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第27話

「朝・・・。」


昨夜、彼の腹筋あたりに回した手はそのままの状態だった。

昨日聞いた螢の夢。

彼は悪夢だと言った。

大切な人が消える夢。

その大切な人とは私だと言ってくれた。

彼が私に特別な感情を持って言ったものではないにしても、彼の中で私は『大切な人』になっている。



ただ其れだけで舞い上がり、ドキドキしながらも彼に抱きついた。

いざ抱きついてみると体全体が安心感に包まれた。

だから直ぐに眠ってしまったのであって・・・・。


「おはよう。」


まだ眠っている彼に挨拶をして部屋を後にする。

リビングに入るとお姉ちゃんは既に起きていて朝食の準備をしていた。


「お姉ちゃん、おはよう♪」


「おはよう♪ふふふ。」


挨拶したら笑われた。

私の顔に何か着いてるとか?に何か着いてるとか?「奈緒ちゃんは分かりやすいね。昨日あの後なにか良いことがあったんでしょ?」




「何で分かったの?」


驚く私を見てまたお姉ちゃんはクスクスと笑う。


「顔に書いてるよ?昨日良いことがありましたって。」


「うっ・・・。」


そう言えば前に螢に言われたなぁ。

お前は感情が顔にでやすから気をつけろって。

自分では分からないのに・・・・。


「螢君に好き!って言われたのかな?」


そうだったら、どれだけ嬉しいことやら。


「ううん、違うよ。それに秘密。」


でも私の上機嫌には変わりない。


「秘密かぁ〜残念だなぁ・・・・。あ、そうだ昨日のウェディングドレスの話なんだけど聞きたい?まだ拓也寝てるから今のうちなら教えてあげれるよ?」


お姉ちゃんが食器を運びだしたので私は手伝いながら話を聞くことにした。


「うん、聞きたい。」


「じゃ聞かせてあげる。私達が光輝学園第一の出身だって知ってるよね?」


「うん。」


因みに私達は光輝学園第二に通っている。


「っでクリスマスパーティーで学園内のベストカップルのコンテストがあったの。」


「あ、それ第二でもあるよ。」


去年は見てる側だったけど今年は螢と出たいなぁと思っちゃったりしてる。

まぁその前に告白だよね・・・・。


「そうなの!?螢君と出てみたら?」


「私達の話はイイから続き聞かせて。」


「はぁい。えぇと・・・それで瞳が勝手に私達を参加希望にしちゃったの。っで私は最初出たくなかったんだけど、だんだんとヤッパリ出てみたいと思って出場したのね。」


「うんうん。それで?」


まさかと思うけど・・・・。

でも、この夫婦ならあり得る。


「ベストカップルの投票数1位に選ばれちゃったの♪」


やはり・・・・。

さすが美男美女のベストカップル。

私の憧れの人達。


「その賞品がドレスとスーツだったの。」


「凄いなぁ1位に選ばれるなんて・・・・。」


「因みに2位は真田夫婦で3位は田中夫婦だったよ。」


「へ?」


それって凄すぎ・・・・。

確かに皆さん美形だもんね。


「奈緒ちゃんも今年は螢君と一緒に出場してみたら?」


また、それですか・・・。

私だって出たいよ?

でも・・・・。


「無理だよ・・・付き合ってないし。」


「ふぁ・・おはよう。」


「「!?」」


「?」


突如、姿を表した人物に私とお姉ちゃんは驚き振り向いた。



そこには


「「おはよう。」」


大きな欠伸をしているが螢いた。

ってアレ?


「螢、体は!?」


「だいぶマシになった。昨日に比べれば軽い軽い。」


「よかったね。それにしても起きるの早いね。」


お姉ちゃんは早起きに感心しているみたいだ。


「早く起きるのには慣れてるから。」


「そっか、螢君が殆ど家事やってるんだもんね?偉い。」


「そうかな?家では普通になってるよ?」


手伝うと言って彼は食器運びを手伝おうとしたがお姉ちゃんによって阻止された。


「まだ体を休めてなさい。」


「はぁい。」


意外と素直に引き下がる。


「奈緒ちゃん、悪いんだけど拓也起こしてきて。」


「うん。」


こうして、また新しい今日と言う日が始まった。

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