魔法
やっぱり短い……
装備を整えた俺とセシルは、依頼を達成すべく、迷宮に向かうことにした。迷宮に向かっている途中、俺は、気になっていた魔法についてセシルに聞いてみた。
「なぁ、セシル。セシルって魔法使えるんだよな？」
「はい、少しですけど」
「てか、魔法ってなんなんだ？」
俺がそう言うと、セシルは、魔法について説明しだした。
「魔法とは、体を流れている魔力を集中させ、不可思議な現象を発生させることです。魔法を使うためには、魔力を集中させるだけでなく、具体的にどういった魔法を使いたいかイメージすることが重要です。普通は、イメージをしやすくするために詠唱をしますね。たまに、詠唱なしで魔法を使う人をいますけど…」
「うーん……よくわからないが、つまり魔力を集中させてから、使いたい魔法をイメージすればいいと？」
「はい、だいたいそんな感じです」
（せっかくだし、魔法使ってみたいよな……戦いの中でも役に立ちそうだし）
「お手本に魔法を見せてくれないか？」
「いいですよ。と言っても、本当に初歩の魔法しか使えませんが…」
「ああ、かまわない」
「じゃあ、いきます！」
そう言って、セシルは、右手を前に出した。すると、手の前に光のようなものが集まり始める。野球ボールくらい集まったところで、セシルが口を開いた。
「アクアボール！」
セシルが叫ぶと、光が集まっていたところから、水のボールが勢いよく飛び出し、離れたところにある木にぶつかって、飛散した。
（す、すげ〜、まさしくファンタジーだな）
「ふぅ〜、まぁ、こんな感じです。熟練者なら、この程度の魔法の発動は、一瞬ですね」
「すごいな。見せてくれて、ありがとう」
「そ、そうですか？えへへ…」
「今ので、どのくらい魔力を使うんだ？」
「初級魔法ですので、10くらいです」
「10か……少ないな……」
セシル曰く、魔法の種類は、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、光魔法、闇魔法の6種類があるらしい。ちなみに
火魔法・・・攻撃特化
水魔法・・・攻撃と防御のどちらも可能
風魔法・・・補助系の魔法
土魔法・・・防御特化
光魔法・・・回復系の魔法
闇魔法・・・幻術や精神攻撃
となっているらしい。
あと、魔法には、初級魔法、中級魔法、上級魔法、最上級魔法、極大級魔法というようなレベル分けがされているそうだ。
「セシルが使える魔法の種類ってなんだ？」
「私が使えるのは、先ほど見せた水魔法、木魔法、光魔法の3種類です。どの種類も初級魔法までしか使えませんが…」
「なるほどな……詠唱なんかしたら自分が使う魔法、相手に丸分かりじゃないか？」
「それは、そうなんですけど、詠唱しないと魔法のイメージが簡単に出来ないんですよ」
「そうなのか……よし！いっちょ、やってみるか」
そう言って、俺は、魔力の流れを感じ、右手に集中させる。すると、光が集まってくる。俺は、詠唱を口に出さずに、頭の中で詠唱した。
（アクアボール！）
水のボールをイメージしながら、詠唱すると、先ほどのセシルの魔法よりも3倍程大きな水のボールがすごい速さで木にぶつかった。すると、ぶつかった木が根元から倒れてしまった。
「「え？」」
見事に俺とセシルの声が重なった。
「い、今の私と同じアクアボールですよね？私のよりも威力も速さも段違いなんですけど………。しかも、無詠唱だし………」
「いやー、頭の中で詠唱したら、あんなのになったわー………あはは……」
セシルの呆れた目で見られながら、俺は、そう答えた。
「頭の中で詠唱って………普通、そんなこと考えつきませんよ……つくづく、規格外ですね……」
「い、いや、でも魔力がけっこう減ってるぞ」
俺は、そう言って、ギルドカードに魔力を流し、セシルに見せた。
名前：レイ
レベル24
HP：1850/1850
魔力：3070/3120
攻撃力：1290
防御力：960
素早さ：2270
幸運：61
本来なら、10しか減らないはずの魔力が50も減っていた。
「ほらな、5倍も減ってるぞ」
「確かにそうですけど、50程度の魔力であそこまでの魔法を使える人なんてレイさん以外いませんよ？」
「え！？そ、そうなのか？」
「はい、そうです。だから、少しは自重してくださいね？」
「は、はいっ！……」
笑顔のはずなのに、とても迫力のある声で怒られ、声が裏返ってしまった。
その後も練習を重ね、火魔法、土魔法、光魔法、水魔法の初級魔法まで使えるようになった。
魔法の練習の度にセシルに呆れられたということは、言うまでもない。
各キャラクターステータス紹介
名前：レイ
レベル24
HP：1850/1850
魔力：3120/3120
攻撃力：1290
防御力：960
素早さ：2270
幸運：61
『スキル』
【剣術Lv74】
【魔法適正】
【アイテム生成】
名前：セシル
レベル16
HP：540/540
魔力：1050/1050
攻撃力：480
防御力：370
素早さ：410
幸運：109
『スキル』
【魔法適正】
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