第34話
新キャラ登場っす
久しぶりの学校は最悪な幕開けとなった。
「火野君、雑誌見たよ!」
「佐藤君の写真カッコ良かったわ。」
「あのコメント痺れちゃった。」
教室に入るなり先ほどと同じ状況となり俺達2人は笑顔と裏腹にゲンなりとしている。
ほ〜ら、また隣の席から殺気を感じるよ。
もう泣くよ??
「ホームルーム始めるから席に着け!」
先生ナイスタイミングです!
初めてアナタを尊敬しました。
散っていく女子達を見て思わず安堵のため息をついた。
でも・・・・。
「何で怒ってんの?」
ぐっ!
眼が・・・・眼が怖くて直視できない。
「私は怒ってなんかないよ?」
なら殺気抑えろよ!
未だにビシビシと出してんじゃねぇ!
3秒後
あ、殺気が消えた。
「はぁ・・・・ごめん。」
そして謝られた。
そんな謝られても・・・・。
「いや俺が」
「よく聞け!なんと我がクラスに転入生がやってきた!」
知るかタコ!
こちとら大事な会議中じゃボケ!
「だから俺」
「女の子ですか!?」
もう後ででいいや。
それにしてもベタな質問やな・・・・。
「奈緒この話は後でな。」
「・・・・うん。」
後回しは嫌いなんだけど今この騒がしい中で話すよりはマシだ。
「えぇと・・・・女の子。」
男子共の歓喜の叫び声が響いた。
あ、俺あげてないからな!
「じゃなくて男だ。」
《ちっ!》
うわ〜凄い。
舌打ちの音がこんなに大きなの聞いたことなかった。
あ、女子が歓喜の声を。
「よし入れ!」
ドアを開けて入ってきた男子生徒を見て
「なっ?!」
「は?!」
「うそ・・・・。」
「へ?!」
驚きの声を上げられずにはいれなかった。
綺麗な青色をしたその瞳が俺の姿をとらえ、固まった。
女子達が声を出して騒ぐ中、静かに立ち上がった俺のもと男子生徒が歩いてきた。
「おい、どうした?」
先生の声を無視して、とうとう俺の前まできた。
「螢・・・久しぶり。」
「和樹・・・・。」
震える拳を振りかぶった時だった。
「和樹!!」
《ガツ!》
男子生徒の名前を叫ぶ声が聞こえたかと思うと鈍器で殴ったような鈍い音がした。
殴り飛ばされ、驚きの表情になる男子生徒。
「佐藤なにをし」
「3年間ずっと連絡寄越しもしないで何してやがった!?」
隼人の叫び声に静まり返る教室。
場所が場所なだけに、騒ぎになると面倒だな。
素早く奈緒と美帆、続いて隼人に眼で合図をする。
全員こくりと頷く。
最後に男・・・倒れている和樹にウインクで合図する。
「佐藤!今から職員しつに」
《パン!!》
先生の声を遮り、ありったけの力で手と手を叩き合わせた音をだした。
それを合図に
「あ、こら!お前達またんか!鏡山まで!?」
全員が走り出した。
急いで階段を上る皆とは反対に俺だけが下る。
1のA
──ここだ!
ホームルーム中にもかかわらず加減なしでドアを開く。
「何だ君は?!」
教卓の前に立つ男を無視し俺は2人の姿を捜す。
──いた!!
「兄貴?!」
「螢さん?」
「2人ともダッシュ!」
俺の勢いに圧されたのか2人は一瞬怯み、すぐに教室を出た。
背後では怒鳴る先生の声からは焦りが感じられた気がした。
「優、屋上!」
「わかったがワケ話せ!」
「行けばわかる!」
などと言っている間に屋上の扉の前までついた。
「螢さん、いったい何があったんです?」
俺は紫織ちゃんの声を受け流して、無言でドアを開いた。
強い日差しに視界が真っ白になった。
だが、しだいに慣れ4人の姿が目に入った。
「んなっ?!」
「えぇ!?」
驚きの声は外にもかかわらず響いた。
「優君、紫織さん久しぶりだね。」
「和樹・・・さん?」
微笑み頷く和樹とは対照的に隼人は仏頂面だ。
俺の指示で円になって座るが・・・・
《・・・・・。》
沈黙が続いた。
《・・・・・。》
沈黙。
《・・・・・・。》
沈黙。
「「ごめん!」」
うおい!?
ビックリした。
「殴って悪かった。ごめん。」
隼人・・・・。
「いや3年間連絡しなかった俺が悪い。ごめん!」
和樹・・・・。
「謝るのはもう止めよう。和樹、お帰り。」
「螢・・・・。」
「お帰りなさい。」
「奈緒・・・。ただいま!!」
屋上にいる7人。
全員が再会を心から喜んでいた。
そして全員が今いない1人を思い出していると思う。
強い風が吹いた時、俺は不覚にも8人になったような気がした。
『RAN&JUMP』で拓也が足の治療のため北海道に行き、過ごした1年半を書いてみたい気が・・・・どうしましょ?(笑)ひとまず【光】を完結させてからか、同時にするか・・・迷ってます。