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僕が強さを求める理由  作者: オウルくん
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冒険の始まり

処女作なので暖かい目で見ていただけると幸いです!では、どうぞ!

強さを求める理由...。

都市の中にそびえ立つ4つの塔。塔の中に住む沢山の怪物たち。

強い怪物を倒せば倒すほど手に入る金、富、名声。

英雄たちに憧れて、剣1本でのし上がっていく自分。

そのなものを想像しながら、沢山の人が怪物たちの巣窟に命の危機も考えずに、自分と英雄たちを重ね自分たちは特別な存在だと勘違いして塔に入っていく。

強い怪物たちを倒し可愛い女の子達に囲まれている自分を想像しながら...。

そんな事を考えてしまうのは男として仕方がないのではないだろうか?僕もそんな軽い気持ちで強さを求め、僕なら英雄になれるというなんとも言えない自信とともに塔に入った...。


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


はいどうもこんにちは。姫柊 秋って言います。

絶賛死にかけ中です。今はあんなに軽い気持ちで入ってしまった自分の事をとても恨んでいます。

ほとんど準備もせず、自分なら行けるという謎の自信があって塔に入りましたが...。自分はとても非力だということを今痛感しております。なのでコンテニューさせて欲しいです。


ってそんなこと言っている場合ではない。

全力走る僕の後ろについてくるのはミスリルで体が構成されているゴーレムさんですね。僕は土の塔に入ったのですが、自分が強いと思って2階層に入ってしまった自分を殴りたい。

深層と言ってはいるがミスリルゴーレムさんはこんな所で出てくるモンスターでは無い。今逃げることができているのは、相手がゴーレムで走るのがとてつもなく遅いからである。

しかし相手の体力は無限であり、僕の体力は有限...。ここで何が妙案が無ければ完全に詰む。


うん。全く思いつかん。


考えていると走るのが遅くなってきたので、何も考えず我武者羅に走る。


数分後


何十もの分岐点をこえてまだ走り続けている。

もう既に足の感覚はない。右足は確実に折れている。それでも走れているのはアドレナリンが出ているからだと思う。

しかし段々と足に力が入らなくなっている。ゴーレムが大きな音を立てて近ずいてくるのがわかる。


やばい。これは詰んだわ。


ゴーレムの拳が僕の足を掠めて地面にめり込む。掠めただけなのに足が動かない。多分足が折れた。本当にこれが最後っぽい。アリスさんに告白しとけばよかった。昔に母に言われた通りにしっかり準備して勉強もして塔に入るべきでした。すいません。目の前にゴーレムさんの拳が降ってきます。もう腕も脚も全く動きません。

顔も人には見せれないくらいに酷いことになってる。


「誰がァァ!だずげでぐださぁぁぁぁぁい」


最後の思いを込めて人生最大と言っても過言ではないくらいの大きな声で叫んだ。

わかってる。誰も来ないくらい。でも叫ばずにはいられなかった。だって死にたくない。死にたくない。

拳は僕に直撃した...。


ん?痛くない...。


拳が当たる前に砕け散ったのだ。拳だけではない。ゴーレム自体今横で粉々になっている。僕では傷ひとつつける事の出来なかった敵が一瞬にして木っ端微塵になっている。

それを見て安心したのか、身体の力が抜けて腰が抜けてゴーレムの死体の上に崩れるように倒れた。


「おい!大丈夫か!」


声が聞こえたので後ろを見ると、大剣を持ち、金色の髪をなびかせ2mを軽く超えるゴーレムより怖いオーラを纏っているダンディなおじさんがこちらを見ていた。助けて貰ってなんだけど、正直ゴーレムより怖い。手と脚がガクガクと震えている。

心配そうにこちらに向かって歩いてくるが、もうめっちゃ怖い。


やばいやん...。


優しさなのは分かってはいるが、近ずいてくるに連れて身体が麻痺していく。脚を前に出す度に地面が陥没している。ダンディなおじさんの手が届くくらいの距離になった時僕は気を失った。


揺られている感覚があり目が覚めた。

目が覚めてわかったのは、助けてくれたおじさんが僕を担いでくれているということ。さっきまで痛かった足が少し痛く無くなっていた。健は確実に切れていたし、至る所から血も出ていた。今でも身体がボロボロだった自分を鮮明に思い出せる。あとなんか臭い気がするのは気の所為だろうか。

そんな事を考えていると塔の入口が見えてきた。入った時は分からなかったけど、入口はとても輝いて見えたしほっとした。あと20歩くらいで外に出れる。次に入る時はもっと入念に準備してから入ろうと固く思った。


「もうすぐ出口だぞ!」


おじさんが俺に聞こえるくらいの声で言った。その背中はとても頼もしくかっこよく見えた。僕もこんな強く、かっこいい人になりたいと思えた。そしておじさんの背中で揺られながら塔から出た。


塔の中は外と違い暗い。塔の中には謎の鉱石が光っているので、視界が暗い訳では無いが、外ほど明るい訳では無い。おじさんが走る速さはとても速く暗いところから一気に明るい所に出たので、視界が真っ白になった。塔の中に無かった太陽を見ると、塔から出たんだとすごく感じた。

それから少したって目が慣れてきたので、周りを見るとかなり注目されている事に気がつく。今の僕を思い浮かべるとわかる。とてもでかいおじさんが小さい青年をおんぶして出てきている。もし僕があっち側なら僕も見ているだろう。なんか段々恥ずかしくなってきた。顔が赤くなっていっているのが分かる。頼む早く移動してくれそんな事を考えておじさんの背中に顔を押し付けて恥ずかしさを隠す。もうこんなことには絶対にならないようにしようと思う。

こんな羞恥プレイはもうごめんだ。


そのまま大きい背中の中で揺られながら、大通りの端を歩いていく。長い間おぶってくれているのに疲れた様子が全くない。

それから数分して見覚えのある大きな建物の前に着きました。

そうこれが富と名声に目が眩んだもの達が集まる場所


通称:岩金亭:


ここは土の塔に入る人が集まっている。土の塔でしか取れない鉱石やモンスターのドロップ品を求めて商人達が依頼をして、それを冒険者が受ける。そして冒険者はその依頼達成料で生活している。正直駆け出しの冒険者は1日かかって2000円位しか稼げない。しかもモンスターを狩るのではなく1階層か2階層くらいで鉱石などを取るのがやっとだ。土の塔で1番弱い土のゴーレムさんも僕は全く手も足も出ない。だから大抵の駆け出しの冒険者は他でバイトをしながら過ごしている。


まぁそんな事は置いといて、重要なのはそこでは無い問題はこのまま岩金亭に入ってしまうことだ。しかし下ろされても足は折れてかなり痛い今街中で無ければ大きな声で泣いているところだ。本当はもっとボロボロだったのだが多分治してくれたんだろう。しかし骨折などは治らなかった。はじめよりは痛みは少ないが痛いものは痛い。

だか今ここで背負われたまま入れば僕の名誉が大いに傷付く事になる。1発目の依頼で足を折ってしかも助けて貰って背負われている。

これでは笑いものだ冒険者とは威厳があってなんぼの職業...。


「ありがとうございました。此処で大丈夫です。」


声をかけると大きな男の人は動きを止めて


「そうかっ!次からは気をつけろよなっ!しかし大丈夫か?足折れてただろ。」


「はい!大丈夫です!」


「そうか!元気があって良かったぜ!」


大きな声で返事をしながらゆっくりと下ろしてくれたが、


「いでぇぇぇぇぇぇえ"え"え"え"え"え"え"え"え"!」


はい、無理でした。名誉の為に頑張りましたが足が全く言うことを聞かないどころがまじで痛い!痛い。痛い。痛い。カッコつけるんじゃあ無かった。また後悔してます。今日だけで2回目です。

痛い。痛い。人目を気にせずというか気にしている余裕すらない。足を抱えて転げ回る...。


「見ただけでわかるぜ!大丈夫じゃあ無さそうだな!ハッハッハ」


さっきまで担いでくれていた男の人が笑いながら喋りかけてくる。そしてまた僕の事をもう一度担ぎ直し岩金亭の入口を潜った...。









できるだけ早く次回作を書きたいと思います!

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