コウくんに関することパート3
コウくんとの出会いの後お母さんにこっ酷く叱られてからと言うもの、外出禁止令を敷かれてしまった。然しながら素直になる訳もなく、共働きをしている両親の目を盗んでは家を抜け出していた。
コウくんの家も共働きだった。
結構なお金持ちらしく、立派なゲーム御殿と化した部屋を目の当たりにして先日の活躍振りにも合点がいった。おたくだ。第一印象はそれだった。
「どうして不良みたいな恰好してるの」
「聞きづらい事を平気で、子どもだな」
いかに慕う心があろうとカチンと来た。
「君だって──」
メグミとはこれが初めてであった。
ゲーム御殿に入り浸るのは僕だけではなかった。メグミに、トモくん。僕以外の3人は幼馴染だった。子分のように使い走りをする僕に「召使ごっこなんて馬鹿みたい」とメグミはよく笑った。
トモくんは同じ歳のコウくんには腰が低いけれど、僕たちには兄貴風を吹かせたがった。
「おいメグミ、そんな事じゃ良いお嫁さんになれないヨ」
「はいはい」
よくは分からなかったけれど誰に対しても向けないような、そもそも知らない感情をトモくんは彼女に向けていた。そんな感覚があった。
学校に関してコウくんとは一緒だけれど他2人は別の私立小学校に通っていた。
親しくなった切掛けを尋ねるとメグミは黙り込み、トモくんは怒り出すので聞くのを止めてしまった。コウくんはと言うと。「さあ、今が良ければ思い返す価値の無い事だよ」と格好つけるのだけど、当時としては彼のそう言う所が好きで憧れでもあった。
「今日はメグミ、おめかしだな」
「お出掛けか」
暫く黙り考えてから「別に、買って貰っただけ」と素気なく答えた。
何時もは良く喋るメグミだけど、コウくんに対してだけは上手く出来ていないように思えた。然し「変なの」とか「感じ悪」なんて言って、当人は気にも留めていなかった。
僕たちは互いが互いを好きだった。少なくともそう信じていたけれど。トモくんがメグミに向けるそれと、メグミがコウくんに向けるそれは少し違った。




