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第7話

次の日から奈緒とは登下校は別々に、会話はほとんどナシとなった

べつに喧嘩をしたわけでもないのにまともに話をしなくなって2週間がたった


「螢…いつになったら仲直りすんだよ〜〜?」


隼人もいい加減この空気に耐えられなくなってきたのだろう


「喧嘩したワケじゃないし……」


それはこの2週間俺が4人に言い続けてきた言葉だ


「そんなこと言ってもさぁ……だいたいお前寂しくないわけ?」


「そりゃ……」


ぶっちゃけ寂しいです

とてつもない寂しさと同時に自分でも分からないモヤモヤ(?)とした気持ちでいっぱいです


「寂しいんだ?」


「……まぁな」


ここは正直にいこうじゃないか


「おはよう……」


「お…はよう」


奈緒との朝の挨拶は毎日家の前だったのに……

元気な挨拶だったのに……

何でこんなことになったんだろう?












「美帆…今奈緒はドコだ?」


「え?なんで??」


「いいから!」


「お手洗いだけど?」


「……あのバカ……美帆と隼人には悪いが俺と奈緒の帰る用意しといて」


そう言い残して俺はトイレの前で奈緒を待ち伏せるため移動した

2分後に奈緒はでてきたが………目を逸らし教室に戻ろうとする


「ちょっと待てって!」


呼びかけても止まらない

しかたないので手を掴んで歩くの止めさせ顔をこちらに向けさせる


「なによ?離して!」


イラッとしたが抑える

奈緒の額に手を当てる

―――やっぱり


「……帰るぞ」


「え?なん」


最後まで奈緒の言葉を聞かず手を引っ張り教室に向かう

いったん席に戻り2人分のバッグを右にからう


「螢?何してんの??」


おっと礼を言わなきゃな


「バッグ…サンキューな」


教室から出て行こうとする俺達に隼人が声をかける


「おい!どうしたんだよ?!」

「……奈緒が風邪だ」


「「は??」」


それだけを言って教室をあとにする










明らかにペースも落ちてるし体のふらつきが目立つ

だが何度声をかけても大丈夫の一点張りだ

タクシーひろいたいけど……

運の悪いことに机の中に財布忘れてきてしまった


「はぁはぁ……」


苦しそうに歩く奈緒を見ていられなくなった俺はある行動に出た


奈緒の前に出て片膝をついて後ろに手を広げる


「……何してんの?」


何って……おい!

見ればわかるだろ?


「乗れよ」


「…いいわよ」


ったくこの娘は!!


「いいから乗れよ!苦しそうにしてる奈緒を見てられないんだよ!!」


恥ずかしいことを言ってるのはわかってる

だけど本音を言わないと奈緒は聞き入れてくれそうになかった

背中に重みが感じられた

手で奈緒が落ちないようにして、足に力を立ち上がる


「……ありがとう」


「おう……」


俺の服を掴んでる奈緒の手に力が入る


「何で…気づいたの?」


今更聞くなよな……

まぁ恥ずかしいけど…ここも本音でいきますか


「行動でわかったよ。それに」

「幼馴染……だから?」


奈緒が俺の言葉を遮る

だけど奈緒……

少し間違ってるよ……


「オシいな。゛大切な"が抜けてた」


「え………」




この後に会話はなかった

だけど居心地は悪くなかった


「着いたぞ…」


「……うん」


ゆっくりと下ろす

って!!

なんか頬に柔らかい感触が………


「な…お?」


まさか今…キスした?

でも奈緒の表情は普通だし……

手だな……

当たったのは手だ!

うん、そうに決まってる


「ありがとう」


久しぶりに奈緒の笑顔を見た

風邪のせいで力無くだったけど、この2週間ずっと見たかった奈緒の笑顔……

それを見ただけでこの2週間の寂しさを忘れられた



そしてモヤモヤ感がなにか気づいた






俺は奈緒に恋をしている

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