第9話
皆さんよいお年を!!(*^_^*)
「あ―あ―‥本日は晴天なり」
ステージの上でマイクの点検をする教頭へ述べたい
アンタの頭も晴天だよ…ってな
そう思った矢先に後ろに立っている隼人が背中を突っついてきた
首を横に向け目で隼人を見る
「…なんだよ」
周りに聞こえないくらい小さな声で聞く
隼人は声を押し殺して笑っていた
「あの教頭の頭も晴天だよな」
最悪だ……
期末テスト学年4位の俺が学年94位と同じことを考えていたとは……
怒った俺は思いっきり踵で隼人の足を踏んだ
「いっ………」
我慢してなんとか声が出るのを抑えたみたいだな
偉い偉い
あとでナデナデしてあげよう
「…絶対に後で奈緒にバラしてやるからな」
訂正します
ボコボコにします
「これで終業式を終わります」
生徒会長さんご苦労さん
そして隼人君…
「え?なにその手は?…ねぇ……さっきの冗談だから…ね……すいませんでした!」
いくら身のためだからって人前で頭を下げるお前に感心するよ
言わないなら許してやるか
「はやく教室に戻ろうぜ?」
「え…あぁ」
隼人と美帆には奈緒を好きなことはすぐに知らせた
その時の隼人はバカ面で
「今頃?」
って言ってきたのに対して美帆は
「へぇ……」
と意味ありげな笑みを浮かべていた
ちなみに優と紫織ちゃんには言っていない
何か余計なことをしそうだからだ
だから言ってない
でもそれは大きな間違いだったとずっと後になって俺は気づく
「今までありがとうございました!」
「「「「「ありがとうございました!」」」」
俺の言葉に続いて部員が3年生に頭を下げる
ついこの間のインターハイ準決勝で負けてしまったため今日で先輩とお別れだ
言っとくけどべつに俺は寂しくはないからね!
「今日は解散!」
監督の命によって今日は解散となった
部室に戻り急いで着替えて図書室に向かった
静かにドアを開け中にはいるとヒンヤリとした空気が俺の火照った体を冷ましだ
目標を捉えた俺は近づき隣に腰を下ろす
「……終わるの早かったね」
奈緒は周りに迷惑にならないように声を出す
「今日3年生の引退日だから」
「そう…じゃ帰ろっか?」
「おう」
奈緒が本を戻すのを待ってから2人で静かに図書室を出る
「あつい……」
パタパタと手で仰ぐ奈緒を見て可愛いと思ってしまった
つくづく惚れてるな
「コンビニでアイス買うべ?」
「「「異議なし」」」
驚いて振り返るといつの間にか美帆と隼人がいた
「おい…いつから居た?」
「「さっきから」」
お前ら気をつかえよ
何のために話したと思ってやがる!!
落胆しる俺の横を女2人が通り過ぎ次に隼人が通りすぎ……ないで立ち止る
「ふ…朝の仕返しだ」
そう囁き再度歩き出した
仕返しだと?
小癪な!
前を向いて歩いてる隼人の背中めがけてスピードのった跳び膝蹴りをかます
「がはぁ!?」
吹っ飛んだ隼人は倒れたっきり動かなくなった
我が親友であった隼人
享年17歳でした
彼はその明るい笑顔で誰とでも分かち合い
「勝手に殺してんじゃねぇ!」
ガバッと起き上がってそう言ったと思いきやすぐにパタンと倒れてしまった
何がしたかったんだコイツ?
そんな隼人を置いて2人のもとへ走っていったのは言うまでもないだろう
外に出ると日差しが強く部活後の俺にはちょっとキツかった
そう思っていると美帆の提案により急遽ファミレスに避難することになった
昼ちょっと過ぎのため客は俺等含めて4組しかいなかった
「ねぇ今年は祭りどうする?」
美帆さん……
パフェをガッツきながら喋んじゃねぇ!!
「行くだろ?」
俺としては奈緒と2人が良いんだけど視線を美帆にブツケる
それに気づいたのか美帆はニヤリと笑みを浮かべる
「私と」
《カランカラン》
出入り口から音がしたと思いきやものすごい速さで隼人が俺等に近づいてきた
「置いていくなよ!」
「いやいや…お前何で俺等が此処にいると分かった?」
普通にお前そこおかしいから!
「あぁ?!んなもん愛の力に決まっとるだろうが!」
どうだ?!とでも言いたそうな表情の隼人
てゆうかそんなの決まってないから
愛の力?
ありえないから!
「コホン!」
美帆はワザトらしく咳き込む
「今年私は隼人と2人で行くからアンタ達も2人で行ってきなよ」
「行くってどこに?ねぇどべし?!」
隼人がウルサくて話が進まないので悪いが眠ってもらった
「奈緒…どうする?」
「埋めちゃえば?」
「いや隼人のことじゃなくて祭りのこと」
しかも真顔で埋めれと言うとは……
お前将来大物間違いナシだな
「わ私は…いいけど」
顔を赤くして上目遣いで俺を見る奈緒を抱きしめたいと思ったのは内緒でお願いします
「じゃ決定だな」
うまく事を運んでくれた美帆には今度何か奢るとしよう