表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/58

第14話

私は今、気をつけていないとニヤケてしまいそうなくらいのご機嫌だ

だって…


横に目をやると近距離で隣に螢さんがいる


相合い傘……

夢にまで見た螢さんとの相合い傘


嬉しくて堪らない


「っで隼人のヤツがさあ――」


螢さんは笑顔で話してくる

私は彼の笑顔が何よりも大好きだ

たぶんお姉ちゃんも・・・・

お姉ちゃんが螢さんのことを好きなのは知っている

お姉ちゃんも私が螢さんを好きなことを知っている


「紫織ちゃん?」


「え?あ、何でしょうか?」


「いや…なんか難しいこと考えてるような顔してたから。悩み事?」


「いえ、そんなんじゃありませんよ」


手をひらひらとフリながら、笑ってごまかしてみる


「なにか悩みがあったら言いなよ?相談にのるから」


彼のこういった優しさも私が好きになった1つのうちだ


「はい!ありがとうございます」


譲れない……

螢さんだけは誰にも譲れない

例え相手がお姉ちゃんでも


「そういえば今日祭りだったのにな……」


「え?そうなんですか!?」


初めて知った

螢さんは素で驚いてる

そんな顔されたら多少傷つきます……


「ホントにそのぉ…知らなかった?」


「…はい」


苦笑しながら『雨だから明日に延期だよ。よかったね』と言う螢さんを見ながら私はふと思った

彼は誰と行く予定だったんだろう

まさか・・・・


不安が募る……


私は思い切って聞いてみることにした


「螢さんは誰かと行く予定があったんですか?」


「うん、奈緒と2人で行く予定だったよ」


「え……」


私はお姉ちゃんと2人ということにも驚いたけが、それ以上に螢さんの顔を見て驚いた

ホントに……


ホントに嬉しそう笑っていたから……


もしかして螢さんはお姉ちゃんのことが……



――好き?


いや、それはあり得ない

去年フザケながらにしろ試しに聞いてみた時真剣に拒否をしていた

そうだそんなコトない

あるはずがない


そう私に言い聞かせ落ち着かせる


「そうだ!明日行く人が決まってないなら」


私を誘ってくれる?!

そんな夢のような願望は


「優と行ってあげてくれないかな?」


厳しい現実によってかき消された


「……はい」


誘って欲しかった…

一緒に行こうと言って欲しかった


「あ、家に着いたね」


気がつけば家の前に着いていた

「じゃあ今日はホントにありがとうね。今度なにかお礼するから」


「いえ…そんな」


「いいから。何かない?」


だったら今度こそ……


「再来月に上映される映画を見に行きたいです」


「わかった!じゃ映画ね」




ありがとうと言って彼は家に入っていった

それを見送った私は家に戻った

リビングに入るとお姉ちゃんがソファーに座ってテレビを見ていた


「さっき私」


「知ってる」


「……なんで?」


「何ででしょうね?」


そう言ってお姉ちゃんはリビングから出ていった

私も部屋に戻ろうと階段を上ろうとしてあることに気づいた



お姉ちゃんの傘が濡れている

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ