いなかった。


「なんも寄ってこねぇ」

『今日は13日の金曜日……』

「まぁデルイト島の奴らでさえこうだったしね。当然かな」

「見つけて追いかけるのは簡単ですが、それは冒険とは違いますよね」


 まったく魔物は根性無しで困る。これなら自称知的生命体である人間の賊共の方が勇気があるってもんだ。蛮勇という勇気がな!


「盗賊でねぇかなぁ」

『逃げ惑え人間共ぉ!コロスコロスコロス……』

「盗賊は弱くてつまんないよ。それならデルイト島の、なんだっけ?うぇ、ウェルカム君?を呼んだ方がいい」

「懐かしいですね、ウェルカム君。この世界で最初に我が主に歯向かった愚か者。名前からして殺意を感じます。ちゃんとお別れしてこなかったですし、機会があったら今度こそ()()()しましょう」


 あの残念空気竜……無茶しやがって。俺はちゃんとウェルキム君の名前を覚えてるが、イリスはきっと背景くらいにしか思ってなかっただろうし、ミラと天渡はそもそも会ってない。名前一文字間違われるだけで死が近づくドラゴン。その残念さ、憧れるぜ。


「ま、まぁ機会があったらな。率先して倒しに行くこともない。それよりこれからどうする?草むしりでもするか?草は逃げない。冒険にはもってこいだぜ」

『逃げてるの追うのが楽しいんじゃんか』

「ちょっとそろそろ天渡のやばい一面無視できなくなってきたよ、これやばいよ」

「主との戦闘も最初は追いかけて捕まえるところからでしたしね。私たちがこの怪物を作り上げてしまったのです。共に歩んでいきましょう」


 ねぇ草むしりしようよ!草むしり!なんでこんな殺伐とした会話が続くのさ!?草を毟るってなんて心穏やかなことか考えてよ!君たちには安らぎが必要だ……。

 そんな想いを眼に込めて3人を見るも、3人はまだ見ぬ冒険に心たぎらせている。ダメだこいつら、綺麗なものでも見せないと。今度宝石でもプレゼントしよう。


「あ、鷹……」


 行き場のないこの視線を空に向ければ、一羽の鷹が優雅に飛んでいた。こちらに向かって、勢いよく。



「キィィェェ――」

『ふん』 ベシャッ


 鷹は勢いのまま天渡にはたかれあえなくミンチとなった。


「今のはシャドウホークですね。隠密と奇襲を得意とする、空の暗殺者です」

「因みに危険度で言うと?」

「Bランクですね。魔石を持って帰りましょう、昇級できるはずです」


 こうして俺たちの冒険は終わった。




     ◇




「シャドウホークの魔石?この辺りには生息していないはずですが……う゛ん゛、シノブ様がどうしてもと仰るのならぁ~……い・い・で・す・よ?」

「チェンジで」


 冒険者ギルドの受付嬢までこんなある種テンプレみたいなことしなくていいんだよ。いいから早く作業してくれ。昇級できないならそれでいいから。急いでないからな。


「ああああちゃんとやります!大変失礼いたしましたー!」

「それで確認にどれくらいかかる?別に無理に昇級しなくてもいいんだが。あと数日でこの町からも離れるしな」

「えっ?……そうですよね。いえ、昇級に確認は必要ありません。シャドウホークがこの町近辺に出現したのならそれは要確認対象ですが、皆様のランクはDランクまでならギルド長の権限ですぐに上げられます。ただ一度面会していただく必要がありますが……今お時間大丈夫ですか?」

「問題ない」


 ギルド長か。ランクはホントにいつでもいいんだが、折角の機会だし、ギルド長に会うだけで上がるなら安いもんだ。たぶんだがSランク依頼になっても俺たちに冒険なんてないだろうしあとは効率よくいこう。

 さてさて、ガンの町の冒険者ギルド長、一体どんな奴かな?

( ゜Д゜)は( ゜Д゜)や( ゜Д゜)く( ゜Д゜)し( ゜Д゜)ろ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ