第17話
朝起きていつものように家事をしてお袋を見送ると俺は2度寝するために部屋に戻った
ベッドに入ると直ぐにウトウトし始め、
もう寝る・・・・
そう確信したときに
《ドタドタドタ!》
階段を勢いよく駆け上る音が俺の耳に入ってきた
そして俺の部屋のドアがものすごい速さで開かれる
俺にプライバシーはないのですか?
「螢――!お姉ちゃん達から手紙が届いたよ!」
「げはっ!?」
上半身を起こした俺に嬉しそうに笑う奈緒が手紙を見せようとして振り下ろした手が頭にヒットした
「な・・に・・お・まえ」
頭がグワングワンとして声が思ったように出ない
どんだけの喜びパワーだよ?!
「・・・えへ」
笑って誤魔化すんじゃねぇ!
って言いたいのに声が出ない
「螢?大丈夫??」
「心配する前に謝れや」
言っておくけど僕ちんかなりカッチーンときてますから
いくら奈緒でも謝ってもらはないと納得いかん
「ごめんごめん。それでさ」
謝り方かる!!
「なんだよ?」
もう起こる気力がなくなってきた・・・
「お姉ちゃんから手紙が届いたよ!」
奈緒が握っている手紙にまず目を向け、次に奈緒の顔を見ると笑顔でウンウンと頭を縦に動かす
「マジで!?見せて!!」
奈緒から手紙を奪い取る
えぇ〜・・・と
『急に手紙が届いて驚いたかな?
実は毎度のコトながら瞳が急に、ほんとに急に沖縄に行こうと言い出して、その時に皆を呼ぼうと言うことになりました♪
電話で言えば良いはずなのに何故か手紙で教えることになっちゃったことは気にしないでね♪
返事は手紙ではなく電話でお願いします。
椎名薫』
「沖縄?」
「ビックリだよね?っで、どうする?」
いや・・・・
そんな目を輝かせながら俺を見るな
「ひとまず優と紫織ちゃんに」
「「行く―!!」」
タイミングを見計らったようにドアが開かれたと同時に男女2人の声がした
「だよね♪てゆうか皆行くってもう電話しちゃったんだよね」
「はあ?!」
お前それはないでしょ?
俺に拒否権ナイじゃん・・・
「っでいつから行くんですか?」
もはや俺は蚊帳の外状態で話は進んでいる
「明日だよ」
「は!?」
そこ笑顔で言うところじゃないから!!
「じゃ今から用意してくるね♪」
「俺もしてこようっと」
いやいや2人ともツッコメ!
100歩譲ったとしても驚くぐらいしろよ!
急すぎるにも程があるだろうが!!
そんな風に思っている俺を余所に2人は部屋を去っていった
「螢?どうしたの?」
「どうもこうも・・・誰か1人くらい明日ってところに疑問を抱けよ」
「なんで??」
ダメだこれは・・・
みんな浮かれて脳が正常に作用してないんだな
「いや、だから明日ってのはオカシいだろ?」
奈緒から笑顔が徐々に消え始め・・・
あ、このパターンは耳を塞がないとな
「あ・・明日―――!?」
ほら叫んだ
「気づくの遅すぎ」
「だってお姉ちゃん達と旅行に行けるのが嬉しくて・・」
「「明日―――!?」」
今度は1階と窓越しで外から2人の叫び声が聞こえた
いつも読んでくれている皆さんありがとうございます。【光】の前に[RAN&JUMP]を読んでくださった方々には通じると思いますが、近日あの6人が登場します。お楽しみに。あ、新キャラもでます♪