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5話 えっ?武器ドロップ?


おぉ、見える見える。

エアリアル・エスケープの乱用でモンスター共を屠り、俺はとある一室に来ていた。ぶっちゃけるとあれからまた一階落とされている。

そこでまた歩いてたどり着いたのがここ。エンジェルホールのある一室。部屋の表記は天使の居間とされている。


当然俺はエンジェルホールの上に陣取っている。

どんどん回復していくのがわかる。

あぁ、最高。

エスケープの乱用での疲労感がそろそろヤバいなと思い始めていたので、これは本当にありがたかった。

バッチリ体力を回復させると俺は立ち上がった。

当然戦利品である見通す目を手に持っている。

これは凄い代物だ。上を見れば後何階でゴールかが記されていて、下を見れば後どれくらいが底かがわかる。


うん。あと一回で地下最下層です。

もうここまで来たらおまけ要素を制覇しますか。

そう思って俺は目の前にある次の扉を見た。

見通す眼では赤い点がぎっしりと見える。

赤い点とは、モンスターを指しているらしい。先ほどのリザードもそうだった。


宝箱の色も覚えないなぁ。というかこれいけるのか?

俺は一度扉に近寄って耳を当てる。

聞こえる聞こえる。モンスターの禍々しい鳴き声が。

俺はそっと耳を扉から離した。

次に右横の壁に耳を着ける。うん。風の音が聞こえる。

俺は右回りに耳をつけていった。どうやらもう一つの壁も風の音が聞こえる。


多分俺はエスケープがあるから、この壁を抜けて空から脱出できる。

でも聞いたんだ。攻略された宮殿は消滅してしまうって。

俺は嫌だった。ここまで頑張ったのに尻尾を巻いて逃げるのが。

俺は気を取り直して最後の壁に耳をつけた。

ぽちゃん、ぽちゃん。聞こえる。水が地面を打つ音が。

エアリアル・エスケープ。


抜け出したところは下水道のようなところだった。

うねる様に下に続いている。

見通す目を使うと、無数にモンスターがいて、下に扉があった。

その中には青い点がある。

青い点がとても気になる俺は下に降りてみる事にした。

モンスターのお出ましだ。


・ドラゴンナイトLv65。

竜騎士が相手だ。色が黒く本来ならかなり強いのだろう。先ほどのトカゲとは比べものにならない迫力がある。しかし、運が良い事にこいつは俺に背中を向けている。

俺は助走をつけて飛び上がった。そのまま勢いに任せて体を回転させる。

結果。首を落とす事に成功し、無事着地する。

初歩の剣でよくここまで戦えるな俺。まぁ剣は剣だからな切れない事はないだろう。


というか今のは不意打ちだから成せた技だ。正面からのタイマンなら何度も剣を交える羽目になっていた。

そんな事を考えて前を向こうとすると、下辺りから何かが光った。

これは……。

光ったのは、間違いなくドラゴンナイトを殺した場所であり、見てみると光り輝く球体があった。

これはカードではない。


しかし、無視はできない。何故なら素材ではなく武器ドロップなのだから。

モンスター固有武器ドロップ。今まで何も手に入らなかった。

リザードもどいつもこいつも何も落としては来なかった。

俺は緊張交じりに球体を拾い上げた。

それは直ぐに光を帯びて剣の形を形成していく。

いや、これはただの剣ではない。

漆黒の甲剣だ。ガントレットから剣が伸びている。

とても歪な形をしており、今にも何かを食らい尽くしそうな迫力がある。


俺はとりあえずそれをハメてみた。

凄いな。ハメただけでわかる。力が湧いてくるなんてもんじゃない。

身が軽い。試しに俺は壁を切りつけた。

すると、まるで柔らかな果物に刃を通すように壁に切れ目を入れる事が出来た。

とんでもない代物だ。覗き込んでみるが、壁は深々と切り込まれている。

それだけじゃない。ギミックがあるようだ。

剣引っ込ませる事が出来る。加えて爪が鋭いからガントレットの状態でも戦える。


俺はとりあえずこの戦利品に見通す目を当ててみた。

・魔甲ニーズヘッグLv950

効果。

・身体能力強アップ

・黒雷憑依

・竜属性付加

なるほど。憑依系の武器だ。

憑依系と言えば珍しい系譜の武器で確か最高ランクでしか出ないとか何とか。

そして、憑依がとんでもない能力らしい。


大体の憑依系は昔の偉人などに降りてきてもらって力を出すらしいが、自然系は違うらしい。

ひたすらの強化。そして、属性による鎧が与えられる。

「あぁ、すげぇ。早くクリアしねーと」

俺は人が変わったようにとんでもないスピードで敵を駆り始めた。

全ての敵を一刀のもとに切り伏せる。

あぁ、もう。扉についてしまった。

何だか今は気分がいい。どんな考えも浮かばない。


しかし、黒雷憑依を発動させる事は叶わなかった。

俺は扉の前で見通す目を使う。

中には青の点滅があり、やはりあれにも仕掛けがあるようだ。

どうやら仕掛けまではわからないようだ。

俺はとりあえず扉を開けた。

あぁ、前に見たあの宝石まみれの部屋だ。

しかし、俺は財宝に脇目を振らずに宝箱まで進んだ。


父から聞いた。宮殿では無用な欲は禁物。

出せばボスクリア後のドロップに影響すると。

恐らく運の値みたいな物が存在するのだろう。宮殿限定で。

そんな危険な賭けを冒してまで財宝など欲しくはない。俺が欲しいのはスキルなのだから。

目の前の宝箱に何の躊躇もせずに手を触れた。

すると、開いた。

その瞬間に無数の針が飛んでくる。しかも針の大きさが尋常じゃないほどに大きい。ぽっかり穴が空いてしまうほどだ。


これをまともに受けたらひとたまりもないぞ。

俺は急いで針を切り伏せる。

先ほどならばヤバいが、今ならば大した事はない。

しかし……。

次の瞬間に宝箱は爆発した。

どぉぉぉぉっん。


俺はとっさに体を浮かせ、こう言った。

エアリアル・エスケープ!

爆発により破壊され、床が崩れ落ちる。

俺はまたもや真っ逆さまに落ちていった。

確か、身体強化があったはずだ。一度スキル無しで落ちてみようか。

そんな事を考えていたが、そうはいかなかった。

何と下に財宝があった。あれにはどうしても触れたくない。


俺は止むおえずエスケープを使って何もない床に着地した。

また財宝の部屋だ。

俺はとりあえず見通す目で下を見る。

下に階層はなかった。上には無限とも思える階層が広がっている。

見通す目をしまい、また宝箱に手を掛けた。

ビュンッ。

結界だ。とんでもない速さで俺の後ろから円状に囲むように結界が張られた。


閉じ込められたんだ。だからと言って宝箱から目を離す事は出来ない。

宝箱を凝視した。

すると、また針だ。

これを一刀の元に切り伏せる。すると、地面に魔法陣が展開される。

「っ!?」

ヒュン。

構える暇もなく俺は一瞬で転移させられた。



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