表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/44

プロローグ

初投稿です。拙い文章ですが読んでやってください。

 ――どうやら俺は、死んだらしい。



 おそらくあの時だ。信号待ちしてたところを誰かに後ろから押された。押したヤツが誰かなんてわからない。正直、俺は人様の恨みを買うような人生は送っていなかったはずだ。車の行き交う道路へと押し出された俺は、そのまま車に……


 気が付いた時には、ここにいた。周りを見渡しても何も見えない真っ暗な空間。感覚でいえば、俺は今、座っている状態なのだろう。まあ、そんなことはどうでもいい。俺が何を言いたいかというと……



「そうか、ここが天国か……」


「お主、本当にワシの話を聞いておらんな!?」


 さっきから俺に話しかけてるらしい、うっすらと薄汚く光ってるハゲの自称神様。何をそんなに怒っているのだろう? 年寄りなんだからカルシウム摂らなくては危険だと思うが。


「大体、何で自分が天国に行けると思っとるんじゃ。お主、生まれてきて碌な事しとらんぞ?」


「俺は一日一善を心掛けて生きてきたが?」


「お主の善行はありがた迷惑どころか、ただの地味な嫌がらせじゃ……このまま生き長らえていたとしても、悪人として、地獄行きじゃぞ?」


「我が生涯に一片の悔いなし」


「……もうよい」


 今度は落ち込んだな。鬱かな?


「そんな事より先程のワシの話、理解しておるな?」


「ああ、まったく聞いてなかった」


「もうよい、お前はそういうヤツじゃ。初めから説明するぞ? お主の名前は山田太郎、年齢18歳、つい先程死んだ。理解しとるか?」


「おーけー」


「お主の様な奴が天国に行ける訳もない、じゃが現状で地獄に送るほど極悪人でもない。理解しとるか?」


「おーけー」


「こういう場合は生まれ変わって、もう一度、徳を積むのが一般的じゃ。じゃが、今は世界中で少子化が進んでおって、順番待ちで100年程じゃ。しかし、お主の様な魂を霊界に長い間待機させると、過去の経験上碌な事にならん。理解しとるか?」


「おーけー」


「じゃから、今回はお主を含めた面倒な魂、数名を異世界の神に丸投げする事にした。まぁ、向こうでは人口不足じゃから転生というより転移じゃ。肉体も生前のままじゃ」


「……」


「お主等の向かう世界じゃが、技術は地球より遅れておるが、魔術や魔物などが存在する世界じゃ」


「…………」


「そこで徳を積んでいけば、あるいは天国へと……」


「………………スヤァ」


「……もうよい、行け」



 ――さて、今まで転移させた者達、これから転移するであろう者にも、こちらの世界での経験を元に、向こうで生きていくには十分な能力と技能をつけてきた。向こうは命の危機が身近にある世界じゃ。こちらの技術を少しでも伝えてもらいたい、という思惑もある。しかし今の男、無職か……。まあ、あれほどの身勝手な男じゃ、適当に決めておいても問題ないじゃろ。



 こうして俺は、異世界へと飛び立った――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ