プロローグ:yesterday
一面の青空だった。全てを包み込む様な、見透かされているような大空だった。 僕はぶっ壊れた建物(教会だろうか)の中に繁っている草花の上に寝転び、ただ空をじっと、眺めていた。
太陽の光が体に染み込んで来るようで、気持ち良い。
胸の辺りがぽかぽかする。
眠くなり目を閉じようとすると、頭上に鷹が飛んでいることに気付いた。 自分のことを死体かエサと勘違いしているのだろうか。
そう思うと、何故か無性にイライラしてきた。
お前にとって僕はその程度の存在なんだな、他と同じってか。
愚痴を吐いていると、心なしか鷹がこちらに降下している様に見える。実際にその距離はぐんぐんと近づいていた。
マジでエサと思ってんのかよっ。
ヤバイと思い腰をあげた時には既に頭の少し上辺りまでおりてきていた。
食われるっ!咄嗟の防衛本能で頭を手で覆う―――っ!
その瞬間、手と手の隙間から何かが頭上を飛び越えたのが、はっきりと見えた。
鷹?いや―――人だ。
その『人』は、太陽を背に僕を軽々と飛び越えていく。
目が離せなかった。
瞬きすら惜しい、けれどソイツはあまりに眩し過ぎて僕が見てはいけない、触れてはいけない、出会ってはいけない、そんな存在に見えた。 しかし確かなのは、その眩しさは太陽からなどでは無い、ということであった。
ああ、この人は自分とは何もかもが違うんだ。
ちゃんと、生きている。
その眩し過ぎる光は僕を飛び越えると、町の方へと駆け抜けていった。
そのまま彼の後ろ姿を呆けて眺めていたが、ハッと我に還り空を見渡す。
鷹は―――見当たらない。
しかし後ろを振り返ると鷹は遥か空の上を猛々しく風に逆らい飛んでいた。
お前にとって、僕はエサ以下なのかよ―――。
僕は壊れた建物の影に隠れる様にうつ伏せた。
頭の中ではさっきの光がちらついて、なかなか眠れない。
いや、眠りにつく必要なんてない。
物語は始まる。
命の物語が――。
初めてのファンタジー(?)です。
御手柔らかに。
描きたかった物語ではありませんが
突然、浮かんだので描いてみたら
物凄く先が気になったので、描いていきたいと思います。
それでは。
因みに枠組みとしてはロボット作品です。