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第1話 いまどき流行りの足洗い石鹸

どもみなさん。

突然だけど「貴方にとって死とはなんですか?」なんて漠然とした事を問われたらみなさんならどう答えます?


答えはそれぞれにあるよね?

けれど大体の人が統一性を持って答える内容は同じだと思う。

そう、生きている者の命が途絶えたその瞬間からが死だと思っている人が多いい筈だ。


そしてその定義で考えるなら恐らく俺は、佐久間裕也は死んでしまったんだと思う。


どうやって死んだかって?

いや、まぁそんな他愛もない事は置いておいて。


何故俺が先程皆さんにあんなアホみたいな事を聞いたかというと………俺は今、そんな常識的概念がねじ曲がってしまうような、そんな体験をしていた。

自分が死んだ理由を他愛もないと一蹴できるくらいに。



「さて、死者よ、これからどうするか君に選択権を預けよう」


やたらガチムチの神様らしきイケメンが突然に問うてくる。さっきから何故か鏡を見ながらポーズを決めているが、恐らく性癖かなにかだろう。


「いや、どうしろって言われましても。 だって俺死んだんすよね?」


「あぁ、紛れもなくお前は死んだ。 だからこの美しき神、ゼウスの元へやってきたのだ」


「はぁ………」


なにこの人、自分で自分の事を美しいとか言っちゃう痛い人なのか?


それに、これってあれだろ?

死者を天国に送るか地獄に送るかとかそういう系の所だろ?なら何故こんなナルシストバカがいるんだよ。


女神よこせ女神!!


「佐久間裕也。 お前はドブ川に落ちた一万円札を拾う為に誤って転落、首の骨を折って命を失った。 これで間違いはないか?」


「言っちゃったよ!! さっき俺驚いている事を理由にして死因を説明しなかったよね!? はぁあ、ホントデリカシーの欠片もないよ、どうしてくれんの? 俺今すっごく恥ずかしいんだけど?」


「誰に物を言っている。 口を慎め」


「はい、すいません」


「分かればいいんだ」


ゼウスは機嫌を直して再び鏡に向き直る。

ってか人と話してるんだからこっち見ろよ、向き直る方向違うだろ!!


「それで先程も言ったがお前には選択肢を二つ与えよう」


「選択肢ですか?」


「あぁ、まず一つ、地獄に落ちる。 二つ、砕け散る」


「分かった、アンタ俺の事が嫌いなんだろ、そうなんだろ!?」


「ふっ、冗談だ」


なんですかねそのスカし顔、怒りのあまりぶん殴りたくなるのでやめてもらえますかね?


「まぁ、それでも前者は同じだ。 一つ目は地獄に落ちる、二つ目はお前からして異世界に飛ばされるかのどっちかだ。 さぁ、どっちがいい、選べ」


おいおい、死んでから異世界に飛ぶとか最近のテンプレートすぎんだろ!!


もう小説とかアニメで見飽きましたよこういうの!!

どうせそれから勇者になって魔王倒してはい、ハッピーエンドだろ!?


心の中で絶叫していると、ゼウスが鏡を見ながらやれやれといった感じで口を開く。


「迷っているのか? それならば仕方ない。 突然異世界に飛ばされるのは不安だろうからな、なんでも好きなものを一つ持っていくがいい」


「はぁ………」


しかし異世界か。

想像で言うなら剣とか魔法とかハーレムとかそんな感じだよな?


それに好きなものを持っていける…………悪くない話ではある。


俺はゲームやアニメが嫌いな訳じゃない、どちらかといえば好きの部類に属すると思う。


過去にそういったものに憧れた事もあった。

しかしながらプレイするのと体験するのとは全くの別物だろう。


それくらいの分別が付く程に俺も大人の階段を登っているのだ。



つまり端的に言うと、



「なんかめんどくさそうなんで地獄でいいです」


「そうだろそうだろ………って、え?」



先程までのドヤ顔を崩した神様がそこにはいた。


「い、いや、だってお前地獄だよ!? 地獄って針の山歩かされたりアホみたいに暑い鍋に入れられたり、とにかく色々嫌な事沢山あるんだよ!?」


「あー、確かに痛いのはいやだなぁ」


「だろ!? そしたら異世界行きの方がいいだろ!?」


「でも異世界よりはマシなんで地獄でいいです」


「oh!! お前若者だろ!? なんで剣と魔法の国がそんなにいやなんだよ!? ハーレムとか戦いとか友情とか沢山あるよ!? 夢の国だよ!?」


「いや、夢の国なら生きてる頃に何度か行ったんでもういいです」


某チューチューランド楽しかったけど人多かったしな、本当にあそこ人口密度多すぎでしょ。


というかなんでさっきからこのナルシストはこんなに必死なんだ?


「なぁ頼むよ、異世界行ってくれよ」


「なんでですか?」


「今地獄に人が多すぎてパンク寸前なんだよ。 ただでさえ本当なら地獄行きの奴を天国に行かせたりしてるんだから」


「じゃあ天国に行かせて下さいよ」


「断る!! 貴様のように金を拾おうとして死ぬような意地汚いやつが行ける場所ではない!!」


「ざっけんな!! 他の奴が良くてなんで俺だけダメなんだよ!?」


「口を慎め、下郎が!!」


「慎めるか、このアホ神が!! 」


ゼウスは俺の言葉に反論できずにたじろぐ。

さっきまでの余裕は光の速度でどこかに飛んで行ってしまったようだ。


やがてゼウスはふぅ、とため息を一つ。


「なぁ、マジで頼むよ、異世界行ってくれよ」


「人に物を頼む時はもっとやる事があるんじゃないのか?」


「お願いします裕也様、異世界に行って下さい」



「うわぁ………」


マジかよこの神様。

こんな一般人に対してまごう事なき完璧な土下座を披露したぞ。


しかしここまで頼まれたのなら断りにくくもなるもんだ。 けれどハイリスクノーリターンであるこの頼みを俺は聞く意味があるのか?


絶対に異世界に飛んだ瞬間に魔物とかモンスターに襲われて瞬殺される自信あるぞ、俺。


結局のところ、悩んだ俺は嫌々ながらも頭を縦に振った。


「わかりましたよ……行きゃいいんでしょ?」


「本当か!? ありがとう裕也様!!」


「うむ、苦しゅうない」


ゼウスは嬉しそうに立ち上がると、どこからともなく書類のような物を発現させる。


「それで? 何を持っていきたい? 最強の剣とか能力とか知能とか顔とか、とにかく何でもあるぞ!?」


「ブ○ナロック」


「…………へ?」


「いや、だからブテ○ロック」


「それって人間界にある足洗いソープの事?」


「あぁ、そうだ」


「…………本当にそれでいいのか?」


「あぁ、大丈夫だ」


ゼウスは納得のいかないような顔でブテナロッ○を出現させると、俺に手渡してくる。


ついでに、○テナロックを選んだ理由は特にない。



「それはそんなにいい物なのか?」


「いや、使った事すらないけど」


「………よくわからん奴だ」



首を傾げながら豪華な椅子を出現させると、ゼウスはそこにゆっくりと腰をかけた。


「それではお前はこれから異世界に飛ぶ事になる。 これから沢山の幸福や不幸、辛い事や悲しい事があるだろう。 それでも、我こと神ゼウスはお前が幸せな暮らしを出来る事を祈っている。 では、さらばだ!!」


彼がそう言うと、俺の意識が段々と薄くなっていく。

その中で、機嫌の良さそうなゼウスの声が鼓膜を揺らした。


「無欲なお前にはオマケを付けよう。 健闘を祈る」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こうして意識を失った俺は、次に目を覚ました時には見知らぬ光景が広がっていた。


いかにも異世界といった街並みに鎧や武器を携えた冒険者らしき人々。 荷運びの馬車なんかは生で見るのは生まれてから初めてだ。


まぁ、俺はたった今この世界で生まれたのだが。

って、俺の身体はそのままだがこれは生まれたでいいのか?


しかしながら格好は先程までの制服とは違い、この世界でもカーストの低い者が身につけるようなみすぼらしい服装になっていた。


「最低限の考慮って奴か、これ」


にしてももっとマシなのがあっただろう。


インナーやズボンは普通なのだが、なにせ肩周りに付いているボロ雑巾のようなマントがダサい。


何がともあれどうしたものか………


俺はしっかりと左手に握られたブテナロ○クをひとしきり眺めてから歩き出そうとする。


すると、


「ふぎゃっ!!」


足元で奇怪な叫び声が聞こえる。

よく見ると、女の子が涙を流しながら倒れていた。



「うぉぉおおッッ!! なんだお前!! 存在感薄すぎて蹴っ飛ばしちゃったじゃん!!」



「うぅ、グスッ」


何を言うでもなく少女は起き上がって膝を抱え、再びすすり泣きを始める。


なんなんだこいつは。


歳の程は俺と同じくらいかもしくは少し年上ぐらいで、赤と黒をベースに金色の装飾が施された鎧の所為で少し攻撃的な印象を受ける。


彼女はしばらく啜り泣くと、サラサラの黒くて長い髪を揺らしながら目を擦った。


「話はもう聞いてるでしょ? 私は地獄の門番ケルベロスよ、煮るなり焼くなり好きにしなさい」


「は? 話って?」


「…………へ? 聞いてないの?」


呆気にとられながら彼女はコテンと首をかしげる。



「いや、アンタがあまりにも無欲だから感心したゼウス様が私をアンタの異世界行きの付き添いに選んだのよ」



「あぁ、あのアホ神が最後にオマケとかなんとか言ってたやつか」


「はぁ!? ちょっと待って!? 私ってオマケとして此処に飛ばされたの!?」



物凄い剣幕で言い寄ってくるので俺は思わず一歩あとずさった。


「あ、あぁ、なんかそんな様な事言ってたけど」



「あんのクソナルシスト神、このケルベロス様をおまけ扱いするなんて!! 許さない、絶対に許さないわ!!」


何というか、少し痛い子だったわ、


それに、とてつもなく怒っていらっしゃるご様子なので怖いから関わらないでおこう。

触らぬ神に祟り無しとはこの事である。


俺はわなわなと震える少女を置いて街の方に向かって歩き出す。



「ちょーっと待ちなさいよ!! 私を置いてどこに行く気!?」


「どこって、アテはないけど適当に………」


「それじゃあ私がここに無理やり飛ばされた意味がなくなっちゃうじゃない!!」



「知らねぇよそんな事!! そもそも頼んでないから!!」


「私だって来たくて来たわけじゃないわよ!! 地獄の住人達の食事を横取りしてたら罰として此処に貴方と来る事を命じられたんだから!!」


「自業自得じゃねぇか!!」


俺の盛大なツッコミも聞かずにケルベロスは頭を抱えて唸り始める。


「うぁぁあああ!! どうすんのよ!! 私これからこんな変な奴と異世界とか耐えられないんですけど!?」


「失礼なバカ犬だな。 嫌なら帰れよ!!」


「命令に背いたら天界から追い出されるんだからしょうがないじゃない!!」


もう追い出されてるじゃねぇかよ。

なんならオマケとまで言ってたぞ、あのナルシスト神。


「まったく………っていうかなんでもいいけどお腹すいた。 なんか食べようよ」



切り替え早っ!!

家族のチャンネル争いよりも切り替わるの早いよこいつ!!


そんな事を思っている間にもケルベロスはズンズンと街の中へと歩いて行ってしまう。


やがて俺達は少し寂れた居酒屋的なお店に入った。

中にいるのはガラの悪そうな冒険者と思しき連中と、少しエッチぃ格好をしたお姉さんだった。


周りから下手に視線を集めないために俺は極力キョロキョロしない様に極めて平静を装う。



彼女は席に着くと、よく分からない肉のステーキとビールを頼んだ。


この世界にもビールがあるんだな。


そして彼女はそれを物凄い勢いで口に運びながら、


「んで? これからどうするのよ?」


「まずは情報収集と行きたいところだが、何よりお金だな。 俺は今まったくの一文無しだ」


その言葉を口にした瞬間にケルベロスはピタリと食べる手を止めた。


こいつまさか…………



「さ、先に言ってよ。 私ご飯食べちゃったじゃない」


「はぁぁぁ!?!? お前金とかもってんじゃないの!? なのにそんな高そうな物頼んだの!?」


「金なんてないわよ。 それにアンタのゼウス様からの計らいで何が役に立つもの持ってきてるんでしょ? それでも売ってお金にしなさいよ」


そんな事を言ってくる彼女の前に俺はそっとブテ○ロックを置く。


「なにそれ?」


「ブテ○ロックだ」


「なんか凄い物なの?」


「足を洗う石鹸だ」


「……………へ?」


「いや、だから足洗いソープだ」


肉を口に頬張りながら固まるケルベロスとうつむきながら足洗いソープを眺める俺。


やがてしばしの沈黙の後に彼女は肉を飲み込んだ。


「はぁぁぁ!? それじゃお金払えないじゃない!! っていうか馬鹿なの!? 何でも好きなものを持っていけるのに何で足洗いソープ!? 頭沸いてるんじゃないの!?」


「うるせぇ、俺だって後悔してんだよ!! ってか飯はお前が食ったんだろ!! それと胸ぐらを掴むな揺らすな視界が揺れる!!」



うるさく騒ぎ立てながら俺の胸ぐらを掴んで揺らすケルベロスは、店員さんから訝しげな視線を向けられる。


「うぅ、どうすんのよ………これじゃ私達タダ食いになっちゃうじゃない」


「どうしよう……なんか店員さんめちゃくちゃイカツイしよ、食い逃げなんてしたら地の果てまで追いかけて来そうな顔してるぞ」



………ん?


ってか、待てよ?

元々俺のいた世界では一般的に売られている足洗いソープだが、この世界だと希少価値が高かったりするんじゃないか!?


往々にしてこういった異世界行きの系のアニメやゲームでは、元の世界の物はそれなりの価値になったりするものだ。


それなら、



「おい犬、俺にいい考えがある」


「ちょっと!! さっきから犬ってなによ!! 私にはケルベロスって名前があるのよ!!」


「黙れ犬、それよりこの足洗いソープ、この世界だとやっぱり物珍しかったりするんじゃないか?」


「まぁ、そりゃここからしたら異世界のものだからね………ってまさか!?」


「ふふ、気づいた様だな駄犬。 これを店員に見せつければ恐らく高値で買い取ってくれるはずだ」



俺の言葉に残念美人、ケルベロスが目を輝かせる。

ホント、黙ってれば顔だけはいいのにな……



「おぉ!! アンタ頭いいわね!! それじゃあ早く見せてきなさいよ!!」


「まぁまて急かすな」


俺はこれまでにない程のドヤ顏を披露しながら足洗いソープを片手に店員の元に向かって歩いて行く。


いかつい店員さんは怪しい者を見る様な目で俺を一瞥した。


「なぁ店員さん、俺達は今金がないんだ」


「あぁん!? 飯代どうすんだよ」


おもむろにブテ○ロックを取り出してカウンターにコトリと置く。


「これで手を打たないか? 」


「あ? なんだこれ?」


「ブテナ○ックと言ってな、足をキレイにする石鹸………ぐぶぉあっ!!」



説明している途中だというのに店員さんのお怒りパンチが俺の頬に炸裂する。


「おいクソ坊主、御託はいいんだよ。 そんな下らない物はいらねぇから金を払え」


「はへ? あの、いや……」


胸倉を掴まれる俺はケルベロスに「助けろ」と視線で訴えかける。


すると、彼女は爽やかな顔で親指を立てながら物凄いスピードで店から出て行った。


あんのアホ女ッ!!!!

地の果てまで追いかけて足洗いソープで洗顔させてやる!!


店員はそんな光景を見て声を上げる。


「ツレが逃げたぞ!! 食い逃げなんて神が許しても俺がゆるさねぇ!! とっ捕まえろ!!」


そんな怒声と共に何処からともなく似た様な輩がわんさか湧いて出てきてケルベロスの後を追う。


…………アイツ、死んだな。


ややあって首根っこを掴まれながらジタバタ手足を動かす惨めな女が連れられてくる。


「ちょっと!? 私は地獄の門番ケルベロスよ!! こんな事してタダで済むと思ってんの!?」


もう完全な小悪党のセリフだった。


「で、お前ら。 どう責任とってくれんだ?」


「あ……いえ、その………」


包丁を片手に尋ねてくる店員に俺は目を泳がせる。

そりゃそうだろ、だって「うるせぇよ」なんて言った日には八つ裂きにされて次の日のメインディッシュにでもされそうな勢いだ。


しかし、そんな思いもいざ知らずにケルベロスは不機嫌そうに体育座りをしている。


「おい、自分は関係ありませんみたいな顔してんじゃねぇよ!! 元はと言えばお前が食べた物のせいだろ!!」


「私は何も食べてないですよーだ。なに? 証拠でもあるんですか? いつ、何時、何分、地球が何回回った時?」


「小学生かてめぇは!! その足りない頭で考えて少しは詫びろ、駄犬!!」


「黙れクソガキ共!! もういい、俺は怒ったぞ、憲兵に突き出してやる!!」


え、うそだろ?

異世界にやってきていきなり犯罪者かよ!?


「いやよ!! それだけは勘弁してくだせぇ!!」


先程まで反省など微塵もしていなかったケルベロスが深く頭を下げた。


コイツ、どんだけプライドねぇんだよ。


しかし、懇願も虚しく俺たちは憲兵に突き出され、連行された挙句に地下牢に閉じ込められた。


晴れて犯罪者二人組の完成である。


で、どうすんだこれ?


石造りの壁に鉄格子、薄暗い中で幾つかの松明が辺りを照らしている。 どうやら俺達以外に囚人は居ないらしい。


なんとも平和な町だ事。


「あは、あははは……」


抜け出すのは不可能か……それならよくある見張りから鍵を奪って脱獄とかが有効手段だろうか?


「あはははははは」


「うるさいなさっきから!! なんだよ、ついに頭がイカれたのか!?」


「ははは………ふぅ、だって笑うしかないじゃない。 いきなり牢屋よ? あぁ、アンタはこの汚い牢獄に入る事を見越して足洗いソープを用意したのかしら? 足洗うどころか身体洗う所すら無いわいこんボケ!!」


「あー、分かった、 分かったから落ち着け」


なんだか彼女がとてつもなく可哀想に見えてきた俺は優しい瞳でなだめる。


「ちょっと!! なによその可哀想な物を見るような目は!!」


「いや、いいんだ。 とにかく落ち着け」


「落ち着けるかぁ!!!」


「ヘブッ!!!」


物凄いスピードどのコークスクリューを食らった俺はその場に倒れて身悶える。


こんのアホ女!!



「なにしやがるッ!!」


「うぅ、どうしよう。 こんなんじゃ天界に帰れてもゼウス様にまた罰を与えられるじゃない……」


「知らねぇよそんな事!!」


この女のせいで一瞬意識飛びかけたぞ!!

どんだけ筋力あんだよ…………あれ? ちょっと待てよ?


この犬も地獄の門番と呼ばれるだけあって頭はアレだけど少しは強かったりするんじゃないか!?



「なぁ、お前って強いの?」


「なによ突然、強いに決まってるじゃない。 私は地獄の門番ケルベロスよ?」


半眼を作る彼女の言葉を聞いて俺は安心する。


もしコイツが本当に強いのなら脱出方法は至極単純、見張りと警備兵を叩き潰して脱獄すればいい。


俺はおもむろに立ち上がり自信満々の顔で、


「お前のせいでこうなったんだから少しは働いてもらうぞ」


「えぇ……めんどくさ」


気だるそうにこちらを見つめるケルベロスに俺は不敵な笑みを向けた。















ども、辰太郎です。


ここまで読んでくれた方々にまずはお礼を言わなきゃなりませんね、ありがとうございます。


これを読んでくれた人は異世界………好きですよね?(笑)


無論の事私も大好きです!!


まぁそんな私情はさておき、私は少しいい加減な主人公がいてもいいのでは?との考えの元、初期の所持アイテムが足洗いソープという残念極まりない人間を主人公にしました(笑)


更新の程は頻繁にするように努めます。

途中で終わらせるような事はしたくないので、続きが気になる方々は楽しみにしていて下さい。


レビューや評価が私の今の生き甲斐なので、していた抱けると励みになります!!


それではまたどこかで!!

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