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第48話

お久しぶりです。そして、すいません。

何でだろう?

胸が痛む。

優に恋人ができただけ・・・・なのに何でこんなに胸が痛むのだろう?


「紫織!」


「わっ!?」


突然名前を呼ばれ、驚く。

目に映ったのは心配そうな顔つきのお姉ちゃんと螢さんだった。


「こんな時間まで、しかもこんな場所何をしていたの?」


「え・・・・?」


言われて気づいた。

私のいる場所は学校近くの公園で空は薄暗くなっていた。

いつ、どうやって此処まで着たのか分からない。

でも何を考えていたのかは、ハッキリと覚えている。


「帰ろうか?少し肌寒いしね。」


優しく微笑む姿はどこか優に似ていて・・・・やっぱり兄弟なんだと思った。


「はい・・・?!」


また・・・・胸が苦しくなった。

一瞬、2人の後方の入口に見えた金髪の男と直ぐ側を歩く女。

私は走って公園から出て右を見ると、仲良さげに歩く優とその彼女がいた。


「誰だ?あの人?」


「きゃ!?」


いつの間にか横に立って2人を見ている螢さんにビックリした。

てか移動早すぎでは?


「さぁ、分かんない。」


そして、ここにも瞬間移動の使い手がいました。

ちょっぴり怖い。


「・・・優の彼女だそうです。」

「「か、彼女――?!」」


度肝を抜かれたような顔になる2人。


「付けるべきだな。」


「「な?!」」


急に姿を表した隼人さんと美帆さんには私だけ驚かなかった。

だって・・・・ねぇ?


「ささ!行くわよ♪」


期限良さそうに2人を付け出しだバカップルに続き、私達3人も溜め息を吐いてから歩き出した。


歩くこと数分。

優達は喫茶店に入っていった。


「二手に分かれましょう?」

と言う楽しそうな美帆さんの提案により、私達3人は優達の後ろに、バカップルは優達の斜め後ろに分かれて座った。


「しかし、ホントに優の彼女なのか?」


声を低くして話をする螢さんに私は頷き口を開く。


「昼休みに・・・・そう言われました。」


ドン!


優達のいるテーブルから大きな音が聞こえた。

そろ〜っと気づかれないように見てみると・・・・・・あまりの大きさに驚愕した。

メニュー表を開き運ばれてきたソレを調べる。


・・・・あった!

超ウルトラジャンボチョコパフェと言うらしい。

えっと重さ・・・・10キロ?!


こんな量を食べれるのか?そう思いながらメニューから顔を上げるとパカッと口を開けて固まっている2人が同じ方を見ていた。

私も同じ方を見て・・・・・・どん引きした。


「ふぅ、美味かったぞ♪」


「は・・はは・・・。」


苦笑いを浮かべる優。

テーブルには空の大きな器。

あの人・・・化け物だ。


「さて、停学に・・・いや退学になりたくなければ正直に答えるんだ。いいね?」


「横暴にもほどが・・・・分かりました。話しますから退学届け・・しかも俺名義で書くのやめてください!」


な、なんか普通のカップルがしない話しだよね・・・。

退学届けが何故会話に出てきます?

これは様子見だね。


「ふむ、よろしい。では聞くが何故、君はあの娘を避けているんだ?」


・・・あの娘?


「・・・逆に聞きますけど何故昨日会ったばかりの人にそんな事を話さないといけないんですか?」


え?

ちょ・・・昨日会ったばかり?!

付き合ってるんじゃ・・ないの?


「・・・・。」


「無言で退学届け書くの止めてください!」


・・・・変な会話。

付いていけない。


「話して損はないと思うぞ?私は口が堅い事で有名だ。それに──」


彼女の笑顔は、私を見るお姉ちゃんのような暖かさがあった。


「君の力になりたい。そう・・心から言える。」


「・・・・笑わないで聞いてくれますか?」


「もちろんだ。」


「俺は・・ずっと前からアイツが好きだったんです。ただアイツは俺の兄貴が好きで・・・・でも俺はアイツが好きで・・・そんな時に気づいたんです。アイツの笑顔が一番輝いているのは兄貴と一緒いる時にしか見られないって。俺がどんなに近くにいたって、あの笑顔は見られないんです。だから・・俺はもう好きで居たくないから・・あの笑顔で兄貴と話しをするアイツを見たくないから“さよなら”したんです。」


今、優は最近“さよなら”したと言った。

されたのは私だ。

優のお兄さんは螢さん。

私の好きな人は螢さん。

全てが私に当てはまっていた。

でも・・まさか。


「俺は紫織を想う気持ちから逃げるしかなかったんです。」


頭が真っ白になった。




―――――――――――



「紫織ちゃん?」


小声で固まった彼女の名を呼ぶ。

だめだ・・・反応がない。


「奈緒、紫織ちゃんを・・・・奈緒?」


隣を見ると姉妹そろって固まっていた。

・・・・どうすればいいのかな?

一応SOSを目でバカップルに送るが笑っているだけで助けはなさそうだ。

隼人は後で処刑。


「ほ、螢さん。」


錆びたロボットのようにギギギと音が出そうな感じで首を動かす紫織ちゃん。


「優の好きな人って・・・・私ですか??」


・・・・。




へるぷみ〜!!


「えっとだねぇ・・・・だからその・・・・なんて言うかさ・・。」


・・・視線を感じる。

いやコレは・・・殺気。


「何してんだよ?」


殺気を体から放出している俺の弟は本気で怒っている。


「アンタら最低だな。盗み見でもしてたんだろ?」


「あ・・優・・・あの・・・。」


何か言いたげな紫織ちゃんだが優に睨まれて固まってしまった。


「・・・・。」


俺達4人を睨みつけた後に優はこの場から去っていった。

次こそは始めから螢の視点からで。

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