用語説明
用語説明
【トーラ】
過去を変えることが出来る力。その力を得ることで、世界の全てを書き換えることすらできる。ただし、制約として「『人間』の望みしか叶えられない」というものがある。
トーラは人の記憶を辿り過去を変える性質を持っているため、そのような制限になっている。小さいところは個人から大きいところは世界まで。世界を編むことも出来る力。
そして、トーラは強い望みに引かれやすい。望んだものにトーラが与えられるが、その瞬間からその者は流れる時間からはみ出してしまう。→時を数えない存在。不老であるが、不死ではない。
銀の剣でしか殺せないとされているが、実は嘘。ラルーがトーラを護るために吹聴しているだけ。
【リディアス】
元は対トーラのために作られた兵器リディアが作った国(国民も王族も知らない事実)。(ラルーやトーラは知っている)
そのため、リディアスでは魔女を狩ることが正義とされている。幾年もの年月の間にトーラが代替わりし、その度に銀の剣での魔女狩りを成功させてきている。魔女は悪、そう意識づけていくことで国力をつけてきた。
・リディア
トーラが創りだした世界のどこかで生まれた対トーラの力。トーラが人間の望みに寄り添うところからその正反対の性質を追及しすぎたため人間にも脅威になる存在となる。トーラの創った世界を自分の手に収めようと虎視眈々と狙っていたが、ワカバが生まれた際に事実上の負けが決まる。
→ワカバの持つ未来にリディアが存在することがないため。
・ディアトーラ
キラの故郷。魔女信仰があり、その魔女が棲むとされているときわの森を護っている。
魔女が欲しがる物は全て与えられるという呪いを持つが、その反面、その魔女の威を借ることで、他国からの侵攻を防いでいる。国力は脆弱なため、リディアスの配下(一つの国として存在しているが)として、リディアスから圧をかけられることも多い。
【時の遺児とトーラについての関係】
そもそも、時の遺児がトーラを持つことは流れ出した『今』を変えかねない存在なので、危険とされている。
・時の遺児
様々な世界が紡がれる間に生まれた過去の遺産とも言える人たち。
例としては過去を変えたことにより、その人が生まれなくなってしまっているなどの事態になると、誰も知らない誰かとして存在するようになる。邪魔になればトーラを持つ魔女により消されることもあるが、ほとんどの魔女がその存在を放置している。(次にトーラが過去を変えた際には引き継がれない存在なので、必死になって消さなくてもいい存在)もしくは(残しておきたい存在)として『今』しか生きることがない。ただし、過去に執着する魂であるため、大きく過去が変わることはないとされている。
また、時の遺児はその性質から魔物に襲われにくいとされる。それが魔女と目をつけられやすい所以ともなるので、悲しい存在であることは確か。
・特別な時の遺児
過去に生まれることのなかった存在なのに、過去が変わったせいで生み出されてしまった存在。
例えば交通事故に遭い流産する。だけど、交通事故自体がなくなれば流産しなかった。生まれてくる子は書き換えられる前の過去は持たない。過去に執着しない魂の持ち主。そのもの自身の存在のために、世界を否定しかねない存在。
ワカバのように過去では生まれなかった存在がトーラを持ってしまうこと。完全に過去を否定しかねない存在なので、厄災の極みとされている。
【トーラの娘】
・アナ
トーラが人間だった頃の娘。彼女の子孫にマイラ、イルイダがいる。時の遺児として存在しているが、存在する人類の中で唯一「時の変化」の影響を受けない血筋。後にマイラがディトーラへ輿入れする。
・ルカ
ラルーの双子の妹。本編には数行の行しか出てこないが、トーラが『トーラ』として存在した後に生まれた娘。魔女として生きるのではなく、時を数える『人間』として生きるようになる。ディトーラ初代領主婦人。子どもが出来なかったため、夫の遠縁を養子にしている。そのため、ルカの血はディアトーラに残っていない。
・ルタ(ラルー)
ルカの姉であり、魔女として母と共にたくさんの時を過ごしている。父コラクーウンには『トーラ』を消すことを望まれ銀の剣を保護する者として、母トーラには『トーラ』を見守る看視役として望まれる。(重要端役にも説明あり)
【銀の剣】
銀の剣とされているが実は白金で作られている殺傷能力のない飾りの剣。(戦う気のない人を刺し殺すくらいは出来る)コラクーウンによって作られた剣であり、トーラの創った世界以前に戻すことの出来る唯一の武器であるが、これだけ長く過去が流れてしまった現在にとって、今を生きる人々にはなんの正義もない剣であるが、時を持たない特別な時の遺児が世界を完全に滅ぼす場合のみ、世界が書き換わることの出来る正義の剣となる。
【便利屋】
この世界の中で暗躍する何でも屋のようなもの。ファンタジーの世界でいうギルドのようなものに近い。
便利屋の看板だけだと本当に『何でも屋』
その中で『ジャック』と呼ばれる者はさらに仕事の範囲が広がり殺しも含まれるようになる。
そして、その『何でも屋』や『ジャック』に仕事を下ろすのが情報屋である『クイーン』と呼ばれる者である。クイーンの名称由来は「争いの嫌いな女王様」であるが、それを揶揄してジャック達は「争いの種を撒く無責任な女王様」と言っている。
またその頂点に上り詰め『クイーン』の手の届く範囲に留まらなくなった者を『キング』と呼んでいる。
《本文引用》 ただ、自分の掌の上で転がせなくなったキングをクイーンは極端に嫌う。キングが憎いという声を聞けば、クイーンが喜んで知恵を貸し、ジャックを紹介する。
そんな構図。
ちなみに『クイーン』は自分や『ジャック』が損をする仕事を絶対に請け負わないが、同じ『クイーン』のシガラスは平気で損をするような仕事を『ジャック』に流すためババ抜きのババである『ジョーカー』と陰で言われているが、本人の解釈は最強の『クイーン』の事だと思っている。