人間から半神になって異世界にいる
初めて書いた小説です。マターリ不定期更新していきます。誤字・脱字などあるかと思いますが生暖かい目でご覧ください。作者は豆腐メンタルなので・・・(吐血)
第一話は短めです。
俺は日本に住む16歳の学生だった。そのはずだ。でも今は異世界に居る、ここは日本でも地球でもない。眼前に広がる光景が、身体に伝わる感覚が、そして先程まで話していた《管理者》を名乗る存在とのやり取りが、嫌でもその事を実感させてくる。
俺は溜息を吐いて上空を飛ぶ翼を持ったデカいトカゲ、所謂ドラゴンを眺めながら先程までの事を思い出す。俺をこの異世界に落とした自称《管理者》とのやり取りを――。
◇回想◇
「はぁい!こんにちわ。古城 飛鳥さん。もとい私の管理する世界で初めての《半神》さん。私は世界アシュラの管理をしているまんまそのまま《管理者》です。あなたを世界アシュラに招待します!わー!パチパチ喜んでぇ~!!」
いつも通り学校から帰宅して夕飯を食べて風呂に入ってちょっと勉強してから寝床についたと思ったらなんか前にいる、いや正確には前方斜め上空。こちらを見下ろす形で美人な女性が浮いている。
「やけにはっきりした夢だなぁ」
呟く。
「ノンノン、夢違いますよ~現実です。あなたもそれをすぐに理解します。それはさておきパパッと説明、しちゃいましょ~。《半神》さん、あなたは私が管理する世界アシュラで自由に生きる権利を得ました。自由と私が言うからには本当に好きにやっちゃってくれて構いません。世界アシュラで良き隣人を作るもよし、殺戮の限りを尽くし覇道を征くもよし、どんな風に生きようと私、《管理者》は《半神》さんの自由を侵害する事はありません。ここまでおっけーですかぁ?」
妙な夢だ、と思いながらも取り合えずここはひとつこの夢に乗っかる事としよう。ここまで鮮明な夢も珍しいしな。目覚めるまでの間、楽しむことにする。ならばこそまず言いたい事がある。
「さっきから人のことを名前で呼ぶ気はないのだな。最初に俺の名前を言っていたから知らんわけではないようだし、出来れば俺のことは古城でも飛鳥でも名前で呼んで欲しいものだ」
《半神》・・・神と呼ばれて喜ぶような人間ではないのだ、俺は。そんな風に呼ばれて喜んでる奴は詐欺師か極度のナルシストかとにかく痛い奴だ。なお子供は別だ。
「あ~それですかぁ、あなたもう人間だった頃とは違って今はもう世界アシュラでちょーちょー強い存在になったんですよ?あんな低次元な世界の低次元な種族の低次元な名前なんて捨てて相応しい名を自分でつけたらどうです?なんなら今だけ特別に私がつけてあげても良いですよぉ?」
自称《管理者》が可愛らしくウインクして言ってくる。なんかムカつくなこいつ。まぁゲームでもやる感覚でプレイヤーネームつけてみるか。う~むそうだなぁシノブでいいか、忍者好きだし。
「シノブですかぁ、いいんじゃないですか?じゃ、説明続けますねー。シノブさんと同じように地球から世界アシュラに異世界転移するのは全部で12名です。《半神》、《大天使》、《天竜》、《聖女》、《精霊使い》、《時空の導き手》、《廻る者》、《獣王》、《機械仕掛けの人形》、《歌姫》、《魔王》、《勇者》、以上になります」
「あなた方12名は世界アシュラにまとめて降り立つわけではないので皆さん最初はぼっちです。でも安心して下さい。シノブさん含め皆さんは特別ですから危険はありません。人族や知能あるものが興した国々もありますので会おうと思えばお互いいずれ会えるかもしれませんね、皆さんは特別ですから」
「世界アシュラには人族、亜人族、魔族、あと一部の力も知能もある魔物なんかがいて、主にそれらが国を興し統治しているモノたちですね。もちろんそれら以外にも色んな種族がいますが大した知能も持っていないので見つけたら襲ってくるのがいますので覚えておいてくださいね。さて、説明はこんなとこでしょうか、何か質問、ありますかぁ?」
一気に色々話されてもこんなの覚えきれるか!と思ったが覚えた。・・・便利な夢だなぁ。
それにしても世界アシュラとやらは話を聞くによくあるゴブリンなんかの魔物がいるファンタジーな世界のようだ。ならば文明は中世ヨーロッパあたりを期待したいところ、いや《機械仕掛けの人形》ってのがさっきでてきたから近未来だったりするのか?色々ごちゃ混ぜな世界なのかもな。質問してもいいが俺はネタバレを嫌うタイプだ、この夢が続くなら楽しみにとっておこう。でもこれだけは聞いておかないとな・・・。
「人種差別なんかはあるのか?人族が下に見られていたり亜人族が奴隷にされていたり。魔族は・・・まぁなんとなく予想はつくがそういうのは流石に事前に知っておきたい」
これは重要なことだ。《半神》が世界アシュラにおいてどの様な姿をしているのか分からないが、もし見た目は人族と変わらなかったり、ないとは思うが素敵なケモ耳がついていたりしたら人種差別がある世界の場合ちょっと真面目に行動方針を考えなくてはならない。まだ自分が、というか《半神》が世界アシュラでどれくらいの位置づけの強さを持っているのかの実感も持てないのだから魔族との衝突も避けたい。《管理者》はちょーちょー強いとは言っていたが。
「差別に関しては表向きはないですよ~。もちろん格差社会ではありますけどぉ。奴隷も犯罪奴隷のみになってますねぇ。魔族に関しては人族とも亜人族とも等しく敵対関係です。でもシノブさんは上級魔族ですら片手で捻り潰せるくらいつよつよですからあんまり心配しなくていいですよ~、あと《半神》さんの世界アシュラでの見た目は人族と変わりません。見た目は、ですけどね~」
なるほど、表向きはね、理解理解。そして《半神》、世界アシュラでは流石神と名の付くだけあってかなりの強さらしい。これならちょっと冒険するくらいなら問題ないかな?というかさっきは夢だしでスルーしていたがやはり心読めるのだな。そういうのは神の領分だと思うんだが《管理者》は神より上の存在ということだろうか。まぁただの日本の高校生を異世界の半分とはいえ神に変えられる存在なのだからそりゃ神より上か。あと最後やけに見た目はのところを強調してきたがあまり不穏なことを言わないで欲しい。
だがしかしこれで大体のことは分かった。あとは実際に世界アシュラに行って良い夢を見たいものだ。
「聞きたいことはもうないみたいですねぇ、本人も異世界を楽しむ気満々みたいですしそれじゃ地球とバイバイして世界アシュラに送りますよぉ~。はぁい!ゴーゴーゴー!!!」
そんな《管理者》の言葉と共に意識が浮上していくのが分かる。ああ、夢から覚めるのか。話していた時間もそう長くないし起きてもまだ夜中じゃないか?なんだ結局ファンタジーな世界を見ることも出来ないのか。ただ美人な女性と話していただけの夢だったな。
起きたら一度トイレに行ってまた眠ろう――。
◇回想終了◇
そして現在に至る。途中からなんとなく夢じゃない気はしていた。しかし認めたくなかった。妹は元気にやれるだろうか、うちの両親は子供に愛情を注ぐタイプではなかったから兄の俺が側に居てやりたかった。だがしかしもうそれも叶わない、俺は今異世界に、世界アシュラに居る――《半神》として。
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・・・果たしてこの顔文字は使い方として合っているのだろうか、慣れない故吐きそう。