表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
D-Drive  作者: Ирвэс
プロローグ
3/14

Act2:未知との遭遇、そして新世界へ

これにてプロローグは終了!次はいよいよ第1章です!

「うっ……」


レキが目を覚ました時、其処は洞窟では無く何処とも知れぬ暗い部屋の中だった。どうやら石造りの建物の中らしい。壁には窓も付いており、其処から空が広がっている為、地下でない事だけは確かである。


「此処は何処だ?俺は一体…って、動けない!?」


それと同時にレキは自身が椅子に拘束衣を着せられた上で、厳重に縛り付けられている事に気付く。


「ど、どう言う事だよこれ!?何でこんな…まさかあの時……!!」


化石を盗んだ窃盗団と思しき集団を追い、夢のお告げに有った森の奥の岩壁に掘られた謎の洞窟で盗まれた化石を見つけた時、不意に何者かに殴られて意識が途切れた事をレキは思い出す。

あの後、自分は犯人達に誘拐されて今此処に拘束されている――――それ以外、今の状況の説明が付かない。覚悟は決めた心算であの洞窟に入ったのは確かだが、それにしても盗まれた化石を取り返す心算が逆に誘拐されるとは何たる不覚であろう。“ミイラ取りがミイラになる”とはまさしくこの事である。


「糞ッ、冗談じゃねぇぞ!早く此処から抜け出さねぇと……!!」


戒めから逃れるべく必死になって身を捩じらせるも、当然ながら拘束衣は全く外れる様子が無い。

すると突然レキの耳に飛び込んで来たのは、大地を揺るがす程の大きな物音だった。まるで巨大な生き物が大地を踏みしめ歩く様な音が、断続的に耳へと響く。それと同時に、聞いた事も無い様な重低音が外から木霊する。まさか、外に何か得体の知れない生き物でもいると言うのだろうか?それ以前に此処は地元なのか?


「何だよこの音……?一体、何がどうなってんだ?」


外で一体何が起きているのか、全く訳の分からない状況の中、今度は不意にドアが開いて複数名の何者かが部屋に入って来た。それは化石を盗んだ窃盗団と思しき、ペストマスクの黒い集団だった。その数は総数5名。他に仲間がいる可能性は否定出来ないが、少数精鋭としては十分な数である。


「なッ、お前等は!?」


化石を盗んだ犯人達が思いがけず目の前に現れ、レキは一瞬呆気に取られるが、直ぐに気を取り直して怒りと共に言葉を迸らせる。


「てめぇ等……俺の化石を盗んで何処へやりやがった!?つーか何で盗んだんだよ!?答えろ!!」


犯人の5人組は数分間黙っていたが、直ぐに中央(センター)に立つ人物が口を開く。



「――――“俺の化石”だと?お前は何を言っている?別にお前の所有物と言う訳じゃ無いだろう?」

「はぁっ!?」


全く悪びれる事無くそう返す中央(センター)の人物。声からして女性らしいが、聞いていて何とも凛とした印象を受けるそれだった。


「ふッざッけんなアァァ~~~~ッ!!!分かってんだよ!!お前等が博物館から俺が発掘した化石盗み出した犯人だって事は!!!つーか質問を質問で返してんじゃねぇ!!!訊いた事にはちゃんと答えやがれ、この泥棒野郎共!!!」


だが、そんな事は今のレキにとってはどうだって良い事で、ヒートアップした怒りに任せて尚もがなり立てる。

一方、レキのリアクションを受けた当の5人組は顔を見合わせると、直ぐに「やれやれ」と言わんばかりに首を振って溜息すら吐く者もいた。


「泥棒なんて随分人聞きの悪い事言う奴だな。オイラ達は自分達の神様を取り返しただけだよ!」


すると今度はセンターの人物の直ぐ右隣の人物が口を開く。変声期を迎えた少年と思しき中性的な声質だった。


「人聞きの悪いって事実だろ!!つーかあの化石が神様ってどーゆー事だよ!?意味分かんねーよ!!」


すると今度は中央(センター)から見て直ぐ左隣に立つ人物が口を開く。


「落ち着きなよ。そんなにいきり立ってたら会話なんて成立しないだろ?先ずは落ち着いて深呼吸しなよ」


左隣の人物も、声を聞く限りはどうやら男性らしい。口調からして割とフランクな性格が感じ取れた。


「お、おう、そうだな………」


言われるままにレキが深呼吸をする中、左隣の人物は更に隣の左端に立つ人物に話し掛ける。


「コル、何でこんな奴連れて来たんだよ?って言うか、ホモ・サピエンスってこんな気性の荒い生き物なのかよ?」

「私も初めて知ったわよ。けど、まさかアウロラ様の保管場所に来るとは思わなかったわね…」


どうやら左端の人物は“コル”と言う名前らしい。ペストマスクと黒いローブで素顔は分からないが、声から判断して年頃の少女の様だ。

レキが心を落ち着けている間、ペストマスクの5人組はヒソヒソと言葉を交わし合う。


「どっちにしても僕達が竜聖剣(・・・)を探してる間、アウロラ様が奪われない様にコルが見張っててくれたから、大事にならずに済んだんだよ。でも、だからって連れて来るのは無いんじゃない?」


真っ先に口を開いたのは残る1番右端の人物だった。のんびりした口調だが、声は若い男性のそれである。これに対し、“コル”と呼ばれた人物は言う。


「これは……そうよ!あの世界の生命体の遺伝子集め(・・・・・・・・・)の一環よ!良いサンプルが手に入ったって思えば何も問題無いわ!」

「全く…お前の好奇心の旺盛ぶりには呆れるよ。任務そっちのけで向こうの世界をフラ付き回る始末だからな……」

「そうだぞ!アウロラ様(・・・・・)は見つかったけど、オイラ達には未だ竜聖剣を見つけるって言う大事な使命が……」

「おい!」


コルの弁解に、先程まで中央(センター)に立っていた人物とその直ぐ右隣に立っていた人物が突っ込みを入れる中、気持ちを落ち着けたレキが割って入る。

直ちに5人の視線がレキに集中するが、レキは動じる事無く言う。


「さっきは悪かったな。感情的になったりしてよ……。つーかお前、“コル”っつったか?もしかして、お前が俺を殴って此処へ連れて来たのか?」


するとコルは暫く黙っていたが、直ぐに素っ気無い調子で対応する。


「そうだけど、それがどうかした訳?って言うか、あんたが化石って呼んでるのってアウロラ様の事よね?“キョーリューハクブツカン”なんて言う大きい建物の中に保管されてたみたいだけど、別にあんたの持ち物って訳じゃ無いんでしょ?」

「あぁ、そうだ」

「じゃ何で“俺の化石”なんて、まるで自分の物みたいに主張するの?そもそもそれ以前に、あの洞窟に迷い込んだのって偶然じゃなくって、最初から分かってて入って来た訳?」


コルの問い掛けに対し、レキは先程とは打って変わって冷静に答える。


「事情は分からねぇが、お前等はあの化石をご神体呼ばわりしてるみたいだな。余っ程大事なモンに見える。けどな、あの化石は俺にとっても大事な物なんだよ!こんな事言ってもお前等には分かんねーだろうが、あれは2年前に俺が地元の山で発掘した化石で、俺の中じゃ鳥類の視点から恐竜を知りたいっつー俺の夢の原点になる大事なモンなんだよ!それを奪われた日にゃ思い入れの有る手前、警察じゃなくたって取り返そうって思うだろうが!だからお前等を追って来たんだよ!!」


本当は夢のお告げの事も有るのだが、得体の知れない相手に自分の情報を与え過ぎるのは得策ではないので、この場は伏せておく事にした。

レキの力強い回答に対し、5人組は数秒間沈黙するも、直ぐにコルが前に出て尋ねる。


「“私達を追って来た”ですって?じゃあ、アウロラ様を保管してた洞窟に来たのはやっぱり―――」

「そうだよ。お前等が横切った後に残った羽根の匂いを頼りに追っ掛けて来たんだよ!」

「オイラ達の羽根の匂いで追っ掛けて来るなんて、マジかよ?嗅覚ティラノ並みに鋭いじゃん!」


まさか匂いから自分達が尾行されていたとは……レキの嗅覚の強さに、一同は唖然となる。若干ハッタリも入っているが、思ったより効果が有った様だ。因みにティラノサウルスも嗅覚が異様に発達していた事が研究で分かっており、これによって夜中でも獲物を探す事が出来たそうだが、レキの鼻がそれ程の物と言うのは些か誇張が過ぎよう。

ともあれ、言葉を失う5人に対してレキは言葉を続ける。此処まで来ると、完全に自分が捕らわれの身である事を何時しか当人は忘れてしまっていた。


「それでなくてもだ!あの化石は、今までの恐竜研究の大きな前進に繋がる大発見かも知れないんだよ!そんな大事な物を盗むなんざ、俺に言わせりゃ冒涜も良いとこだ!!分かったらさっさと返せ!!」


するとリーダー格の女性が前に出て来て言う。


「我々の神を見つけてくれた事には感謝する。然しだ。たかが猿の直系のホモ・サピエンスが、自分達と関係の無い種の歴史を調べて何になる?」

「何ッ?って言うか猿!?」


リーダー格の女性から恐竜研究を根底から否定する様な言葉を投げ掛けられ、レキはカチンと来た。だが、そんな彼の心境など御構い無しに、今度はフランクな口調が特徴の人物が続け様に言葉を発する。


「君が見つけたのはただの化石じゃない。俺達の偉大なる祖先にして、母の竜其の物なんだよ。そしてその御身と力は、我等オルニス族(・・・・・)が持つにこそ相応しいんだ!悪いが返す訳には行かないな」

(は?オルニス族?こいつ何言ってんだ?)


先程から黒ずくめのペストマスク達が発する言葉に、レキは違和感を感じ取っていた。

自分が見つけた化石を“アウロラ様”と呼んで神聖視している点も然る事ながら、自らを差して「ホモ・サピエンス」と回りくどい呼び方をしている点。そして何より先程出た、“オルニス族”なる聞き慣れない単語――――。

話を聞いている限り、まるで「自分達が人間ではない」と遠回しに言っている様な物言いだった。


意を決してレキは5人組に尋ねる。


「さっきから訳分かんねー事言っちゃいるが、お前等一体何なんだ!?オルニス族って何だよ!?まるで自分が人間じゃないみたいな言い方してるじゃねーか!」


レキがそう指摘すると、リーダー格の女性は「フゥ…」と溜息を吐いて言う。



「先程からお前が口にしている、“人間”なる単語の定義がお前の種族であるホモ・サピエンスを差すのなら、我々は確かに“人間”では無いな――――」



そう言うなり5人は、不意に身に纏っていた黒いローブを脱ぎ捨て、顔に着けていたペストマスクを外す。

露になった5人の姿に、レキはこれまでの人生で味わった事の無い未曽有のレヴェルの驚愕を禁じ得なかった。



「あ…あぁっ………マジ…かよ………お前等、その姿は…………鳥人間!!?」



レキの視界に飛び込んで来た5人の頭部は何と人間ではなく、ニワトリやカラスと言った鳥類のそれ!然も両腕にも羽根と思しき物まで付いており、尻からも同じ様に尾羽が出ている。そう、5人の正体は創作物に度々登場する鳥人其の物だったのだ!!

先程中央(センター)に立っていたリーダー格の女性はタカ、一人称が「オイラ」の人物はニワトリ、フランクな口調の男はキジ、のんびり口調の人物はドードー鳥、最後にコルと呼ばれた少女はカラスの鳥人であった。

余りに現実離れした目の前の光景に絶句するレキに対し、コルが近くに歩み出る。


「ひっ…!く、来るな…!!」


人智を超えた化け物の前に怯えるレキだったが、拘束衣を着せられて椅子に繋ぎ留められてはどうにもならない。先程までなりふり構わず啖呵を切っていたが、それは相手が同じ人間である手前、気迫で迫れば何とかなると言う思い込みからだった。だが、目の前の相手は明らかに人間ではない化け物其の物。人間など比べ物にならない身体能力を持っているのは容易に想像出来る。此処に来てレキは自分が捕らわれの身である事を思い出し、一切の身動きが取れぬまま一方的に惨殺される恐怖に直面する事となってしまった。

このまま何も出来ずに殺される……そう思ったレキに出来る事は、もう目を瞑って覚悟を決める事だけである。


「動かないで……」


だが、次の瞬間コルが取った行動は、右手の爪でレキを縛る拘束衣を切り裂き、彼を戒めから解き放つと言う意外な物であった。


「あ、有り難うよ……」


拘束衣から解放され、自由の身になると同時に立ち上がると、レキは一先ずコルに礼を言う。すると相手は答える。


「お礼を言う位ならもう1つ、最後の質問に答えて頂戴。これが1番大事だから」

「あ、あぁ……一体何だよ?」


最後の質問?何が知りたいと言うのだろう?そう思いながらレキが質問を許可する旨の返事を発した時だった。


「ギュイィィィィィィィィィッッ!!!」


不意に外から甲高い生き物の鳴き声が天井の方から響き渡る。


「!?」


先程の巨獣の足音と鳴き声らしき音に続き、再び響き渡る聞き慣れない物音。身体も自由の身となったし、本当に冗談抜きで自分は何処に監禁されているのか、いよいよ知らねばならない時が来た様だ。


「悪い!質問答えんのは後にするわ!さっきから此処が何処か気になってたんだよ!」

「あっ、コラ!待ちなさい!」


弾かれた様にレキが外へ飛び出すと、其処には信じ難い光景が目の前に広がっていた。


「え………?な、何だよ…此処?」


視界に飛び込んで来た光景は、最早見慣れた福井県勝山市の原風景などでは無く、まるで三畳紀ともジュラ紀とも付かぬ原生林が周囲に広がる景色だった。足元には所々に初めて見る花が咲き乱れ、同じ様に見た事も無い果実を付ける樹木が随所に生えている。

遮二無二駆け出して更に開けた場所に出ると、空にはプテラノドンやケツァルコアトルスの様な翼竜(・・)、草原にはブラキオサウルスの様な竜脚類(・・・)やトリケラトプス、パキケファロサウルスと言った鳥盤類(・・・)の恐竜と思しき謎の生物達が我が物顔で君臨しているではないか!少し離れた場所には海らしき物まで存在しており、海中からモササウルスらしき海棲爬虫類(・・・・・)が飛び出しては海上を飛ぶ翼竜を襲っていた。


「えっ……えぇぇ―――――ッ!?おいおい、嘘だろ!?絶滅した筈の恐竜まで居るのかよ!?」


信じられないが、此処は漫画やラノベ、そしてそれ等を原作としたアニメで嫌と言う程見て来た異世界なのではないか?それとも大昔の地球へタイムスリップしたのだろうか?レキの脳裏をその可能性が過る。

どちらせよ、自分の知ってる世界とは全く別の世界に迷い込んだと言う事に関しては疑いの余地が無い。

すると突然、何者かに腕を掴まれる感触をレキは覚えた。


「なッ、何だよ?」


振り返ると相手はコルだ。表情は余り変わっていない物の、質問に答えるのを反故にして勝手に飛び出したからか、腕を強く握られる感触と併せて怒っているのは火を見るより明らかだ。然も彼女の後ろには残る4人の鳥人達も随伴している。


「馬鹿!話聞かないで勝手に飛び出してんじゃないわよ!!魔獣(・・)に襲われたら戦えんの、あんた!?」

「うっ、御免!!マジ超御免!!」


コルの一喝に思わず委縮するレキ。また何気無く飛び出した“魔獣”と言うワードは気掛かりだが、あんな巨大な生き物が闊歩する様な場所は土地勘が無い事もあって1人で歩くのは確かに危険である。


(つーか何だ、こいつから感じるこの違和感……?)


委縮する一方でコルから妙な違和感を覚えるレキだったが、そんな事は今はどうだって良い。

化石の事も無論大事だが、今はこの5人に取り入る以外に無事に家に帰る道は無いのだ。不本意ではある物の、先ずは目の前の鳥人達に身の安全を保障して貰おう。そう考えたレキはコルに懇願の言葉を投げ掛ける。


「もうさっきから何が何だか訳分かんないけど、此処がとんでもないとこだってのは良~~~~く分かったよ!俺だってまだ死にたくないし、叶えたい夢だって有るんだ!さっきも言ったと思うけど、今までの態度は謝るし、化石の事も後回しで良いからさ、取り敢えず俺を無事に帰してくれ!頼む!この通りだ!!」


そう言って土下座までするレキの姿に、コル達は唖然となるばかりだった。最初は自分達を果敢にも追い、捕まっても臆さずに化石泥棒と罵っていた癖に、自分が危ない場所に立たされたと分かるや否や、これまでの全てが嘘と言わんばかりの掌の返しぶり。事情と状況の変化に対応したと言えば聞こえは良いが、それにしても釈然としない。ホモ・サピエンスとはこんな虫の良い、手前勝手な生き物なのだろうか?

だが、今此処でそれを詰っても仕方が無い。取り敢えず身の安全を確約して体良く送り返そう。そう考え、コルは口を開く。


「…取り敢えず、あんたの事はネオプテリクス(・・・・・・)へ連れてく事にするわ。私からの質問はその途中にでも答えて頂戴」

「あ…あぁ、分かったよ!」


レキとしても、どうにか無事にこの場は切り抜けられそうだと分かり、思わず安堵の息を漏らす。ネオプテリクスと言うと、文脈からして彼等の街と思われるが此処は日本じゃないと言うのか?

だが、それを尋ねる前に先ずやるべき事が有る。取り敢えずお互いに名前を知る事、つまり自己紹介だ。


「そう言えば未だ名乗ってなかったな。俺の名は竹内歴!レキで良いぜ。お前は確かコルで、他の4人の名前は?」


話が決まった途端、自分の名を明かすレキの姿を見て、コル達は少しだけ認識を改めた。事情が変われば掌を返す虫の良い言動は兎も角、こうして自分から名を名乗る姿勢は殊勝で評価に値する。

その姿に敬意を表さなければ、自分達はホモ・サピエンス以下の精神性の持ち主と言う事になる。そう考えたコル以外の4人は、改めて名を名乗る事にした。


「私の名は『アドリア』だ」


先ずリーダー格のタカの鳥人がアドリアと名乗り、次はニワトリ。


「オイラの名前は『レグラン』!宜しく」


そしてキジと続いてドードー鳥だ。


「『フェサ』だ。宜しく」

「『ラクク』だよ~。宜しくレキ」


一先ず相手が何者なのかは一通りこれで分かった。


「アドリア、レグラン、フェサ、ラクク、そしてコル……か。良し、覚えた!」


最後に知るべき事はただ1つ。本題とも言うべき最優先事項のそれはズバリ、此処が何処かと言う事である。


「俺からの質問は次で最後だ。此処は何処なんだ?見た所日本じゃなさそうだが……」


その質問に答えたのはコルだった。


「日本?違うわよ。此処はそもそもあんたの居た世界じゃないわ」


コルの言葉を受け、疑念は漸く確信に変わった。やはり此処は異世界と言う事なのか?


「何!?日本処か、地球ですらないってのかよ!?って事は此処はやっぱ異世界って事か!?」


するとコルの答えはこうだった。



「そう、此処はあんたの住んでる地球とは違う世界。この世界の名は『惑星アウロラ』よ!」

「わ、惑星アウロラ!?」



自分が発掘した化石の事をコル達は“アウロラ様”と呼んでいたが、この世界の名前も同じ『アウロラ』と言うのか?

そもそもレキが発掘した化石の正体は何なのか?何故彼等はそれを盗み出したのか?


未だに分からない事だらけだが、この未知に満ち溢れた異世界にて、レキの鳥と竜を巡る物語が今、幕を開けようとしていた―――――。


これにて序章(プロローグ)は終了!キャラクターファイルは後数話したら出しますので、それまでお待ち下さいませ。それでは次は第1章でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ