1話 序章とプロローグと……なんだこれ
飽きずに最後までみてー
城波高校卒業文集より抜粋。
『 三年四組 出席番号七番 久利宮 周
Qあなたにとって高校生活はどのようなものでしたか?
Aひどくつまらなくて、退屈な日々でした、まる』
久利宮 周をよく知る人物より聞いた彼の印象。
『なんつーかとにかく変でしたよ。 いつも「つまらんなー」って言ってるから根暗かと思えば明るくていいヤツでしたし、運動は出来てるほうでしたし、勉強は全国どころか世界一でしたよ。 ああ、でも一回酒飲んだ時に「僕が求める世界はこんなんじゃなーい。 みてろよー、いつか必ず世界境をこえてやるー」と酔っぱらいながらも叫んでたのは今でも覚えてます。 あ、未成年飲酒の件は内密にお願いします。』
とある研究者の戯言。
『彼はまさしく天才。 正確に言えば天才の中の天才の中の秀才ね。 彼がいなければ今の地球はないわ。 永久機関に斥力制御システム、空間歪曲現象さらには量子コンピュータ。 まだまだあるけれど主なものはこれくらいよ。 この重大さが素人にわかるのかしら?
これがなければ恒星間移動すらままならないのよ? だから――長文ゆえ以下略――つまり彼は新生科学の父なのよ。……こほん、少し熱くなりすぎたわね。 ごめんなさい、これから火星で学会なのだけれど、見学でもしていきますか?』