裕の特訓-1-
ミーーンミンミンミンミンミンミン
八月の半ば、夏の暑さがピークに達してきたころ、(尚、気温36度)
「コラッ、もっと速く走れないのか」
「ぜぇ、ぜぇ、」
この炎天下のなか僕と陸斗は春日家敷地内をぐるぐると走っていた。何故走っているかというと、振り返ること1週間前。
俺はいつも通りリリスの家に来て、レモンティをメイドさん(かわいい)に注いでもらってい、涼んでいると、突然リリスがこんなことを言い始めた。
「私と、裕様の婚約パーティーを開きましょう。」
「はぁ、なんでこんな急に?」
「私が次代の社長を決めたことをなるべく早く世間に広めたほうが、命が狙われる確率も下がると思ってね」
「そうなんだ。でも、パーティーの心得的なものは全く分からないよ?」
「そのことなら心配いらないと思うわ。もう手はずは整っているから。」
「え?」
こんな会話から数十分後、車で陸斗がやってきた。
「・・・・・で、なんで陸斗さんがこんなところに?」
「陸斗は、小茂根建設の常務としていろんな経験をしているので、裕様にマナーを伝授してもらおうと思って」
「あー」
「で、具体的にはどんなことをすればいいんですか?」
「はい、貴方の立場上、今回のパーティーではある程度体力が必要だと思われます。まずは体力をつけるために、この屋敷を一日5週はしましょう。せめて私と同じ程度の体力はつけていただきます。」
「ま、マジカヨ」
「特訓とあらば全力で行かせていただきます。」
以上、回想終了
すると、スタートした庭が見えてきた。
「あと一周だぞ、気合を入れろ!」
最初は敬語だったが、途中から陸斗もさすがに疲れてきたのか口調が変わってきた。
「も、もう勘弁~」
あれからさらに約一時間後、、、
「し、死ぬぅ~」
「6時間24分か、、、」
「何の時間だ?」
「あぁ、今日裕が屋敷を5周するのにかかったタイムだ。正直もう少しかかると思っていたんだが案外早く終わったな。」
「ってことは?」
「あぁ、お疲れさん。これで体力作りは終了だ。」
「お、おわったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
僕は歓喜の声を上げた。そこへリリスがやってきて、
「夕食の準備ができてるわよ、早くいらっしゃい。」
「ナイスタイミング!」
俺は颯爽と夕食を食べに行った。
こんばんわ、練馬将軍です。
今回は、本編もあとがきも短く終わらせていただきます。
ここまで読んでいただいた読者様に、神のご加護があらんことを、、、