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魔術師達の舞踏会  作者: 夢見 隼
第一章
13/29

突然の襲撃者

 次の瞬間、そいつは拳を突き出してきていた。

 くっ!

 長い爪が厄介なのね!

 僕はバク転して繰り出される爪を次々と避ける。

「助太刀致す!」

 と、その瞬間、脇から誰かが現れて剣を突き出した。

「うぬ!?」

 出右衛門(デーモン)と名乗った奴は不意打ちに戸惑いながらも爪で受け止める。

「くっ、忍君は中野さんを呼んできてくれ!ここは私が!」

 龍馬さんはそう言いながら、剣を舞わして出右衛門に向かっていく。

 僕は頷くとパッと地を蹴って駆け出した。

 幸いにも、駆けた先で中野先生は朝の運動をしていた。

「お?どうした?ランニングか?」

「敵……ですっ……。」

 僕は息も切れ切れにそう伝えると、中野先生は視線を鋭くして剣を取るなりすぐに駆け出していった。

 僕は少し息を整えると、元来た道を引き返した。

 そこに行くと、龍馬さんと助太刀に入った人がかなり激しく出右衛門と戦っていた。その一方で出右衛門は両手両足を駆使してその攻撃を捌いていた。

 しかし、これならば勝てるかも知れない。

 僕と中野先生が加われば四人だ。勝てなくはない。

 そう思って駆け出そうとしたその瞬間だった。

 ぼんっと出右衛門から放たれる殺気が増した。

「いかん!避けろ!」

 中野先生が叫ぶと同時に印を組んだ。

「幻術、《万有引力》!」

 だが、それは間に合わなかった。

「邪術、《暗黒龍演舞》!」

 出右衛門の吠え声と共に彼は回転した。

「がっ!」「ぐっ!」

 二人は全身に爪を喰らって吹き飛んだ。

 僕は咄嗟に飛び出ると、こちらに飛んできた龍馬さんを受け止めた。

 ―――と言っても受け止めきれずに後ろへ倒れてしまったが。

「くっ……すまない!」

 龍馬さんは歯噛みしながら立ち上がると、僕を引き起こした。その身体には幾重もの引っ掻き傷がついていた。

「なんて強さだ……!」

「だが、お前の犠牲のおかげで見切れたぞ。」

 中野先生はそう言いながら剣を構えた。

「行くぞ、光。授業の時間だ。俺が切り込む。そこからお前が魔法と剣を駆使して畳み掛けろ。良いな。」

「はい、先生。」

 僕は頷くと、印を組んだ。

 その瞬間には先生はパッと駆け出した。

「ぬ?」

 出右衛門は近づく物体に反応して腕を薙いだ。

 だが、先生は脇に避けながら剣を持った状態で印を組んだ。

「水陣、《裂水線》!」

 その瞬間、先生の指から水が噴き出た。

 ウォーターカッターを連想させるそれで出右衛門を斬らんと先生は腕を薙いだ。

 だが、出右衛門はそれを腕一本で防ぐと、先生に飛びかかった。

 奴の拳と先生の剣がぶつかり合い、均衡する。

 そのタイミングに僕は術を放った。

「風陣、《空気砲》!」

 それは凄まじい勢いで地面を抉りながら出右衛門に向かった。

「くっ!」

 出右衛門はそれを一瞥して焦りの表情を浮かべた。

 その隙を先生は逃さない。

「水術、《水泡拘束》!」

 先生は腕に描かれた絵柄に触れて叫んだ。

 術は物質上に描かれた図、絵柄を媒介に抽象的な概念を生み出す……だったか。

 それによって、先生はノータイムで術を発動した。そして、先生の腕から発生した水は水泡となって中に出右衛門を閉じこめた。

 出右衛門は動けず、空気砲は接近、そして着弾した。

「ぬおぉっ!」

 が、次の瞬間、水泡の中で出右衛門は腕を薙いだ。

 それによって、出右衛門の腕が空気砲を弾いて先生の方に反射した。

「くっ!」

 先生が剣でそれを受け止めるが、止めきれず後ろに吹き飛ばされる。

 そして出右衛門は水泡から解放されると、僕の方に襲いかかってきた。

(忍!)

(分かっている!)

 僕はシオンの意図を理解して印を組む。それと同時に出右衛門は駆けながら全身から殺気を放った。


「風陣、《青龍乱舞》!」

「邪術、《暗黒龍演舞》!」


 出右衛門は激しく回転し、僕は剣を舞った。

 それによって、剣と爪が凄まじい勢いで何度も衝突する。

「やるな……。だが!」

 回転の最中、出右衛門はカッと眼を見開いた。

「甘い!」

 と、同時に奴は地を蹴った。そして手と足、四肢で回転した。

「ぐっ、あっ!」

 僕は身に鞭打って舞いの速度を上げたが、時は既に遅し。

 蹴りが剣を持った手を吹き飛ばした隙に、胸へ爪が叩き込まれた。

「ぐがっ!」

 僕は回転しながら凄まじい勢いで吹き飛ばされた。そして石造りの建物に身体が叩きつけられる。

「ぐっ……。」

 僕は荒く息をつきながら立ち上がろうとしたが、息を吐き出した途端、胸に激痛が走りその場に座り込んだ。

 見ると、胸からは夥しい量の血液が流れ出ていた。

 服は裂け、肉は抉られて、白い物……恐らく骨が除いていた。

「がはっ……。」

 口から血が吹き出て、激痛が身体の動きを妨げる。

 僕は……死ぬのか?

 今まで感じたことのない感覚が僕の身体を支配するのが分かった。

 これが……死の恐怖……。

「動くな。終わりだ。」

 出右衛門はそう言いながら爪を構えながら僕に近づいた。

 そして、僕を見下す。

 その眼は酷く無慈悲で……僕は死を覚悟した。


 ドスッ。


ハヤブサです。


試験で更新を中断していました。

申し訳ありません。


今回は出右衛門(デーモン)との戦いで、前のバージョンは内容が薄っぺらい物でしたが、今回は龍馬さんを早めに出すということもあって、厚みが出てきました。

いや、まだまだ未熟ではございますが、それでも前のと見比べると成長した物だと思わず感心してしまいましたな。


これからもご指導頂ければ嬉しいです。

という訳で、感想を出来ればよろしくお願いします^^

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