どんな苦難も乗り越えられる
どういうことだ…!
「ゲホ…! ゲホ…!」
コイツはただ人に化けているだけなのか…?
見えるのは、オレくらいの年の男だ。
オレの龍化が解かれた。
「お、おい…!」
「……、あーあ…、100秒経っちゃったか…」
し、喋った…
「おい!お前はいったい何者だ!!」
「なぁ…、そんなことよりももっと大事なこと教えてあげるよ…。どうせもうあとすぐに終わってしまうから…」
な、何を言っているんだ…
「魔獣は全部人だっていうのかよ…!!?」
「人…? _____あぁ…、そうだよ。それよりも俺が今から言うこと真面目に聞いてほしいんだけどさ…、ゴホゴホ!!」
男は戦闘先の戦闘で身体をかなり消耗していた。
「おい大丈夫かよ!?」
は?何オレ魔獣を心配してんだよ…?
「き……聞いてくれ! お前たちは…本当の、人間どもに_______」
「お、おい…。おい!」
「… … …」
動かなくなってしまった。
「シューラ~~!!!」
共に戦った仲間たちが駆けつけてきた。
.
.
「息は…、もう無い。死んでいる…」
「シューラ、本当にコイツはさっきの魔獣で合っているんだな?巻き込まれたウチの生徒とかじゃないよな?」
リーダー気質のフランツェルが質問をしてきた。
「ほ、本当だ!!確かに物壊したけど誰も巻き込んでない!絶対だ!」
必死に答弁した。実際やってないし、さっき信頼して見つめ直したばかりの関係だから。
「……うん、俺は信じるよ。皆は?」
フランツェルはオレの目をじっと見てそう答えた。
「当たり前でしょ」
「さっき信じ合った仲だろ?」
「うん、僕も信じるよ」
「とりあえず身柄を差し出してってところからだねぇ。こりゃあ今日明日のテレビ業界は大騒ぎだろうねぇ~~」
「まあ…、みんなそう言うなら私も…」
「お、お前ら…」
コイツらが、皆がいればオレは…、どんな苦難も乗り越えられる____
_____そう強く思った。
「よし!その証として皆で手合わせよ!!」
トワが言った。
「はぁ~なんだソレ?恥っずかしいぜオイ!」
「男子はわかってないね~。これはチョー最高な友情の交わしなのよ?」
「僕は全然恥ずかしくないよ。素敵だと思うよ」
「よし!じゃあやるか!シューラは1番最後な」
ペシ!
ペシ!
ペシ!
ペシ!
ペシ!
ペシ!
ウルバ、観ているか?オメェ、自分ピッタリの環境と違えば上手くやっていけねぇって言ったよな?どうよ、オレはオメェの持論ねじ伏せてやったぜ。
「ここにいる俺らだけじゃない。この手の束には、クラス全員の手が重なっている。誰も欠けてはいけない。だから皆が皆を助け合うんだ。俺たちは何でもできる!どんな苦難も乗り越えられる!」
皆がオレの方を向いている。
オレはまだまだ止まんねぇからよぉ、最後までそこで観ていてくれよ。
「ははは…、クセェから照れるじゃねーか…」
ペシ!
*
*
*
『転校生を紹介します』
*
*
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『プレアデス教?』
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『彼を抹殺しなさい』
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『あっはっはっは!!!』
*
*
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『シューーラァァァ!!!逃げてぇぇ!!!!!』
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*
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『クソがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!』
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*
*
『シューラは……死んだよ…』
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【只今、運動場付近で魔獣が現れました!生徒の皆さんは騒がず冷静に今すぐ運動場からなるべて遠い場所に移動してください!繰り返します!只今____】
「シューラ急ごう!_______ねぇ聞いてる!?」
魔獣だ…
魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ
魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ
魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ 魔獣だ
・ ・ ・ コ ロ ス
「ちょっとシューラ!どこ行くの!?そっちは危険な方だって!!!」
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「グゥゴォォォォォォァォォ!!!」
「…何テメェも熱くなってんだよ。この人殺しがよぉぉ!!」
【人と違げーからこそシューラなんだよ】
「オメェらが存在してるからウルバが……!」
【せっかく決めたことだ、ゼッテー夢叶えろよ】
「オメェらが存在してるからオレの夢が……!」
【オメェも俺も、負けるわけねぇだろ。だって俺たちは、最強不滅のタッグなんだからよぉ】
「死ね!死ね!死ね!死ね!」
「ググゴオォォォォオオォ!!!!!!」
「何だよコイツ…!!」
||
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「ああぁぁぁぁぁ!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い!!!!
死ぬ!死ぬ!死ぬ!死ぬ!
なんで!どうして!?あの時もあの時も龍になれたじゃねぇか!!なんで出ねぇんだよ!!
「ゴォォォォォォ」
あ…、 ヤバい…
本気で死ぬ_____________
バッ!
「グゴォォォ!!!」
「何だ……? ってお前ら…!!」
||
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「僕たちはクラスメイトだよ。例え友達でないとしても仲間だよ。君は何に悩まされていたのか知らない。それは、皆で力を合わせても解決できないことなのかもしれない。そういうものだってある。でもずっと1人で抱え込むのは止めよう」
「テルマ… 皆…」
【悩んでたら俺に相談しろよな。オメェってそういうこと他人に話さねぇタイプだからよ。中坊からそうだ、変にリーダーシップ張ってんじゃねぇよ】
「わかったでしょシューラ?これが、仲間と一緒にいることの良さだよ」
バカかよオレ
こんなにも心の広い仲間がいることに気がつかなかった。いや、多分気づこうとしなかった。それは周りに迷惑を掛けたくないって思っていたから。
でもわかった、これは迷惑なんかじゃない。誰かを助けたいって心を、皆持っているんだ。
「トワ…。ありがとう皆。オレ、もう間違えない」
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「おい!お前はいったい何者だ!!」
「なぁ…、そんなことよりももっと大事なこと教えてあげるよ…。どうせもうあとすぐに終わってしまうから…」
な、何を言っているんだ…
「魔獣は全部人だっていうのかよ…!!?」
「人…? _____あぁ…、そうだよ。それよりも俺が今から言うこと真面目に聞いてほしいんだけどさ…、ゴホゴホ!!」
男は戦闘先の戦闘で身体をかなり消耗していた。
「おい大丈夫かよ!?」
は?何オレ魔獣を心配してんだよ…?
「き……聞いてくれ! お前たちは…本当の、人間どもに_______」
「お、おい…。おい!」
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「ここにいる俺らだけじゃない。この手の束には、クラス全員の手が重なっている。誰も欠けてはいけない。だから皆が皆を助け合うんだ。俺たちは何でもできる!どんな苦難も乗り越えられる!」
皆がオレの方を向いている。
オレはまだまだ止まんねぇからよぉ、最後までそこで観ていてくれよ。
「ははは…、クセェから照れるじゃねーか…」
ペシ!
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.
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「昨日は熱く語り合ったなぁ。思い出すだけで照れるというか何というか」
席を囲ってクレハ、テルマ、フランツェルと話している。
「でも絆の分かち合いはとても良いことだよ」
「そういやニュースでやってたけど、防犯カメラに龍の映像残っちまったなぁ。中身シューラってことバレてなかったけど」
「シューラくん自身はやっぱり隠しておきたいの?」
「まあ…、隠してはおきたい。でもいつかは手段を選んでられない時が来ると思うから、バレてないのはもう時間の問題」
オレがそう言うと間を置いてフランツェルはくすっと笑う。
「ふっ(笑)。シューラ、別にお前は特別扱いされるってわけではないから、もっと気を緩めていけよ!」
固い表情をしていたオレにそう言った。
「笑い事じゃねぇーよ。…まあそうだな、ピリピリしててもダメだな。もっと学校生活楽しんでいかねーと_____」
「ごめん皆さーん、休み時間で申し訳ないけど一度席に着いてくれる?いや、その場所でもういいや」
プレフ先生がやってきた。
「お、なんだ?」
先生は教室の玄関に向かって手招きする。
「突然ですが、転校生を紹介します」
「え!ウソ!」
「トワちゃんに続いて2人目!?」
プレフ先生の合図で入ってきた。
「こ、こ、こんにちわわ…。僕の名前はジーマででで、す。よ、よろしくぅ…お願いし、します…」
「今日からこのクラスの一員となるジーマくんです!皆さん、仲良くしてくださいね!」
「カ、カワイイ~~!!!男の子なのにー!!」
「けっ!なんか気弱そうな奴きたぜ。シューラもそう思うだろ?っておい…、シューラ?」
「ぅ…!!」
「シューラくん…??」
「オエオエオエオエオエ!!!」
「キャー!!シューラくんがゲロ吐いた~~!!」
「おい!しっかりしろ!!せっかく転校生来てるのにお前がゲロって台無しじゃないか!」
う…う……嘘だろ…
ジーマ、何しに来た…!?