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6話

「爆発してる…」

 彼女が「まっててすぐ戻る」という言葉を信じすでに一時間立っていた。

 窓の外ではサイレンがひっきりなしに鳴っている。

 僕は急激な尿意を感じトイレに駆け込んだが、そこにはいわゆるロリコンが暴走したようなポルノ動画が2次元3次元問わず所狭しと立体で映し出される。

 ロリコンは僕が生まれたときから刑罰の対象であったのに、この時代まで生き残るとは。

 とっくに絶滅してたと思ってた。


 違うそうじゃない。こんな所では用が足せないじゃないか。故おっさんの性処理部屋で用を足すとかどんなプレイですか?

 本当に目のやり場に困る。

500年間変わってない小便器の前で僕は幼女の喘ぎ声を聞きながら用を足す。

 おっさんマジコロス。

 もう死んでたんだった。


 どんどんサイコパス化してくる自分に副作用のせいだと言い聞かせて彼女の帰りを渋々待つ。


 一方おっさんを狙撃した男がいる取調室。


 俺は誠実そうな男に話しかけられる。

「君、どこの国の戸籍も無いけど身分証明するものある?」

 最近は国際化に伴って、よその国の国籍まで大使館通さず確認できる。


「やだなー刑事さん、僕が持ってると思います?」

「あーはいはいじゃあ君、自分でハッキングしてデータ消したの? 普通ナンバーまでは消せないよ? どこに頼んだ?」

 澄ました顔で刑事は話しかける。この国ではハッキングはとても重罪だ。おそロシア。


「いやーファッキングはしたことあるんですけどねー」

 拳を作って人差し指と中指の間に親指を通す。

「お前が非童貞だとしても別にそれは関係ないから」

 淡々とマジレスしやがって。なんか俺がすべってる気分になるだろ。(すべってる。)


「そういえば刑事さんあの女って誰ですか? サイボーグ?」

 …賞金首サイトにも不明と書かれていたあの謎の女。軍事訓練でも受けてんのかってくらいボコボコにされたし。正確には手加減してやったのだが。


「それが知りたければお前の情報をおしえてくれよ…」

 刑事は呆れた顔で両掌を顔ぐらいまで上げて今にも「Uh-huh(アーハン)」とか言いそうだ。全くどこのコメディドラマだよ。


「んーまあ教えてやらんことも無いけどあんたらが知ってていい情報じゃないとおもうよ。そうたとえば政府の陰謀的な。都市伝説的な。モー怖いー一人でトイレ行けないよー助けてママーみたいな」

「わかったからまあ話せよ」

 さすが大人の対応。

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