異世界転移
初めての投稿です。暖かく見守っていただけると幸いです。
高校2年生の俺は、その日の父親の剣術の稽古が終わりお風呂に入っていた。
「あぁー疲れたー ったく、あのクソ親父厳しすぎるっつーの!」
疲れていたせいか俺は、湯船に浸かったまま意識を手放した。
しばらくして、俺___レイは、湖が近くにある森の中で目が覚めた。
「ここはどこだ?地球じゃないのか?」
さっきまで風呂に入っていた自分がなぜこんな所にいるのかわからない俺は、湖にうつる自分の状態を確認してみた。身長170cmくらいの黒髪に碧眼で、質素な服を着ている。そして、なぜか腰に水色のような青白い長剣を下げていた。
「キレイな剣だ.....」
俺は、剣を抜き、青白い刀身を指でなぞった。向こうの世界で剣術の心得があったレイは、少し気分が上がった。
「しかし、ここが地球じゃないとして、これからどうするかな~、ここにどどまるか、森を抜けるために歩くか」
ここにいても、どうしようもないと思った俺は、森を抜けるために歩き始めることにした。
歩き始めてしばらくたったとき、この世界で初めての生物と出会った。
「へぇ~、この世界には、ゴブリンがいるのか~」
レイの半分くらいの身長、緑色の皮膚に尖った耳、こちらをにらむ黄色い目、まさしくゴブリンだった。向こうの世界の漫画やゲームをしていた俺は、その見た目だけでゴブリンだとわかった。
「この剣も使ってみたいし、向こうはやる気満々だし、やるしかないか」
俺は剣を構え、一気に加速し、ゴブリンとの距離を詰める。ゴブリンが振り下ろた棍棒をよけ、手を切断する。武器が無くなり、逃げようとしたゴブリンの頭を切り飛ばした。
「ふぅ~、やっぱりゴブリンは、あまり強くないな」
俺は、剣についたゴブリンの血を払いながら言った。そしてまた、森の出口を目指して歩き始めた。時折、出くわすゴブリンや狼などを討伐しながら、進んでいた時、
「きゃぁぁぁ~~~~~~!」
女性の悲鳴が聞こえた。悲鳴が聞こえたところに行ってみると、俺と同じぐらいの年の娘が腰が抜けたのかへなへなと座り込み、3匹のゴブリンに囲まれていた。俺は、迷わず飛び出し、ゴブリンたちを斬り殺した。
「大丈夫か?」
そう言い、俺は少女に手を差し伸べた。
「あ、あの助けていただいてありがとうございます!お強いんですね」
「それほどでも。君は?」
「は、はい私はセシルといいます。あなたは?」
セシルの髪は、目と同じ色の透き通るような蒼い色で、腰の高さまであり、キュッと引き締まった体をしている。
「俺はレイだ」
「レイさん....私のことは、セシルと呼んでください。ところで、レイさんはなぜこの森に?」
俺は、少し迷ったあと正直に答えた。
「目が覚めたら、この森に居てな、今は森の出口を目指している最中なんだ」
すると、セシルは目を輝かせながら言った。
「なら、私に街を案内させて下さい!助けてもらったお礼がしたいです!」
「いいのか?こんなよくわからない奴を家に招いて?明らかに怪しいだろ?」
俺は、疑問に思ったことを聞いた。しかし、セシルは呆れたように言った。
「それを自分でいいますか.....事情がどうであれ私を助けてくれたんです。お礼をするのが当たり前です!」
結局俺は、セシルに気圧され、彼女の家に行くことになった。
セシルに案内され森を出ると、町が広がっていた。
「この町は、サーレ王国のトリビアの街って言うんです」
「へえ~、どんなところなんだ?」
「う~ん...強いて言えば自分のスキルと魔力量を知ることができる場所があるところですかね~」
「スキル?たとえば?」
「そうですね、私の場合は【魔法適正】です」
セシルの話によると、スキルは誰でも一つは、もっており、稀に複数もっているらしい。セシルの【魔法適正】は、一般的なものだそうだ。
「じゃあ、セシルは魔法が使えるのか~」
「ええ、と言ってもほんの少しですけど……」
「え?どういうこと?」
「実は、最近自分のスキルを知って、練習している最中なんです。」
なんでも、魔法適正とかいうように適正とつくようなスキルは、練習しないと使えないらしい。それと魔法は、魔力がないと使えないらしい。
「あ、レイさんも自分のスキルを見てみたらどうですか?」
「それはいいな。どこで見ることができるんだ?」
「それを案内するために私がいるんです。まかせてください!」
「...不安だ....」
俺は、セシルに聞こえないように呟いた。
セシルに案内され、町の中心にある石板の前に来ていた。石板に手をかざすと石板にスキルと魔力量がわかるらしい。
「この石版は、なにで出来ているんだ?」
「魔力が結晶化した《魔晶石》といわれるものです。さぁ、レイさん石板に手をかざしてみてください」
「あぁ...」
そう言って俺は、石板に手をかざした。
すると、うっすらと文字が石版に浮かび上がってきた。俺の目の前には3つのスキル名と魔力量が浮かび上がっていた。
「...【剣術Lv73】【魔法適正】【アイテム生成】魔力1000...」
「レイさん、どうでし...た...か..な、何ですか、これ!?スキル3つ!?魔力1000!?」
「なんだ?そこまで驚くほどのものなのか?」
俺は、セシルの驚きように逆にビックリしてしまった。
「驚くって程度のものじゃないですよ!2つ持ちならまだしも、3つ持ちって...それに【剣術Lv73】って化け物じゃないですか!」
セシル曰く、レベルが存在するスキルは達人といわれる人でもLv50ぐらいが限界らしい。それにスキルを2つ持っている人は、たまにいるが、3つ持っている人は、滅多にいないということだった。それとこの世界の魔力は500ぐらいが一般的だそうだ。
「ふ~ん、そういえば、この【アイテム生成】ってなんだ?」
「そういえば...他の印象が強すぎて忘れてました。レイさん、そのスキルのところに触れてみてください」
セシルに言われ通り【アイテム生成】と書かれているところに触れる。すると、そのスキルの下に説明文が浮かび上がった。
【アイテム生成】
魔力を使用して自分のイメージするアイテムを生成することができる。(生成するアイテムによって消費する魔力が変わる)
「つまり好きなアイテムを作れるってことか。どうなんだ?」
そう言い、セシルの方をみると口をあんぐりと開けていた。
「おーいセシルー...セシルさーん」
「はっ!す、すいません、このスキルも規格外だったので、呆れてました」
「へえ~、そんなにすごいのか」
「すごいってもんじゃないですよ!制限があるとはいえ、これじゃ何でもできるじゃないですか!」
珍しくセシルが鼻息を荒くしながら言った。
「このことをこの国や隣国が知ったら、自分の国にレイさんを取り込もうとしますよ!」
「ふーん、具体的には、どのくらいの戦力なんだ?」
「だいたい1人で国を滅ぼせるくらいですかね」
「く、国!?そんなにか?」
「そんなにです。いいですか、このことは他言してはいけないですよ」
「わかったよ....」
「....それにレイさんとの私の秘密にしたいですし......」
後ろでセシルがぶつぶつ呟いていたが聞こえなかった。
「他にはどんな所があるんだ?」
「冒険者ギルドとかどうでしょう?レイさんお強いですし、似合ってると思いますよ」
「冒険者?」
「ギルドの掲示板に貼ってある依頼をこなして報酬を貰うことを生業としている人たちですね。採取系から魔物討伐系まで色々な依頼があります」
冒険者には、ランクがあり、ランクに応じた依頼を受けることができるらしい。ちなみにランクは、SランクからFランクまでの7種類ある。
「なるほどな。セシルは、冒険者なのか?」
「はい! といっても昨日登録したばかりですけど.....」
冒険者か. . . .いつまでも無一文でいるわけにもいかないし、やってみるか
「セシル、俺を冒険者ギルドまで案内してくれ」
「は、はい!わかりました!」
なぜかセシルが嬉しそうにしていた。
しばらくすると、二本の剣がクロスしているエンブレムがある建物の前に着いた。
「ここが冒険者ギルドです」
中に入ってみると、掲示板で依頼を見ているもの、ギルドの中にある酒場で酒を飲んでいるものなど様々な人がいた。
そして俺は、冒険者の登録をするべく受付に向かった。
「すまない、冒険者登録をしたいのだが」
「登録希望の人ですね。登録料として銀貨2枚を頂くことになりますがよろしいでしょうか?」
なに!?無一文だというのに.....と思っていたら、セシルが助け船を出してくれた。
「レイさん、ここは私が出しますよ」
と言って、受付の人に銀貨を2枚渡した。
「はい、確かに受け取りました」
「悪いな、今度返す」
「いえ、構いませんよ。これくらい」
「では、このカードに魔力を込めてください」
俺は、受付の人からカードを受け取り、魔力を込めた。
すると、カードが光り、文字が浮かび上がってきた。
名前:レイ
レベル1
HP:700/700
魔力:1000/1000
攻撃力:600
防御力:500
素早さ:900
幸運:50
『スキル』
【剣術Lv73】
【魔法適正】
【アイテム生成】
「へぇ〜、便利なカードだな」
「レイさんは、Fランクからですので、Eランクまでの依頼を受けることができます」
自分のランクの一つ上まで受けることが出来るらしい。
宿屋に泊まる為にもお金を稼がないといけないと思った俺は、討伐系の依頼を受けることにした。
「セシル、俺討伐系の依頼を受けようと思うんだが良ければ一緒にやらないか?」
「え?いいんですか?多分私では、レイさんの足手まといになると思いますよ?」
「いや、いいんだ、俺この辺りのことよく知らないからセシルに案内してほしくって……えっと、ダメかな?」
「い、いやダメじゃないです!私で良ければ喜んでお手伝いさせていただきます!」
後ろを向いてセシルがガッツポーズしていたがあまり気にならなかった。
戦闘シーン書くの難しい……
展開はやいです。すいません。