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〜第七話〜いまどき流行りの便利屋

どうも、辰太郎です。

この作品をブックマークに入れてくれるような心優しい方が居ましたので続きを書く事に決めました。


どうぞ、頻繁に更新はするので、みなさんよろしくお願いします。

あれから三人で大浴場に行き、お風呂上りホカホカの状態で俺達はセレスお店に向かう。


普通はお風呂上りの女の子を見ればドキドキしたりしそうなもんだが、コイツらに限っては中身が残念すぎるせいでそれも無かった。


気持ち良さそうに伸びをしながら頬を上気させるケルベロスがふと、思い出したようにセレスに向き直った。


「ねぇセレス、貴方がやってる便利屋って基本的にどんな事をする仕事なの?」


「そうですね、基本的に来た依頼は全てやります。 例えば前にあった依頼内容は中身を絶対見ちゃいけない箱を運ばされたり、やたらうねうね動く謎の袋を海に捨てさせられたりとかですかね」


「怪しすぎるだろ!! 多分それ密売と死体遺棄じゃないのか!?」


「……へ? あ、いやいやそんな事は……」


思い当たる節があるのか、セレスは視線を斜め上に向けて冷や汗を垂らすと、誤魔化すように手を振った。


「ででで、でもやっぱり一番多いい依頼はモンスターの討伐ですね!! …………まぁ、多いって言っても仕事なんて全然来ないんですが、はは」


「自分で自分の地雷踏んで落ち込むなよ……」


「そういえばセレスって剣を鞘から抜くと吐血するのよね? それならモンスターの討伐依頼はどうやってこなしてたの?」


半眼を作る俺の横でケルベロスが問う。

その質問にセレスは益々といった感じで肩を落とし、俯いて答える。


「あー、モンスターの討伐系依頼はその所為でほとんど失敗しました。 それで悪い噂を流されて客足がパタリと止んじゃったんです」


やばい、セレスさんが二回連続地雷に耐えきれずに病んじゃっていますね。

俺は視線で「なんでそんな質問をしたんだ」の意味を込めてケルベロスに訴える。


彼女も俺の視線に気が付き「私の所為なの?」と自らを指差す。 それに頷くと、ケルベロスは少し焦ったようにセレスに向き直る。


「あはは、その……あっ!! そういえばあの騎士が言ってた白竜の討伐をした事あるんでしょ!? それなら依頼も完遂した事あるじゃない!!」


「あぁ、それは忘れていましたね。白竜の討伐依頼なんですが、あの時はまだ私も幼く、こだわりもなかったのでロングアックスで戦ったんですよ。 今じゃあんな木こり道具絶対使いませんけどね」


「お前が剣以外の武器使えば問題は全て解決するんだよ!! ほら、その刀俺によこせ、そしてお前はロングアックスを使え!!」


「ちょっ、いや、刀を引っ張らないでください!! これは私の命なんです!! 白竜討伐依頼で儲けたお金をほとんど費やして購入と強化をしたんですよ!!」


「知るかそんかもん!! 使えない武器ぶら下げて一体何の意味があるんだよ!! お前は白竜ってモンスターを倒す程の腕前なんだろ!? なら他の武器を使えよ!!」


「嫌です!! 私は刀を愛しています、刀以外は何があっても使いません!! 」


コイツ、頑固すぎる………

確かにセレスが身につけている装備は完全にこの刀に似合うような色合いになっているし、一瞬見た彼女の抜刀姿は様になっていた。

………だが!!

そんなのはただのお飾りでしかなく、それの所為でむしろ弱くなっているのなら方向性を変えるべきだ。


しかしケルベロスは俺の意見とは真逆のようで、セレスの刀を引っ張る俺の手を力一杯叩いた。


「やめなさいよ、一つの武器を愛する人の心を汚すなんて私は許さないわ!!」


「ベロス………ありがとうございます」


「ねぇ、お願いだからベロスはやめて?」


そういえば忘れていた。

この馬鹿もセレスと同じく使えない武器をどこまでも愛する完全なアホの子だった。


「……はぁ、ったく、分かったよ、好きにしろ」


「大丈夫!! 元からそのつもりです!!」


「ねぇ、聞いてる? セレス? ベロスは私嫌だなぁ」


セレスはしつこく自らの呼び名の改変を求めるケルベロスを無視して足を止めると、振り返った。


「着きましたよ、此処が私のお店です」


「おぉ、意外と普通だな。 もっとボロいのを想像してた」


「裕也って失礼ですよね……」


「ねぇ、だから私の呼び名………」


いかにも異世界といった木造の建物で、そんなに新しい訳でもなく古い訳でもないのだが、普通にそこら辺にあるお店と変わらない佇まいだった。


見た感じでは二階建てで一階がお店、二階が倉庫とかそんな感じになっているのだろう。


中が気になった俺は入り口の扉に手をかける、するとセレスが焦ったように。


「あ、そんな勢いよくあけたら……」


「オブゥッ!!!???」


中から大量のゴミが出てきて俺を埋めた。

おいおい嘘だろ………

自分の上に乗っかるゴミの全てを見て俺は発狂する。


「ぬぉああぁぁぁ!!! 何だこれ!?!?」


「ゴミです」


「分かっとるわいそんなの!! そうじゃなくて何故こんな状態になっているのかと聞いている!!」


「あの、そんな事より私の呼び名……」


「じゃかあしいっっ!!! 黙れ犬!!」


「…………」


いい加減にしつこいケルベロスを一蹴してセレスに視線を向ける。


彼女はモジモジと言いにくそうに頬を染めながら


「いつの間にかなっていました………テヘッ」


「テヘじゃねぇよぶっ殺すぞ!! どうりで客が来ない訳だよ、こんな所立ち寄る事もしたくないわ!! それで此処を宿代わりにしろとかどの口が言ったんだよ!!」


「裕也……落ち着いて下さい、とても怖いです」


「落ち着けるかぁ!!! とにかく片付けるぞ、今直ぐに!!」


「…………はい」


力無く頷くセレスと何やら一人でぶつくさ呟いているケルベロスを背に俺は大掃除を始めた。




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